Sunday, June 4, 2017

[コンサルタントの働き方] 優秀なコンサルタントの特徴

優秀なコンサルタントの特徴について書きたいと思います。

①勝負強い
これは、運が強いとも言えます。ただ、何もせず運が強いのではなく、運を引き寄せているといえます。仕事に限ったことではありません。外資系コンサルティング会社時代、数十人のプロジェクトのボーリング大会で最も高いスコアを出したのは参加者の中で最もランクの高いパートナーだったし、同じプロジェクトメンバーの飲み会でじゃんけんをしたときもそのパートナーが勝った。また別の期末の飲み会でじゃんけんで勝った人がピコピコハンマーを持ち、負けた人がヘルメットを持ち、ハンマーで相手がヘルメットを被る前に相手の頭を叩けたら勝ち、というゲームをしたときも決勝に残ったのはパートナーとシニアマネージャーだった。彼らは常にどうしたら勝てるかというのを考えている。プロジェクトメンバーでフットサルをしたときも、試合のあと、彼らは得失点のきっかけになった場面を細かに覚えていて、あのときどうすべきだった、と真剣に議論する。何事にも頭をフル回転させることを止めず、愚直に向き合っている。カイジの漫画でティッシュ箱から当たりくじを引き当てるゲームがあったが、主人公は焦ってしまい、えいやでくじを引き勝負に敗れた。そして考えることを止めてしまったことを後悔する。クライアントが難しい課題に直面して明確な解にたどり着けず悩んでいるなか、コンサルタントがえいやになってしまったら、コンサルタントの価値は全くありません。常に1%でも成功確率の高い選択肢は何か考え続けることが必要です。彼らはそれを理解し、それが日常生活の基本的な行動様式にもなっているのです。

②記憶力が強い
クライアントとの打ち合わせでクライアントが話していたことをこと細かに記憶し、再現します。クライアントの現場の人と打ち合わせしたのち、クライアントの偉い人や、自社の上司から「どうだった?」と聞かれ、あの人がこんなことで悩んでいると言っていた、あの取り組みが現場でもうまく回っているといっていた、打ち合わせの結論としては…で、と簡潔に説明します。外資系コンサルティング会社でも「クライアントとの打ち合わせでは一字一句聞き漏らすな」と若手は言われていました。そもそも打ち合わせ内容を理解していなければ内容をメモするのも難しいでしょうし、打ち合わせ内容を理解してメモ・議事録を作成、記憶したりできるようになれば、その次の手をどう打つべきか等のクライアントとの議論も主導できるようになります。コンサルティング会社では若手はこの過程を通して育っていきます。「会議が眠い」と感じている若手とは成長度合いが全く違います。

③簡潔にまとめる
記憶力に加え、さらに優秀なコンサルタントは簡潔にまとめるのも得意としています。「どうだった」と聞かれたら、結論は①…、②…、③…で、次のアクションは①…で、②…で、③…で、と簡潔にまとめることができます。これはどうやって対応したらいいかというと、クライアントとの打ち合わせが終わって、自社の事務所に戻る道で結論は①…、②…と、答えられる準備をするのです。さらに、コンサルタント、マネージャークラスになると、クライアントとの打ち合わせの場で最後に、「じゃあ、コンサルタント会社さん、まとめると?」と話しを振られることもあるので、リアルタイムで結論は①…、②…、と答えられるように頭を働かしておかなければなりません。当時の優秀な上司は数十人のクライアントのメンバーが参加した打ち合わせをファシリテートしつつ、手元のメモに、議論で出た重要な論点、結論等をいつでも答えられるようメモしていました。コンサルタントって、結論は3つで…と、どうやっていきなりそれが出てくるんだろうと思うかもしれませんが、上記のようにちょっとした打ち合わせの間、打ち合わせの中での間を使って重要なポイントって何なのかというのを常に考えています。

④根性
自分の詳しくない分野で会っても猛勉強して議論にはついていけるようにする、クライアントがあきらめてしまいそうな答えのなさそうな状況でももうひと頑張り考えて自分なりの答えを出す、クライアントに怒られてもなにくそと期待を上回るものを出す等々。お客さんが突き抜けられないブレークスルーするのがコンサルタントなのでここに喜びを感じて、頑張れることが重要です。このあたりは激務と呼ばれる原因でもあるのですが、激務になり過ぎない範囲で上司や周囲の知恵を借りながら効率よく対応していけばいいのではと思います。

思いつくのはこれくらいでしょうか。決して、コンサルタントってすごいでしょう、ということを言っているわけではなく、①も②も③も、もちろん④も日ごろの努力とか、行動様式とか、から養える能力です。万人が何もせずにコンサルタントになれるとは思っていませんが、万人であっても上記のような努力を日頃からしていればコンサルタントとしてクライアントを満足させるレベルになることは私の経験からも可能だと思っています。よく地頭が良い人がコンサルタントに向いていると言われますが、①~③これらができていれば、字頭が良いとなぜか言われるようになります。経営コンサルタントになろうと考えている若手の方、中小企業診断士として独立しようと考えられている方の参考になればと思います。

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