Wednesday, October 28, 2015

[Singapore] 福建語を話して華人社会に深く入り込もう

シンガポールには中華系、マレー系、インド系、その他と様々な種族の人たちがおり、オフィスでは英語が共通言語として使われています。一方、それぞれ同じ種族の友人や家族との会話では中国語、マレー語、タミル語、もしくは英語で会話がなされます。

また中華系の人たちはその祖先の出身に応じて中国語の方言である福建語、潮州語、広東語、客家語、海南語を家族・親戚や地元の同じ言語グループの人たちとの会話で使用します(少なくとも私自身も福建語、潮州語、広東語が家族間で話されているのは聞いたことがあります)。

シンガポールの華人に対し、より身内に近い環境で話されるその方言を少しでも話すことで、自分たちの言語に興味を持ってくれる珍しい外国人だと興味を持ってくれるのではと思います。純粋にそういったコミュニケーションは双方にとって楽しいものですし、ビジネスの場においても業務内容・英語でのコミュニケーションはちゃんとしたうえで、タイミングをみてこういったコミュニケーションも加えられればビジネスの相手のこちら側への精神的な距離もぐっと縮まるのではと思います。シンガポールには日本人も多いので、個人としてしっかり覚えてもらうには「こんな珍しい日本人がいたよ」と相手が話題にしてもらえるような、日本人のなかでの差別化も必要なのではと思います(それが別に福建語でなくてもいいと思いますが、何か考えてみてもいいと思います)。

また福建系の人は華人のなかでも最も多く、福建語の表現がそのままシングリッシュになっているものも多いため、シングリッシュの理解にも繋がることから一石二鳥の言語だと思います 笑。

自己流ですが、発音を下記に記しましたので、ぜひ使ってみてください。発音・声調(括弧の中の数字)は中国語(普通話、マンダリン)のピンイン・声調をベースにして表記しています。普通話の発音にはないものは、日本語のローマ字の発音で発音してください。声調も参考にすればかなり通じると思っていますので、自身を持って言い切ってみてください!

あなたは何人(なにじん)ですか?
⇒ 你是什么人?/ Ni(1) Xi(3) Xi(2) Mi(1) Lan(2)? / にー(1) し(3) し(2) み(1) らん(2)?

私は日本人です
⇒ 我是日本人 / Wa(1) Xi(3) Ji(3) Pun(1) Lan(2) / わー(1) し(3) じっ(3) ぷん(1) らん(2)

私は中国人です
⇒ 我是中国人 / Wa(1) Xi(3) Diong(1) Kuk(3) Lan(2) / わー(1) し(3) でぃおん(1) ぐっ(3) らん(2)

私は学生です
⇒ 我是学生 / Wa(1) Xi(3) Hak(1) Seng(3) / わー(1) し(3) はっ(1) せん(3)

大丈夫
⇒ 不要紧 / Bo(2) Yag(1) Gin(3) / ぼ(2) やっ(1) ぎん(3)

水を飲む
⇒ 饮水 / Lim(3) Zui(4) / りむ(3) ずい(4)

水を飲みますか?
⇒ 爱饮水莫? / Ai(1) Lim(3) Zui(4) Mai(2) ? / あい(1) りむ(3) ずい(4) まい(2)?

お酒を飲む
⇒ 饮酒 / Lim(3) Jiu(4) / りむ(3) じぅ(4)

お酒を飲みますか?
⇒ 爱饮酒莫? / Ai(1) Lim(3) Jiu(4) Mai(2) ? / 
あい(1) りむ(3) じぅ(4) まい(2)?

はい
⇒ 爱 /Ai(1) / あい(1)

いいえ
⇒ 莫 / Mai(4) / まい(4)

ある
⇒ 有/ Wu(1) / うー(1)

ない
⇒ 无 / Bo(2) / ぼー(2)

わからない
⇒ Mm(3) Zai(1) / むぅー(3) ざい(1)

仕方ない
⇒ 无变 / Bo(2) Bian(1) / ぼー(2) びえん(1)

ボーピア ※クレープのような生地に豚肉や野菜、ニンニク等を乗せ、巻いて
食べる福建料理
⇒ 薄饼 / Bo(2) Pia(1) / ぼー(2) ぴあ(1)

ゴーヒャン ※豚肉を湯葉で巻いて揚げた福建料理
⇒ 五香 / Ngo(2) Hiang(1) / んごー(2) ひぃあん(1)

アングーグエ ※お祝い事の際に食べる赤い色をした亀の甲羅の模様がついた餅
⇒ 红龟糕 / Ang(3) Gu(1) Gue(1) / あん(3) ぐー(1) ぐえ(1)

エアコンをつける
⇒ 开冷气 / Kui(1) Leng(3) Ki(4) / くい(1) れん(3) きー(4)

Tuesday, October 27, 2015

[コンサルタントの働き方] コンサルタント的断捨離のススメ

断捨離という言葉が少し前に流行っていましたが、シンガポールに生活の拠点を移す際、所有物の整理を行ったときのことを書きたいと思います。結果、シンガポールでの所有物は最小限とし、実家の荷物の整理もできたため、気持ちも身軽になりました。整理対象・方法は下記の通りです。

・書籍・セミナー資料等
全てPDF化してノートPCに入れました。PDFファイルは併せて文字認識の処理をしており、仕事で参考になる記述があるかどうか探す時も文字で検索ができるため実物の本よりも使い勝手がよく、実際にシンガポールに来てから仕事に役に立ったものもいくつかあります。ノートPCはタブレットにもなるタイプなので、飛行機の中等でも読みやすいです。留意すべきは無心に全てPDF化するのではなく、そもそも今後読まないと思ったものはPDF化もせず、売ったり廃品回収に出したりすることで時間の無駄を省くことです。

・書類・領収書類
明らかに不要なものは捨て、またPDF化したり写真に撮り残しておけばよいものはそのようにしました。実際に紙媒体で保管すべきものは、バインダー一冊に集約しました。データ化したものはフォルダで整理、バインダーもカテゴリごとに整理しているため、頭出しも早いです。

・衣類、靴等
1年以上身につけていないものは捨てました。

併せて実家においてあった自身の物品についても同じように整理をしました。書籍、衣類、CD、写真等多くありましたがこれを機会に整理してしまいました。

・CD
MP3化してノートPCに入れ、CDそのものは捨ててしまいまいた。こちらで疲れたとき等、昔よく聞いていた音楽を久々に聞くのもなかなかいいです。

・写真
デジカメが普及するまでに撮った写真のうちあとで見る価値のあると思うもののみ選び、他は全て捨ててしまいました。万が一必要になっても以前ネガを写真屋でデジタル化しており大丈夫です。

そのため実家に置いていた荷物もシンガポールでは不要な冬服(最低限)と卒業アルバム類(これも自分の部分だけPDF化して捨ててしまおうか考えたが結局残した)くらいになり、気持ち的にもすっきりしてこちらにくることができています。

様々な物品を整理していて重要であると思った考え方は優先度の高い順に、①まずはいらないものを識別する、②そのうえで実物として残しておかなければならないかまたはPDFや写真で十分か判断する、③どうしても実物として残しておくもののみ分類して残す、です。①は、そもそもいらないのにPDF化したり分類したりしていたらそもそも時間がもったいないですし、②は「データとして残す」という選択肢を設けることで捨てるか/残すかの二択だと結局迷って残すを選んでしまうようなものでも積極的にこの選択肢を選ぶことができ実物の量を大幅に減らすことができた、のがそれぞれ重要であると考えた理由です。

細かい作業に入る前にそもそもその作業は必要なのかとで考えたり、情報はデータ化してすぐに頭出しできるようにしたり、といったことはコンサルタントとしても重要な行動様式ですし、それにより資産(持ち物)は軽く、持ち歩ける情報は多く・使い易くすることで移動が多いなかでも普段と変わりないパフォーマンスを発揮できるようになります。

実際にはシンガポールに引っ越す前からこのようなことを考えて少しずつ身の回りの整理を続けていたのですが、そうしたところだんだんと「物」に対する執着や物欲がなくなってきました 笑。

Monday, October 12, 2015

[Singapore] 東京のシンガポール料理店発展史

近年東京でシンガポール料理店が増えており、今までウォッチしてきたいくつかを含めどれくらいあるのだろうと調べてみたら思いのほか多くありました。それらをオープンの時期ごとにまとめてみたところ、シンガポールから満を持して進出したお店を含め競争が激化していることがわかります。今後シンガポール料理が飽きられてしまうのか、タイ料理のように定着していくのかはわかりませんが、単なる流行に乗ってお店を出すのではなくシンガポール料理に拘りを持ち、その魅力を伝えるお店が日本・東京でのシンガポール料理を引っ張っていってもらえればいいなと思っています。

☆黎明期(2000~2004年)
→チキンライスといえばケチャップライスだった時代、2000年に夢飯(むーはん)が開業。その3年後に海南鶏飯食堂が六本木ヒルズの近くに開業、六本木ヒルズの盛り上がりとともにじわじわと海南鶏飯(海南チキンライス)が知られるようになる。

[夢飯(むーはん)]
http://mu-hang.sakura.ne.jp/
まさかシンガポールがブームになるだろうとは誰も思わなかった時代、チキンライスといえばケチャップライスだった時代、2000年に海南チキンライスの専門店として西荻窪にオープンします。その後西新橋にも出店。海南鶏飯の鶏はゆで鶏と、揚げ鶏と両方。毎月5、10、15、20、25、30日はジャスミンライスの日とのことで、毎日ジャスミンライス(タイの高級香り米)ではないようですが、料理はどれも丁寧に作られています。何度か西荻窪店に行きましたが、店舗内も家具や照明が温かい雰囲気を出していて落ち着きます。

[海南鶏飯食堂(ハイナンジーファンしょくどう)]
http://www.route9g.com/
2003年5月に六本木ヒルズの裏手に麻布店をオープン。アメリカの料理学校で出会った二人が経営者となり立ち上げました。六本木ヒルズ自体が2003年4月開業のため、いいタイミングでオープンしています。雑誌などでも多く取り上げられ店が一躍有名になるとともに、その後恵比寿店を立ち上げたあたりから東京でシンガポール料理屋が急に増え、テレビでもシンガポール特集が組まれるようになったりと、東京・日本でのシンガポール・シンガポール料理の認知度向上に大きな影響を与えたたと言えます。六本木のミッドタウンの近くにもお店があります。

オーナーシェフ(経営者の一人)は、シンガポール料理に関する様々な考察をブログにて発信しています(→http://singaporecooking.blogspot.sg/)。また長年研究してきたシンガポール料理のレシピをまとめた海南鶏飯食堂クックブックという本を2006年に出版しています。シンガポール料理自体への強い思いを持って営業していることが伺えます。店員の方が料理を運んでくる時にも食べ方や、シンガポールではどうやって食べられているかなど丁寧に説明してくれたりします。お皿もすぐ下げずに「このブラックペッパーソースをご飯やロティと一緒に食べるとおいしいんですよ」と勧める等、料理を楽しんでもらいたい気持ちが感じられます。定期的にシンガポールに研究に出向き、それを踏まえてメニューも時々入れ替わるので、それも楽しめます。

☆成長期(第一次、2005年~2010年)
→恵比寿では海南鶏飯食堂に加え2店がオープンし3店が集中、局地的に競合激化。機が熟したとみたか、シンガポールから大手シーフードレストランが進出。一方で、カヤトーストのお店もできたものの閉店となる。

[シンガポール海南鶏飯(シンガポール ハイナンチーファン)]
http://www.hainanchifan.com/
2005年に水道橋にオープン。元々台南担仔麺(※台南ターミー、新宿にある同名のお店とは別系列)というお店を出していた台湾資本と思われる会社が後にシンガポール料理も手がけました。タイミング的にも店名も海南鶏飯食堂を(横目で)意識したと思われますが、私のまわりで混同してしているひともいました。その後恵比寿店ガーデンプレイス、汐留シティーセンター、赤坂サカス、三越前の日本橋三井タワー(2014年)と勢いよく、且つ好立地(賃料も高そうな場所)で出店(恵比寿店は閉店)。台湾にも出店しているようです。シンガポール大使館ご用達を売り文句にしており、シンガポール大使館のイベント向けのケータリングも行っているようです。

[エビス新東記(エビス シントンキー)]
http://www.sintongkee.jp/
2005年10月に恵比寿のJR西口駅近くにオープン。シンガポール人のオーナーだというのが他店に比べて特徴的で、オーナーの方はおじいさんが70年前に中国海南島からシンガポールに渡ったとのことで、海南系のシンガポーリアンのようです。2006年にシンガポール政府観光局から第1号認定シンガポール料理店の称号を受けたとのこと。2011年6月に神楽坂店をオープンさせていますが、2013年末に閉店。マーライオンの模様がついた鉄製の冷やされたジョッキで出てくるマーライオンビールが特徴的です。恵比寿店には何度か行っていますが、家庭的な雰囲気と、お店の方も自然な感じで話しかけてきてくれ、気持ちよく過ごせます。

[菓椰トーストカフェ]※閉店
2005年頃に横浜・関内にオープン。卵、ココナッツミルク、パンダンリーフ、砂糖で作られたカヤジャムをトーストにつけて食べる、カヤトースト専門店。2006年に閉店してしまったようです。

[ヤクン・カヤ・トースト] ※閉店
2006年10月にららぽーと豊洲にオープン。その名のとおり同名のシンガポールのカヤトーストの有名なお店が日本に進出。運営はタイレストラン「コカ」を日本で展開しているマルハレストランシステム、だとのこと。2012年頃に閉店してしまったようです。

→カヤトーストメインでは店舗を維持できるほどの売り上げにはならなかったか。カヤトーストだけでは飽きられてしまったか、今後カヤトースト専門店を出す場合には難易度が高そうです。

[ファイブスター・カフェ(五星鶏飯)]
http://www.golden-dining.com/fivestar.html
2007年6月に中目黒にオープン。タイ・ベトナム料理をベースにしたパクチー料理専門店、PHAKCHI BAR等を持つゴールデンダイニンググループが運営しています。海南鶏飯、バークーテーが売りのようです。築45年の町工場を改装したお店とのことで、雰囲気は良さそうです。

[カフェ・シンガプーラ 海南鶏飯]
http://www.golden-dining.com/singapura.html
2008年4月に六本木ヒルズ近くにオープン。海南鶏飯食堂からも近く、ファイブスターカフェと同じゴールデンダイニングという会社が運営しています。以前はゴールデンバーニングというエスニック料理屋でしたが、系列のファイブスター・カフェが軌道に乗ったためか、シンガポール料理店に業態転換。そのため作り方・味等はファイブスター・カフェと近いと思われます。

[シンガポール シーフードリパブリック]
http://singaporeseafood.jp/
2008年4月に品川駅前にオープン。シンガポールのジャンボ、パームビーチ、インターナショナル、トンロックの4つのレストランが共同で展開したものだそうです。運営しているのは博多ラーメン由丸なども運営する株式会社 M・R・S。「シンガポール政府公認レストランが日本進出した」と謳っており、新東記の認定シンガポール料理店とは違うのかもしれません。品川駅前という好立地にも拘わらず単独で大きな店舗を構えています。住所はホテルパシフィック東京となっており、京急電鉄のグループ会社、ホテル京急の敷地内に建てられている模様。建物もラッフルズホテルに代表されるブリティッシュ・コロニアル様式を採用、外壁サッシや内装デザインも工夫し建物全体でシンガポールらしさを表現している、とのことで建物からこだわったことが伺えます。蟹を初めとしたシーフードを前面に出しているところがこれまでのシンガポール料理店との違いで、マッドクラブを使ったチリクラブが名物料理。ベトナム、インド、フィリピンなどから生きたままマッドクラブを空輸する独自のルートを開拓、現在は週2便の頻度で空輸しているそうです。シンガポールのジャンボなどと同じようにチリクラブを揚げ饅頭(揚げた蒸しパン)と一緒に食べたり、チリクラブだけでなく本場と同じようにブラックペッパー、カレー、ソルトペッパー等様々な味のマッドクラブが楽しめるようです。銀座マロニエゲート(2008年12月オープン)、大阪梅田(2011年3月)、五反田アトレ(2013年6月、店名はシンガポールシーフードリパブリックジュニア)にも店舗があります。

☆成長期(第二次、2011年~2014年)
→更に継続して海南鶏飯を前面に出したお店が相次いで出店し東京全体で競争が激化。
同時に"シンガポール料理"でなく点心をメインとしたお店、パライダイスダイナシティが出店。

[MR.CHICKEN鶏飯店]
http://www.mrchicken.jp/index.html
2011年6月に移動販売を開始。2012年7月に原宿に店舗をオープン、その後2014年6月に北品川に移転しています。席数は10席と比較的小規模。メニューはチキンライスがゆで鶏と揚げ鶏の2種類以外に、タイのガパオライス、マレーシアチキンカレー、ベトナムのフォーもあるようです。シンガポールのホーカーセンターのような赤いプラスチックの皿に盛られて出てくるのが特徴です。車での移動販売は今も行っているようです。

[海南鶏飯(ハイナンジーハン)] ※閉店
http://tabelog.com/aichi/A2301/A230102/23043784/
東京ではないですが、2012年に名古屋にできたお店。食べログでは2012年1月オープン、最後の口コミは2012年7月、現在では閉店となっています。海南鶏飯食堂(ハイナンジーファンしょくどう)と店名、店名の字体、海南鶏飯食堂麻布店と門構え、白い壁、黒い窓枠等各所が酷似していました。東京でチキンライスが流行ってるのを見て似たものを作れば売れると考えたのか、そう考えた人がプロデュースしたのか、結果として味や思い入れがついて来なかったのだと思います。

[パラダイス ダイナシティ]
http://www.paradisedynasty.jp/
2013年6月、有楽町と銀座の間あたりの場所にパラダイス ダイナシティ銀座店としてオープンしたカジュアル中華レストラン。海南鶏飯を中心としたこれまでのシンガポール料理やシーフードとも異なり点心がメインのお店です。日本の会社がシンガポールの飲食店グループ、PARADISE GROUP PTE LTDと営業ライセンス契約をし開業。8色の小籠包が売りのシンガポール発の中華料理店で、8食の小籠包はそれぞれオリジナル、高麗人参、フォアグラ、チーズ、黒トリュフ、ガーリック、蟹の卵、麻辣味。シンガポールが本店で、日本以外にもタイのバンコク等に店舗があるようです。

[シンガポールコピティアム]
http://r.gnavi.co.jp/bjguc7z00000/
2013年7月八丁堀にオープン。シンガポール&ペナン料理専門店だそうです。コピティアムとはシンガポールやマレーシアでコーヒーショップのことですが、シンガポールではフードコートのようにお店が集まった場所もコピティアムと呼んだりもします。以前はシンガポールシーフードエンポーリアムというお名前で新橋で営業していたとのことです。ぐるなびによると、バークーテーは「八角、丁子、桂枝など16種類のハーブと約2kgのニンニクを2時間じっくり煮込みエキスを抽出。漢方とニンニクを取り出したあと、豚のスペアリブを入れさらに3時間煮込む。」とのことで、バークーテーには相当こだわっている様子。16種類のハーブとのことなので福建風の薬膳スープのバークーテーだと思いますが、一度食べてみたいです。

[CHICKEN RICE TOKYO]
http://food-dig.com/
2013年11月に青山にオープン。マリーナベイサンズ等日本ではちょっとおしゃれなイメージがあるシンガポールですが、そんなイメージを好みそうな客層のいそうな場所、かつ既にシンガポール料理店がない場所、ということで場所選びはよかったのではないかと思います。メニューは海南鶏飯、ラクサ、肉骨茶など定番ですが、お茶漬けやスパゲティがあるなど、必ずしもシンガポール料理だけではないようです。

[松記鶏飯]
http://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13160030/
2013年9月に小川町(神田)にオープン。お店の方は休みがある度にシンガポールや、多くのシンガポール料理の起源ともなっているマレーシアのペナン島などに料理研究に出向いているそうで、シンガポール料理にとても詳しいです。お勧めの料理などいろいろと教えてくれましたし、他のお客さんとも話が弾んでいるようでした。このページ(→https://tokyo-calendar.jp/ja/article/3861?page=3)では、Kway Chap(クワイチャップ)が紹介されています。シンガポールのホーカーセンターでよく見られ、豚肉、モツ、油揚げ、ゆで卵などが入っているスタミナがつきそうな食べ物で私も好きな料理のうちのひとつなのですが、モツが入っていたりと日本でのきれいなシンガポールのイメージと異なるこの料理を日本で出すお店はさすがにないだろうと思っていたところこのメニューの存在を知り、また行って試してみたいと思いました。昨今シンガポール料理イコールあたかも海南鶏飯、ラクサ、バークーテーである、といったお店が増えるなか、こだわりを持っておいしいものを探し出し、より魅力を感じてほしいとの意図が感じられます。海南鶏飯食堂と同じように、研究を踏まえメニューの追加・入れ替えを行っているようですので、再訪して新メニューを楽しむこともできます。


☆成長期(第三次、2015年~ ※もしくは成熟期?)
→東京におけるシンガポール料理店の盛り上がりを受けてか、シンガポールからTCCと威南記が日本に展開。いずれもきれいなシンガポールのイメージの店舗。威南記はフランチャイズでの全国展開を狙う。

[TCC]
http://www.tccjapan.net/
シンガポールのカフェチェーン。シンガポールではカフェであり、食事もできるお店。日本ではプロントが同じような形態ですが、TCCの方がより明るい雰囲気で若い女性がおしゃべりを楽しむようなお店です。そのTCCが日本進出、2015年2月に銀座にオープン。ウェブサイト上では「シンガポールで人気のハイエンドカジュアルなレストラン」と謳われていますが、シンガポールで何度か利用したところでは「シンガポールに多くあるカジュアルで明るい雰囲気の食事もできるカフェ」という表現がしっくりきます。シンガポールから来たということで、シンガポールでは置いていない海南鶏飯もあるようです。食べたことはありませんが、出す以上は海南鶏飯もこだわって欲しいです。

[威南記(Wee Nam Kee、ウィーナムキー)]
http://weenamkee.jp/
シンガポールで有名な海南鶏飯屋さん。2015年7月に田町にオープン、続いて2015年9月に銀座店がオープンしました。立て続けにオープンしており、当初から複数店舗並行して準備をしていたと思われます。シンガポールのお店では海南鶏飯がメインで、メニューはその他いろいろあるものの注文の大部分が海南鶏飯と小松菜(※中国語で油菜)のオイスターソース炒めなのではないかと思います。一方、日本ではランチメニューにラクサがあり、シンガポール料理といえばラクサもあるよな、という日本のお客さんに対応しているのだと思います。日経トレンディの記事によると「シンガポール観光局のウェブサイトでも紹介されており、政府高官やセレブの間でも人気が高い。」となっていますが、シンガポールのお店は味はおいしいがお店そのものは大衆食堂で、別の人のブログでも「シンガポールのセレブが魅了されるチキンライス 「威南記」が日本初出店のプレオープンに伺いました。」と書かれていたり、なんだかもともとのイメージとだいぶかけ離れてしまったなぁという感じです。田町、銀座とも本国のお店からは想像もできないような洒落た店内。シンガポールの本店にも行ってみたい!と実際に行ってみたらあまりの雰囲気の違いにショックを受けるのではなかろうか、と思います(味はおいしいです)。威南記と日本でのフランチャイズ契約を結びモデル店をプロデュースしたのはバルニバービ(大阪市)という会社とのこと。更に東京都におけるマスターフランチャイズ契約を締結したのは、経営の多角化を進めている大手住宅設備総合商社の小泉(杉並区)だ、とのこと。つまり、日本での経営権を持ちレストランのプロデュースをする会社が、更に日本で地域ごとにフランチャイジーと契約する形式のようです。ウェブサイト上でも「威南記海南鶏飯では、東京都を除く日本全国においてフランチャイズ加盟企業を募集しております。」と書かれており、威南記で全国展開を狙っていることが伺えます。個人的にはシンガポールのNOVENAの今の場所に移転する前にあった店の前が開けっ放しでクーラーもなく大型の扇風機だけがガンガン回っているお店で海南鶏飯をかき込むのが東南アジアっぽくて好きだったのですが、そんなお店を無理に海外に引っ張り出して、且つ日本人の思うきれいなシンガポールのイメージに合わせてお店もガラッと変えてしまった感じでちょっと寂しいですね。日本の威南記は行ったことがないですが、シンガポールのお店はご飯に効いている鶏のだしと生姜がさわやかな風味で、更にテーブルの上の容器から好きなだけ取れる生姜ソースが鶏肉とマッチしておいしいです。

[五星 海南鶏飯]
http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130803/13185413/
2015年8月に半蔵門にオープン。名前がファイブスターカフェに似ているが、ファイブスターカフェを運営するゴールデンダイニングのウェブサイトを見ても書いておらず関係ないのだと思います。

個人的にどこがおすすめかと聞かれれば、味・雰囲気から夢飯、海南鶏飯食堂、エビス新東記、松記鶏飯(※オープン順に記載)がおすすめです。味・雰囲気ともに温かみ・深みがあるというか、そういった意味で好きなお店です。海南鶏飯食堂、松記鶏飯ではシンガポール料理への拘りも強く、お店の人とのシンガポール料理談義も楽しめると思います。

Sunday, June 28, 2015

[中小企業診断士] 診断士養成課程は選択肢となり得るか

中小企業診断士になるには、通常の一次試験・二次試験に合格する以外に、一次試験合格後に中小企業診断士養成課程を受験し修了することで資格を取得する方法があります。

中小企業診断士養成課程とは、国の中小企業基盤整備機構が運営している中小企業大学校に設置されているものや、その他私設の教育機関や大学院に設置され経済産業大臣に登録されたものがあります。一覧は、下記中小企業庁のウェブサイトに公開されています。
http://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/download/0417Yousei-TourokuKikan.pdf

中小企業大学校のようにフルタイムで半年間のもの、平日の夜や週末を使い、1~2年かけて終了するもの、大学院のMBA課程と一緒になっていて卒業時にはMBAと診断士資格が同時に手に入るものなど、それぞれあります。

診断士養成課程は選択肢となり得るか、結論からいうと、資格取得を目標としている人には選択肢となり得ると思います。その理由を自身が中小企業大学校の養成課程の道を選び、学んだ経験を踏まえ下記にまとめてみました。

1.足踏み感が少なからずある二次試験の勉強をし続けなくてよい
私は二次試験を一度受け、それなりに勉強したつもりだったのですが、あと少しで通過に至りませんでした。一次試験と違い勉強を通して自身が一歩一歩成長している感覚や合格に近づいている感覚のない、また次回必ず受かるかわからない二次試験に対し、あと少しの差分を埋めるためだけにもう一年予備校に通ったりして勉強するのは投入する時間に対する効果(自身の成長度合×資格取得の確実性)がとても低いと思いました。仮に二次試験の勉強を一年続けると足踏み感が強くもどかしい思いをすることが容易に想像できました。更には二回目を受けて仮に不合格であったら、一次試験から受け直しになってしまいます。中小企業診断士養成課程であれば、入学が決まればあとは歯を食いしばって最後までついてけば資格は取得できる、また二次試験の勉強に比べ、一日一日学ぶこと自体も自分のためになる、養成課程での学習を通した自身の成長度合、資格取得の確実性の両面から養成課程が自分にとっては良さそうだと思いました。その分、養成課程の準備以外の時間は英語の学校に通うなど時間を有効に使用することを心がけました(結果的にこれでTOEICの点数も上がり転職にもプラスになりました)。

上記の1番が、自分にとっての養成課程を選択した最も大きな要因だったのですが、実際に養成課程で学ぶなかで、感じたのは下記2点です。

2.まとまった時間を使って考える・議論する、そこで成長するよい機会となる
以前自身が事業会社で勤務していたときは、会社や部署をよりよくするためにどうしたらいいのか等、同僚と納得いくまで議論したいとは思いつつも、通常業務が忙しく、なかなか思うようにできていませんでした。中小企業大学校の養成課程では、一部座学もあるものの、大部分がケーススタディに基づいたディスカッション・グループワークであったり、実際に中小企業を訪問してのコンサルティングプロジェクト形式の実習であったり、まさに題材となっている会社をどう良くするかを議論することがメインでした。ホワイトボードに向かい、侃侃諤諤議論します。時には指導教員に反論したりします。議論が詰まってしまい、誰も打開策を打ち出せないときには、誰かがいい意見を言ってくれるのを待たず、「ここで状況を打開するのは自分なんだ、自分なんだ。。。」と常に考え、積極的に発言・議論を導くようにしていました。今考えると、その時の経験があったことが、養成課程修了後入社した外資系コンサルティング会社の経営コンサルティング部隊で生き残ることができた要因だと思っています。その会社では入社時の最終面接でパートナーに「コンサルティング会社で働くのに中小企業大学校に行かずに直接来れば早かったのに」と言われましたが、自分としては養成課程での経験がなければ、入社早期から議論のなかでプレゼンスを発揮するのがなかなか難しかったのではと思っています。

3.養成課程参加者同士の強いコネクションができる
自身の通っていた中小企業大学校の養成課程では、さすが公的機関、クラスメートの8割以上が日本全国の中小企業支援機関、行政の中小企業支援部門、金融機関から派遣されている人でした。私は残りの1~2割に滑り込んだ形です。その人達と濃密な半年間を過ごし、全国にて中小企業支援を仕事として行っている人達との強いコネクションを築くことができました。自分のコンサルタントとしての成長次第ですが、将来セミナー等に講師として呼んでもらったりもできるかもしれません。2に関連するところでは、中小企業支援のための支援策の適用を認可する行政側、中小企業に融資する金融機関等、様々な立場で中小企業支援に関わる人たちと議論するなかで、それぞれの考え方に触れることができたのも経験値としてよかったと思っています。聞きたいことがあれば今でも連絡して聞くこともできます。中小企業大学校以外では、参加者の構成がどのようになっているかはその人のブログを探し出したりしてチェックしてみるといいかもしれません。


と、いい面ばかりを挙げましたが、もちろん養成課程に要する時間や費用についても考える必要はあります。自分の場合は、①診断士資格を取得することが自分の計画における目標のうちのひとつでありそれを最優先したこと(確実性 = お金に変えられない価値を重視)、②また資格取得後コンサルティング業界へ転職しようと考えていたため退職には抵抗がなかったこと(資格取得後思い通りの仕事にありつけるかはわからなかったが、何となく自信はあった)、③また養成課程期間中に収入が得られない機会損失はあるものの当時独身であったたことから支えられなくなるキャッシュアウトフローが特になかったこと、の①~③から、自分にとってはフルタイムの養成課程に入るデメリットは大きくないと判断しました。家計の維持のために、仕事をしていない期間ができてはいけない人であれば、現職を退職せずに平日夜や週末の養成課程などがありますので、それも選択肢となるとは思います。また、③は許容可能だが、②は養成課程後思うように仕事が見つからなかった場合のリスクを考えると抵抗があるという方は、平日夜や週末の養成課程以外に、会社と交渉して休職しフルタイムの養成課程に入る選択肢も考えられると思います。実際には、私の同期の個人で参加していた人も養成課程終了後中小企業支援機関に就職したり、独立して生計を立てたりしているので、やり抜く意志さえあれば心配しすぎる必要はないとは思います。

ウェブ上では、養成課程についていろいろ否定的な意見も書かれていたりしますが、一切気にする必要はありません。診断士になれば、誰がどの出身だとか一切関係ないですし、気にする人もいません。どれだけ仕事を取ってきて、確実に実施できるかが勝負です。本当になりたいのに二次試験を経ての資格取得にこだわっていて結局機会を逃してしまっては本末転倒です。コンサルティングプロジェクトにも言えることですが、目的を達成するためにはあらゆる手段を考えるというマインドで考え、判断頂ければと思います。歯を食いしばって臨めば、むしろ即戦力として次の道へ繋がるものだと思っていますので、打算的に活用してください。

Wednesday, June 10, 2015

[中小企業診断士] 診断士とMBAのどちらを取得すべきか

今後のキャリアアップのために、中小企業診断士とMBAのどちらを取得すべきか。答えは当たり前ですが「その人による」です。それぞれ特徴があり、自分の人生にとって必要なのは何によって得られる要素なのか、それに時間やお金をかけて取り組む価値があるかを考えるべきです。

まずは中小企業診断士の特徴は、
1.学習を通して得た知識を活かして仕事の幅を広げられる
今まで特定の分野で仕事をしていた人が、経営に関する基礎的な知識を一次試験の7科目の学習を通して身に着けることができます。それにより、例えば財務会計の科目で学んだことを活かして取引先の財務諸表を見たり、経営情報システムでの知識を活かしてシステム改善のプロジェクトに参加したり(当然最初は参加者のひとりという位置づけ)、経営法務で学んだ知識をベースに取引先との契約内容すり合わせをしたりと、資格取得に至るかは別として、真剣に取り組めば少なからず上記のような職場に転がっている機会を掴み、仕事の範囲を広げられる可能性はあると思います。仕事の範囲を広げ、社内での希望の部門への異動や転職に繋げられれば時間やお金をかけて勉強した価値は十分あるし、逆に勉強だけして満足していたら時間とお金の無駄です。ただ、経済学は、私も苦手な科目のひとつでしたが、自身の経験上勤務した事業会社、外資・日系のコンサルティング会社での勤務で知識が役に立つ機会はありませんでしたので、必ずしも全て同様に自身の仕事に役立つとは言えない部分もあるとは思います。

2.公的な機関から中小企業支援の仕事を得やすくなる
今度は診断士として開業して仕事をする場合ですが、よくネット上で言われているのが、公的資格とはいえ、弁護士、会計士、税理士等と違って法的な独占業務がないため、努力して取っても意味がない、それだけでは食っていけない等です。確かに、中小企業診断士の資格を持った人だけに開放された一定の市場があるわけではありません。一方で、商工会・商工会議所等の中小企業支援機関、地方自治体等において専門家による経営相談や専門家を企業に派遣する中小企業支援施策が用意されていますが、その専門家募集のページでは、「中小企業診断士資格を保有していることが望ましい」と記載されていることも多いです。中小企業診断士資格の有無に関わらず経営コンサルタントを名乗りそういった経営の助言を行う業務を行うことはできますし、実際に既にどこの地方自治体で○○アドバイザーをしているといった経歴がよりものをいうことは確かですが、一番最初に仕事を取る際には資格があった方が有利といえると思います。支援機関や地方自治体でも、その看板を背負った経営相談員や派遣される専門家の一定レベルの質を担保しなくてはなりませんし、その判断のよりどころになるものだと思います。

3.国際協力の分野での活躍も期待できる
また、あまり知られていませんが、国際協力の分野で、日本のODAを財源とした、JICAやHIDA(一般財団法人海外産業人材育成協会)等の活動のなかで、海外の中小企業産業振興や中小企業人材育成を目的としたものも多くあり、そこでの活躍の機会も考えられます。JICAやHIDAはタイやインドネシアで中小企業診断士の育成を行っており、そこでも日本の中小企業診断士が活躍していました。また、JICAが2012年から開始した、日本の中小企業の海外進出を支援し、それを以て進出先国の経済発展・人材育成に寄与するという「中小企業海外展開支援事業」においても、中小企業診断士の活躍の機会は多いと思います。海外の大学院で開発学を専攻し国際協力の分野に関わる人も多いですが、中小企業診断士資格の取得も国際協力に関わりたい人にとっての入口のひとつになると思います。国際協力機関で働く人は支援先国との調整役となることが多いと思いますが、診断士は現場で現地の人に根気よく指導する立場を期待されることも多く、より現場に近い場所で関わりたい人には理想的とも言えると思います。下記リンクのように中小企業診断士の経験を活かして、国際協力に携わって本を出版されている方もいます。
元JICA専門家 中小企業診断士 298日間の海外支援奮闘記
中小企業診断士による国際協力の機会についてはあまり知られていないことですが、これを知って診断士を目指し、国際協力の分野で活躍する若手が多く出てくるといいなと思っています。

4.診断士同士の横の繋がりができる
参加するしないは自由ですが、中小企業診断協会という診断士が集まる協会もあります。様々な研究会活動があり、診断士同士の横の繋がりができます。自身の経験上、いわゆる大企業で幹部として働いている人、働いていた人も多く、そういった会社の話を聞けたり、そういった人と一緒に仕事をすることでその人のコネクションが仕事に生きることもあると思います。

一方、MBAについては、私自身が取得しているわけではないので、人から聞いた話として簡単に紹介するにとどまってしまいますが、
1.英語での経営に関する議論ができるようになる
海外MBAの場合、授業は全て英語で、様々なケーススタディを通してクラスメートとの議論も行うことになりますので、必死に頑張れば卒業する頃には初めて訪問した海外の会社などとも英語で経営のハイレベルな議論をすることができるようになります。

2.世界中からの優秀なビジネスマンとのコネクションができる
世界中の有名企業から幹部候補生として派遣されている人などと、一緒に議論をしたりグループワークをしたりと密なコミュニケーションをするなかで、強いコネクションができます。卒業後も互いの国の企業を紹介しあったりと、コネクションが自身のビジネスにも生きます。

中小企業支援・国際協力に近づける、協会に参加すれば国内での横の人脈もできる中小企業診断士。中小企業診断士は、働きながらでも取得は可能です。海外人材としての即戦力+グローバルな人脈が得られるMBA。MBAは会社を辞めるか休むかしなければならない分よりハードルは高いですが、その分自身のキャリアをグローバルな方向に一気に転換させる強力な経験値を得られます。どちらも自己啓発にはなるものの、それ自体を目的とするにはかける時間とお金がもったいなさ過ぎます。なんとなくの憧れを持つだけでなく、目指す目的を自分なりに定義づけたうえで、取り組めば必ずその後の人生に有意義なものとなると思います。転職に関する投稿でも書きましたが、どちらも将来を見据えてその道具として打算的に活用していくものだと思います。

Sunday, May 24, 2015

[Singapore] 建国50年記念LINEスタンプから学ぶシンガポール文化

LINEはシンガポールの地下鉄の駅などで広告を目にしたりと、シンガポールでも普及に相当力を入れていることが伺えます。先日、シンガポールの携帯電話でダウンロードできるLINEのスタンプに、シンガポール建国50年記念の無料スタンプが登場しました。ひとつひとつ見てみると、かなりシンガポールの文化について研究したか、シンガポール拠点のスタッフとうまく連携するかして作った印象を受けました。シンガポールの文化が凝縮されたものになっていて、せっかくなので下記に紹介したいと思います。左上から右の方向に(1)~(4)、次の列は(5)~(8)、…としています。




(1)プロポーズ。女性はまず「どんな大きさのダイヤの指輪がもらえるのかしら」と考え、男性は「これでようやくHDB(住宅開発庁HDBが供給する公団住宅)が買える!」と考えます。HDBは政府補助が出ており安価に購入できるようになっているのですが、結婚しないと購入できないためです。※世帯所得が一定以上だと購入できず、不動産開発業者から物件を購入することになります。またHDBは結婚していない場合でも35歳になると中古のものが買えるようになります。

(2)後ろに見えるのはマーライオン。

(3)席取り。CHOPE : 英語のChopから。シンガポールでは、フードコートやホーカーセンターで席を取るとき、ポケットティッシュなど盗まれてもよいものをテーブルに置きます(日本のように鞄を置くことは絶対にしません)。英語のChop (= ハンコを押す ※アジア特有の用法?)のように、ティッシュ等を置くこと、それにより席にマーキングする意味で、この言葉が使われるようになったと思われます。人に取られる前に取らなくてはならないため、勢いでティッシュが舞っています。

(4)週末。週末はイーストコーストパークで自転車を借りてサイクリングを楽しむ人も多いです。

(5)後ろに見えるのはマリナベイサンズ。

(6)「向かっているところだよ」。OTW : On The Way = 向かっている途中の略。後ろの標識に見えるのはERP :Electronic Road Pricingの略で、日本でいうETCの意味です。つまり高速道路で(=急いで)向かっているということでしょうか。

(7)「今夜ご飯一緒にどう?」。イメージしているのはチリクラブ。

(8)「夕食一緒にどう?」左側は南インド出身者がマレーシアに持ち込んだRoti Canai(ロテイチャナイ)。ぐるぐる回しながら遠心力で薄く伸ばします。更には空中に投げたりします。右側はTeh Tarik(テータリック)と呼ばれる両手をいっぱいに離して注ぐコンデンスミルクの入った紅茶。不思議と紅茶が下に構えた入れ物やグラスに吸い込まれていきます。そうすることで、泡立ちがよく、またリッチな味わいになるそうです。それを一緒に注文するのが定番です。マレーシアでは、どちらも職人による大会があるそうです。味わっておいしい、見ておいしい料理ですね。

(9)「気持ちいい!」。SHIOK : パンジャブ語(インドとパキスタンにまたがるパンジャブ地方の言葉)が語源となった(らしい)、おいしいものを食べたときや贅沢な体験をしたときなどに、満足した!たまらない!気持ちいい!と言いたいときに使う言葉。一言だと爽快!でしょうか。実際に中華系シンガポール人は、中国語で同様の意味の「爽(Shuang3 ※3は三声)」と同じ感覚で使っているようです。ドリアンは日本人からすると濃厚すぎるくらいの味・食感ですが、東南アジアでは好きな人は多いです。アルコールと一緒に摂取するとおなかの中で発酵が進むため危険です。

(10)行列に並んでいます。シンガポールでは、ATMや人気のカフェ、ホーカーセンターの人気のお店では待っている人が行列になっているのをよく見かけます。シンガポール人は、「日本ではなぜ行列してまで食事をするんだ」と言いますが、シンガポール人も並ぶときは並んでいます。行列は米式英語では、Lineですが、英式英語ではQueueになります。タクシーに並ぶための場所には、略して「Taxi Q」と書かれた標識が掲げられていることがあります。

(11)「上官、承知しました!」。シンガポール国民の男性には兵役があります。

(12)「乾杯!」。結婚式等のお祝いごとなどで使います。Yum Sengと書いてありますが、シングリッシュについて書いたウェブサイト等を見るとYam Sengと書かれているものも多いです。広東語の「飲勝」が由来だと言われています。成功のために乾杯!という意味でしょうか。グラスを片手に、Yaaaaaaaaaaaaと息が切れるまで大声を出し、息が切れそうになったら周囲の人とタイミングを合わせてSeeenngと言い終えます。結婚式ではこれを三回します。会場は大盛り上がりです。

(13)「儲かりますように!」。ファッ、アッ!と発音します。中国語で書くと、「发啊!」です。中華系の人達は、旧暦の正月には、同じように「どうぞ今年も/今年こそは儲かりますように!」といった意味を込めてで互いに「恭喜发财(Gong(1) xi(3) fa(1) cai(2) / ゴン(1) シー(3) ファー(1) ツァイ(2))」と言いあいますが、その「发财(儲かる)」の短縮版だと思います。ただ、短縮されたファッ、アッ!は福建語の発音です。

(14)グレート シンガポール ワークアウト。国民の健康増進のため、1993年に保険省によって開始された有酸素運動プログラム。15のステップからなり、大勢で一緒にできるものです。日本でいうラジオ体操でしょうか。この運動による健康維持だけでなく、健康維持のためには運動が欠かせないことを意識づけること、コミュニティーの結束を強めることも狙いとしているようです。

(15)「おかえり!」。後ろに見えるのはチャンギ国際空港。

(16)着ているのはサッカー、シンガポール代表のユニフォーム。

と、いろいろ調べながら(14)のグレート シンガポール ワークアウトまで来たところで、下記のページに辿りつきました。シンガポール政府が建国50周年に向け、シンガポールといえばこれ!、というものをicon(アイコン)としてひとつひとつ紹介しているページです。
http://www.iconsof.sg/en/Icons/GSW.aspx
グレート シンガポール ワークアウト、似てる!

http://www.iconsof.sg/en/Icons/erp.aspx
(6)OTH Lah!のERP、似てる!

で、ひとつひとつ見てみると、CHOPE、チリクラブ、Teh Tarik、Queue、SHIOK!、ドリアン、Yum Seng、Huat Ah!等、かなりこのサイトから「インスパイア」されていることがわかります。スタンプもシンガポールでしかダウンロードできないですし、シンガポール政府のこのサイトを見るのもシンガポール人がメインだと思いますので、似ていることに気がつく人は当然いると想定していて、意図的なものだとは思いますが、これをシンガポールのためだけに完全オリジナルで作ったLINEはさすが、外資企業としてその国に進出するならここまでやらなきゃ、と勝手に思っていただけに少し残念でした。定番の組み合わせであるTeh TarikとRoti Canaiを組み合わせて見た目としてもより面白みのあるものにしたのは評価できると思います 笑。

シンガポール政府の建国50年のサイトのアイコンで私が好きなのは、ライオンのシンガです。Courtesy Lion(礼儀のライオン)として1982年に、シンガポールがこれから発展していく中で国民が互いに礼儀を持った行動ができるよう登場しました。また2009年からはMascot for Kindness(親切のマスコット)を務めていましたが、2013年に「社会の怒りと不愉快さに疲れた」と引退してしまいました。いろいろな問題があるからといって、親切さや優しさをなくしていいのか?親切さや優しさには条件がつかなくてはいけないのか、人があなたに優しくなければあなたは優しくできないのか、誰がそのボールを初めに転がすのか?それとも、私たちは大変なときでも優しくなれる人たちなのか?との言葉を残しています。よりよい社会を作ろうという意志が伺えます。
http://www.iconsof.sg/en/Icons/singa.aspx


Saturday, May 16, 2015

[コンサルタントの働き方] 議論の主導権の握り方

特に外資のコンサルティング会社では、若手もどんどん成長して上司の仕事を奪っていきます。上司は上司でその上司の仕事を奪い、皆が勢いよく成長していきます。そして、巣立っていきます。例として、社内での議論の主導権の奪い方の一部を紹介します。コンサルティング会社だけでなく、多くの会社で活用可能な方法だと思いますので、ぜひ試してみてください。

1.議論の前にアジェンダ及び方向性の案を作成しておく
会議が設定される以上、テーマは決まっています。テーマが主体的に関わりたいものであれば、会議の想定アジェンダ及び具体的な方向性・進め方の具体案について考え、①メールで事前に参加予定者に送付する、②印刷して会議に持参し機会を見て配布する、③手元に用意しておき機会をみて発言する、のいずれかをすることで具体的に考えていること、効率的な議論に貢献していることをアピールしましょう。「じゃあ、○○さんが送ってくれたアジェンダをベースに話していきましょう」とか、「じゃあ○○さんには△△の担当として入ってもらおう」といった発言を引き出し、主導権を自分側に引き寄せます。①~③のどれにするかは、会議の参加者が顔見知りであれば①、そうでないほど③でしょうか、コンサルティング会社ではあまり気にする必要はありません。

2.議論のあとには議事メモ及び今後のアクションを参加者に共有する
議事の簡単なメモを作成、加えて今後のアクションも各参加者に共有しましょう。特に会議が時間切れとなり、今後のアクションについてあまり議論にならず終わってしまった場合には、自分の意見として、今後のアクションの提案もメールの本文に加えて送りましょう。そうすると、「もっとこうやって進めるべきでは」「そのように進めよう。分担は~。」と意見が飛び交います。その時点で今後の進め方の議論のメインの参加者となっており、次回以降の会議では、意見を求められることも多くなると思います。また、議事メモを作成するとそのときのやりとりなどが、しっかりと頭に入るので、前回はこういう話だったと発言することで存在感を発揮できます。

会議のアジェンダや今後どうやって進めていくかについて人よりも先に考えて提示することで、他の参加者よりも知識・経験が劣る場合でも部分的にですが主導できるようになっていきます。人よりも準備して臨むということです。自分が劣る場合に、その場だけでなんとかはなりません。

加えて、会議でどんな話をしているのかそもそも理解できなければそれも難しいですし、知識・経験がそれなりにないと内容の深い議論には入っていけません。また、ファシリテーション能力がないと、会議で様々な意見が出た場合など収集がつかなくなってしまいます。従って、同時に知識・経験やファシリテーション能力についても高められるよう努力することが必要です。あまりにも自分にとってハードルの高い会議を対象に、上記の1.2.をやっても結局あまり役に立っていないとか、的外れなことを言っていると思われたら意味がないです。会議のテーマや参加者等に鑑み少し背伸びをして主導権を握れそうなものをターゲットに、1.2.の方法で外から攻め、内容の議論に参加、ファシリテーターとしての発言もし、実質的な責任者の地位を獲得していく、そして次第によりレベルの高い会議を狙い成長していくのがいいと思います。特定のテーマの議論を社内で主導できるようになれば、同テーマであれば自身がクライアントの全面に立ち、クライアントと議論することもできます。そのようにして指示を受けていた若手が自分の領域を確立していきます。

[コンサルタントの働き方] コンサルティング会社で働く魅力

自分が新卒でコンサルティング会社ではない一般の事業会社に入社したばかりの時には、製造業の量産品担当、若手だったこともあり、定型業務が圧倒的に多い状況でした。それに忙殺されやりたい改善活動などはあるもののそれもできず、自分が足踏みしている、時間だけが経っていく感覚がとてももどかしかったです。自分自身、コンサルティング業界に合っているかどうか今でもわかりませんが、今では転職前には多く時間を割きたいと思っていた現状を変えること自体が仕事になり、仕事の大部分が非定型業務となり、大変ながらも少なくとも日々成長している感覚はあります。その魅力をもう少し詳しく説明し、目指そうか悩んでいる方の参考になればと思います。

1.考える習慣がつく
クライアントの業界・会社や会社の規模、取り組みテーマが全て同じであることはほとんどないため定型業務はほとんどありません。常にこの業界・会社や会社の規模においては何が重要か、このテーマはどうやって取り組むべきかと考える必要があります。また、最初にしっかりとした計画を作ったつもりでも想定外の課題やクライアント社内の反対勢力が出てきたりと、計画を立てたらあとはひたすら実行するだけといったこともなかなかないです。そのため、仕事の進め方を常にそして粘り強く考え目標を達成することが求められますが、それが身に付くと、仕事に限らず一筋縄ではいかないいろいろなことに対し、主体的に動いて目標を達成できる人になれると思います。

2.知識の幅も広がる
当然知っていることは最大限活用しますが、クライアントの業界・会社や取り組みテーマについてわからないことがあれば都度調べる必要があります。一方では自分自身で勉強しながら、一方ではクライアントと議論ができるようにならなくてはいけないので、プレッシャーはかなりのものですが、その分仕事の度に新しい知識なり、課題への取り組み方なりが自分に追加されていくので、世の中をより広く知りたいという好奇心があり、それがモチベーションになる方には向いていると思います。自分の場合は、学生時代から東南アジアの文化や言語についてより深く知りたいという欲求があったので、今は仕事をしながら東南アジアの各国について見識を深めることができ、それがモチベーションにもなっています。

3.いろいろな役割をこなせるようになる
クライアントのキーマンや現場の人にヒアリングをしたり、市場環境の傾向やクライアント企業のコストをエクセルで分析したり、それを説明するスライド資料を作ったり、クライアントに対してセミナーを行ったり、クライアント社内の議論のファシリテーションをしたりと、プロジェクト内容によりいろいろな役割が求められ、努力すればこなせるようになっていきます。もちろん人により向き不向きはあり、エクセルでものすごいスピードで分析して成果物を作れるようになる人もいれば、現場の人へのヒアリングで質問により深堀りをしていき管理者も知らないような問題や課題を明らかにできる人、様々います。自分にとって特に人に負けない得意なものを見つければいいと思います。

4.クライアント企業の歴史に残るような大きな取り組みに関われる
クライアント企業の特定の部署に所属する社員だったら10年に一度あるかないかの大きな変化・改革に、常に携わることができると思います。また、自分達が行った検討内容が、クライアント企業の経営レベルの会議の議題のひとつになることもあります。クライアントの大きな取り組みに対し、相当程度のインパクトを与えていることを実感できます。大変ながらも刺激的でもあり社会へ貢献しているということを強く感じることができる仕事だと思います。

自分自身はまだまだ途上ですが、常に自分で考え、必要に応じ新たな知識も臆せずどんどん吸収し、分析したり人とコミュニケーションしたりといった行動様式が身に付いていくので、そういった意味で成長していきたいと思う方には向いていると思います。以前働いていたコンサルティング会社では、会社を修行の場としてとらえ、その後独立して事業を始める人、家業を継ぐ人、政治家を目指す人などがいました。個人的にはずっとコンサルティング会社にいるよりは、コンサルティング会社は働く人が自分を成長させる場で、その後は起業するなりして社会により大きいインパクトを与えていくようになれるのが理想だと思っています。もし自分がくすぶっていると感じたら、チャレンジしてみる価値はあると思います。

Saturday, May 2, 2015

[転職] 面接の臨み方

シンガポールの話題が多かったですが、今回は面接の話題を。もともと自分は新卒の就職活動時、面接にかなり苦手意識があったのですが、その後2社のコンサルティング会社(日系・外資)へ転職したときの面接・その準備等を通し、得手不得手もある一方、努力次第でなんとかなるものだ、と思うようになりました。面接・その準備、転職エージェントとのやりとりなどを通し理解した自分なりの面接への臨み方について、眠らせておくともったいないので書いておきたいと思います。

1.基本的な質問にはすぐ答えられるようにしておく
自己紹介をしてください。経歴について簡単にお願いします。等聞かれる可能性の高い質問については、必ずすぐ答えられるようにしておく必要があります。自己紹介、経歴、自分の強み・弱み、大変だった経験、なぜこの仕事を希望するのか、入社したら何がしたいか、最後に質問はないか等。当然聞かれるであろうこれらの質問に対し、「え~、それについては」、くらいならいいですがそれ以上に考えている素振りを見せると本気度を疑われる可能性が高いと思います。

2.ある程度の突っ込みにも耐えられるようにしておく
加えて、突っ込みに対応することである程度突っ込まれても揺るがないような強い意志・考えを持っていままで生きてきたことを伝えることが重要です(もちろん人生そうでないことも多いですが)。突っ込まれて、いやぁ。。。、うーん。。。となってしまっては、この人本当に考えて今まで行動してきたのか、なんとなくうちの会社に入ろうとしているんではないのかと疑われてしまいます。突っ込みには①理由を問うもの、②批判的な突っ込み、の2種類あります。①は、なぜその学部・学科を選んだのか、なぜ今の会社を選んだのか、なぜうちの会社なのか、なぜ転職しなければならないのか等。②は、やりたいと言っていることは今の会社で強く主張すればできるのではないか、同じことは他の会社でもできるのでは、等。いずれも自分がしてきた/しようとしている選択にあたり何を考え、どうういう理由でどう判断してきたかを述べることにが求められます。これについてもある程度想定される突っ込みの内容、どう対応するかを想定しておくことが重要です。理由は、2つ~3つ準備しておき簡潔に答えられるといいです。コンサルティング会社の面接では、特にここの準備に念を入れておいた方がいいです。

1.2.については、準備している人としていない人では面接官に伝わる内容、誠意等、大きく差がつきます。自分も最初は一問一答形式で整理してみましたが、結局ワード何枚分にもなってしまうので、「フリーマインド」というフリーのマインドマップのソフトを使って、上の階層に質問、次の階層に回答3つをキーワードだけ列挙するようにしたところ(必要に応じて想定される突っ込みと答えも更にその下の階層に書いていく)、A4一枚くらいにまとまったので、それをぐるっと見回すだけで面接のイメージトレーニングになるので、便利でした。

3.あらゆる質問を自分のアピールにつなげる
何気ない質問を何気ない質問で終わらせないことが重要です。面接官は意図があってかなくてか、「会社まではどのように通勤していますか」というような面接とは直接関係なさそうな質問も面接の最初・最後のあたりですることがあります。そこで「何線で、何線に乗り換えて、何十分くらいです。」と無難に返してしまっては、時間がもったいないです。もちろん面接官も場を和ませようと当たり障りのない質問をしてくれているのかもしれませんが、加えて「まあまあ混んでいますが、通勤時間はいつも~の勉強をしており、仕事にも役に立っています」と、多少面接官に合わせて和んだ雰囲気も出しつつ(これも重要)、自分の強みや考え方・信念、また機会を最大限活用する積極性を持った人だということをアピールする機会にしてしまうことが重要です。

4.最後の質問の時間もアピールの時間として活用する
最後に質問は、とほとんどの面接で聞かれますが、必ず質問をする必要があります。質問がないとその会社に興味がないと思われます。3-4くらいは必ず考えておきましょう。聞く内容も、ウェブサイトに載っていることを聞くとそれくらい調べろと思われてしまいますし、公開情報でなくても事実確認だけだと何の意図で聞いているのかよくわかりません。特に中途採用の面接では、質問をしたうえで「それであれば、御社のなかではこういう仕事のニーズが高まっているということでしょうか」とか、「であれば私のこういった経験も生かせると思います」と、自分自身が何に興味を持っているのか、どんな仕事がしたいのか、どんな強みがあるのか、どういった貢献ができるのかを伝えることに活用しましょう。「そういった課題においては、自分の経験からすると、こういう仕組みを導入することが効果的だと思っており、自分が入社したらそういったこともリードしていきたい」等、より具体的な提案を含んだ返しができれば、面接官に対しても頼りがいのある部下になってくれそうだと思ってもらえると思います。なぜ今回採用しようとしているのか、採用しようとしている人には何を期待するのか、を聞くことで受けている会社・部門の課題の話に持っていきやすいですし、直接御社・部門の重要な取り組みテーマは何ですかと聞いてもいいと思います。

上記1.2.をしっかり準備しておくこと、3.4.は意識をして転職エージェント/日頃面接をしている知人等との面接の練習や実際の面接に臨み対応力を磨いておくことが重要です。面接についてはいろいろ書籍等出ていると思いますが、ポイントとしてはこういったことなのではと思っています。このような感じで訓練しているといつの間にか苦手意識もなくなってくると思います。

Sunday, April 26, 2015

[Singapore] シンガポール料理が学べる料理学校

以前旅行でシンガポールに来た際、せっかくなので普通の観光でなくシンガポール料理を学べればと思い、シンガポールの料理学校について調べ、いくつか参加したことがあります。その時調べたもの+最近追加で調べたものを紹介します。おすすめはハンズオンで(見るだけでなく手を動かす)、シンガポール料理(+ペラナカン料理等)が学べるところで、Cookery Magic、Palate Sensations、Food Playgroundでしょうか。

<シンガポール料理が学べる学校>
Cookery Magic
http://cookerymagic.com/

Palate Sensations
http://www.palatesensations.com/ 
(ペラナカン料理あり、8回等シリーズもののコースもあり)

Food Playground
http://www.foodplayground.com.sg/

Coriander Leaf
http://www.corianderleaf.com/
(行ったことがあるが、見るだけ+食事で130 SGDと少し高め、参加者は欧米人が多かった)

Epicurean World
http://epicureanworld.com.sg/cooking-classes-and-workshops/
(インド系シンガポール料理、見るだけのDemonstration Classesに参加したことあるが、参加者はインド系・中華系のシンガポールの人が多かった)

Shermay's Cooking School
http://www.shermay.com/
(シンガポール料理以外もあり)

<その他の料理学校>
TOTT 
http://content.tottstore.com/

Baking Industry Training College
http://bitc.com.sg/Default.aspx 
(本格的なパン、ケーキの専門学校)

Hooked!
http://hooked.com.sg/
※場所の関係で料理教室は休止中のよう

At-sunrise
http://www.at-sunrice.com/ 
(専門的な料理学校、本科生として学ぶ学校か)

ここに挙げた以外にも、意外なところとしてはすしや和食が学べる東京すしアカデミーシンガポール校(http://sushiacademy.sg)というのもあります。 通常のすし・和食職人養成コース以外にも、単発のイベントですしでバレンタインケーキやクリスマスケーキを作ろうとか、シンガポールならではのものもやっていたりとこれも面白そうです。

※各料理学校のウェブサイトのクラスのページを見て紹介しており(全て自分で行って紹介しているわけではない)、またシンガポール料理を扱っているか・ハンズオンかどうかも時期や参加するクラスによっても違ってくることもあると思いますので、ウェブサイトで確認して、自分に合いそうなら参加してみてください。

Wednesday, April 22, 2015

[Singapore] LINEスタンプから学ぶシングリッシュ (2/2)

表題の内容、続きです。意味と、由来([ ]内)を記載していますが、いろいろ参照してそれらしいものを記載しているだけですので、特に由来については参考程度でお願いします。

On The Way~ : 今向かってるところだよ~(実は出かける準備中、または出かけたばかり)

Wa Lao Eh!! : なんてこった!

[福建語から]

Alamak! : やっちまった!/どうしよう!自分のこと、あらまー!(他人のこと
[マレー語の同意味の言葉から]

Swee : いいね!/ グレート!

[福建語の"媠(美しい)"から]

Steady : 順調だよ!(自分のこと)、順調だね!(他人のこと)


Shag : 疲れ果てた
[同意味のシングリッシュShackから]
※Shackの由来はいろいろ調べてみましたがわからなかったです。。。

Sian.. : 退屈だ。。
[福建語から]

PHEWWIT : ヒューヒュー(はやし立てる)




(参照先は下記ウェブサイト、他多数)
http://www.singlishdictionary.com/
http://en.wikipedia.org/wiki/Singlish_vocabulary
http://en.wikipedia.org/wiki/Singdarin
http://en.wikipedia.org/wiki/Manglish
http://www.thesmartlocal.com/read/malaysian-slang
http://wikitravel.org/en/Minnan_phrasebook

Saturday, April 18, 2015

[Singapore] LINEスタンプから学ぶシングリッシュ (1/2)

シンガポールで携帯を契約してLINEアプリをダウンロードすると、日本ではダウンロードできないキャラクターがシングリッシュを話すスタンプがダウンロードできます。意味と由来がわかるものを調べてみました。シンガポールにいらっしゃる方はシンガポール人相手にぜひ使ってみてください。

Bo Jio : なぜ呼んでくれないんだ!
[福建語の"無招(呼ばない)"の発音から]

Last Warning : 最後の忠告だ!

Nobody Cares : 誰もそんなこと気にしないさ

Relax Leh : リラックスしなきゃ!
[lehは福建語の語気助詞"咧(命令・依頼・不満等の語気を和らげる)"から]

Abuden : 当たり前でしょ?なぜそんなこと聞くんだ。

Pang Gang Loh : 今日の仕事は終わり!
[福建語の"放工了(仕事が終わる)"の発音から]

Diam : 黙れ!
[福建語の"静"の発音から]

Kena Arrow : なぜ自分ばかりがやらされるんだ。。。
[マレー語の"Kena(当たる)" + 英語の"Arrow(矢)"から]


[コンサルタントの働き方] 作業効率を極限まで高める

コンサルタントは決められた時間の中で成果を出すことが求められます。そのため、時間あたりの作業の生産性を極限まで高め、品質を高める/付加価値を高めるための考える時間を確保すること、そしてプライベートな時間を確保することが重要です。極限まで、というのはマウスのカーソルを動かす時間、ワンクリックする時間までという意味で、この効率化の積み重ねによって結果的に成果物を作るスピードが人により何倍も違ってくるのを実体験として理解しています。これは工場の生産性についても同じことです。コンサルタントの作業は、Excelで分析し、Power PointやWordでまとめて成果物としてお客さんに提供するということが多いと思いますが、Excel、Power Point、Wordの作業効率を向上させるショートカットコマンドについて挙げます。Control+Cでコピー、Control+Vで貼り付けは有名ですが、それ以外に使い勝手のいい機能を挙げています。

(下記、"+"はキーの同時押し、"->"は順に押す、"/"はもしくはの意味)
1.Excel
まずは
・よく使うコマンドのQuick Access Tool barへの設定
(加えて、最もよく使うものはAlt + 該当キーのショートカットを覚える)
をすることで、リボンの切り替えやそこまでの移動時間を削減。
・右クリック(マウスでなくキーボード上のキー使用が望ましい)-> f でセルの書式設定を呼び出す時間を削減。
そのうえで、下記各機能についてもショートカットキーを活用して実行の時間を削減。
・  F2 : セルの編集
・  F4 :  絶対参照
・  Shift + Space : 横全選択
・  Control + Space : 縦全選択
・  Control + a :  範囲選択(再度行うと範囲拡張)
・  Alt  -> d  -> s  : 並び替え
・  Alt  -> d  -> f  + f  :オート フィルタ
・  Alt  -> d  -> p  : ピボットテーブル
・  Alt -> e -> s -> e  : 縦横入れ替え貼付
・  関数の入力中、関数が予測で出たタイミングで、Tabを押せば関数が最後まで入力され且つ"("が出て括弧の中身を入力可能な状態になる
・  Control + ↑/↓/←/→データの入っているセルの端までカーソルが飛ぶ
・  Shift + Control + ↑/↓/←/→データの入っているセルの端まで選択

2.Power Point
同様に、
・よく使うコマンドのQuick Access Tool barへの設定
(加えて、最もよく使うものはAlt + 該当キーのショートカットを覚える)
をすることで、リボンの切り替えやそこまでの移動時間を削減。
・オブジェクトを選択して、右クリック(マウスでなくキーボード上のキー使用が望ましい)-> d で図形の書式設定を呼び出す時間を削減。
そのうえで、下記各機能についてもショートカットキーを活用して実行の時間を削減。
・F2 : オブジェクトの文字の編集
・Control + Shift + > / < : 文字を大きくする/小さくする
・Shift + ↑/↓ : オブジェクトを上下に大きくする/小さくする(☆)
・Shift +  →/← : オブジェクトを左右に大きくする/小さくする(☆)
・Control + a  : オブジェクトの全選択
・Control + d  : オブジェクトの複製
・オブジェクトの↑/↓/←/→キーでの移動時、上記☆のオブジェクトのサイズ変更時Controlキーを同時に押すことでより細かい段階でその調整が可能

3.ワード
・Shift + Alt +↑/↓ /←/→ : 箇条書きの位置・階層移動

これぐらいが、反射的にできるようになると、かなり作業が速くなると思いますし、コンサルタントでもこれ以上の機能を使いこなしているかどうかは人によると思います。ただ、この内容を覚えることそのものが目的ではなく、効率の悪い作業をしていなか、繰り返し作業をしていないか気になることがあったら、より短時間で終わらせられないか(もちろんその作業自体省略できないかも考えることはもっと重要です)考えてみてください。作業をしていること自体に満足せず、作業を極力効率的化、上司やクライアントと議論する時間を確保することが大事だと思います。

また、Excelについては、お客さんとか、お客さんの現場部門の担当者と一緒に作業する場合、教えてあげるとすごく喜ばれるので、お客さんとの精神的な距離を縮めるのにもとても役に立つというのが自身の経験からも言えることです。

Monday, March 2, 2015

[Singapore] 日常生活でさりげなく中国語

シンガポールでは公用語は英語ですが、中華系が住民の8割弱を占めており、そのため相手が中華系だと見ると中国語で話しかけてくる人も多いです。中華系アジア人だけでなく、見た目が似ているため日本人や韓国人もしばしば中国語で話しかけられます。

そんなときに、直接中国語でやりとりできれば、怪訝な顔をされたあと英語でやりとりする毎度ののくだりも省けるのに、またはより現地に溶け込めた感じがするのにと思いませんか。実際には普段生活しているなかで、自分から中華系の人の多い市場などに行かない限り、中国語で話しかけられる状況はほとんどが①フードコート、②タクシーでのことであり、そこだけ抑えれば日常の中国語対応はなんとかなるのではと思っています。

①フードコート
注文するとき
店員:何にする?⇒ 要什么?/ Yao(4) shen(2) me?/ ヤオ(4) シェンマ(2)?
自分:X番の ⇒ X号 / X Hao(4) / X ハオ(4)
店員:ここで食べるか、持って帰るか?
  ⇒ 吃的,包的?/ Chi(1) de, bao(1) de? / チー(1) ダ、バオ(1)ダ?
自分:ここで食べる ⇒ 吃的 / Chi(1) de
店員:X.Xドル ⇒ X块X / X kuai X / X クゥアイ(4) X
自分:(レジがあればレジの金額を見つつ、お金を渡す)

食器を片付ける人が来たとき
店員:片付けていいか?
  ⇒ 可以收吗? / Ke(2) yi(3) shou(1) ma? / クァー(2) イー(3) ショウ(1) マ?
自分:どうぞ ⇒ 可以 / Ke(2) yi(3) /  クァー(2) イー(3)

ポイント
・( )の数字は声調記号を表していて、1は平らな、2は上がる、3は低い、4は下がる音です。( )の数字がついてないのは軽い音です。発音と声調記号がわかりにくければ、中国語をgoogle translateに張り付けて、発音してもらってください。
・料理に番号がついているお店も多く、料理名がわからなくても番号で大丈夫です。ちなみに1番はそのお店の看板メニューであることが多いです。
・数字は頑張って覚えましょう。数字を覚えれば注文とお金のやりとりができます。
・麺が選べるものは、黄色い麺 ⇒ 黄面 / Huang(2) mian(4) / ホアン(2) ミエン(4)、ビーフン ⇒ 米粉 / Mi(2) fen(3) / ミー(2) フェン(3)、平たい麺 ⇒ 粿条 / Guo(3) tiao(2) / グオ(3)ティアオ(2) と言いましょう。ビーフンは福建語が日本語として定着したものであり、「ビーフン」でも通じます。
・ヨンタオフーやワンタン麺のようにスープあり/なしバージョンがあるものは、スープあり⇒ 汤的 / Tang(1) de )、スープなし ⇒ 干的 / Gan(1) de / ガン(1)ダ、と言いましょう。

というのが順当なやりとりですが。。。上記で想定している以外の聞き方をされる可能性もあるので、前の人の注文が終わり店員が目線で合図を送ってきたら、もしくは何にするかと聞かれたら、番号、ここで食べるか持ち帰るか、加えて麺の種類、スープありなしについて例えば、「一号,吃的,米粉、汤的」と一気に伝えましょう。シンガポール人も同じようにしています。相手はあまり反応もせず、作り始めるか、作る人に注文内容をそのまま伝えます。言いたいことをすべて一気に言ってしまい会話を完結させることで、相手が何を言っているかわからない状況になるリスクを最小限に抑えるスマートなコミュニケーションを実現させてください。そのためにも、ぜひ自宅等で「一号,吃的,米粉、汤的」と一気に言う練習をして頂ければと思います。

②タクシー
乗るとき
運転手:どこ行くの?⇒ 去哪里? / Qu(4) na(2) li ? / チュィー(4) ナー(2)リ?
自分:(地名を英語で直接言う)

目的地が近づいてきたら
自分:右に曲がる ⇒ 转右 / Zhuan(3) You(4) / ジュゥワン(3) ヨウ(4)
自分:左に曲がる ⇒ 转左 / Zhuan(2) Zuo(3) /  ジュゥワン(2) ズゥオ(3)
自分:まっすぐ ⇒ 走直 / Zou(3) zhi(2) / ゾウ(3) ジー(2) ※ジーは巻き舌

止まるとき
自分:ここで止めて ⇒ 这里停 /Zhe(4) li(3)  ting(2) / ジョァー(4) リー(3) ティン(2)
運転手:(無言で車を止める)

お金を払うとき
運転手:X.Xドル ⇒ X块X / X kuai X / X クゥアイ(4) X
自分:(メーターの金額を見つつ、お金を渡す)

領収書をもらうとき
自分:領収書をもらえますか? ⇒ 可以给发票吗? / Ke(2) yi(2) gei(3) fa(1) piao(4) ma? / クァー(2) イー(2) ゲイ(3) ファー(1) ピィァオ(4) マ?
運転手:(無言で領収書を渡す)

ポイント
・右に曲がる、左に曲がるでZhuanの声調が異なるのは、3声3声は2声3声に変化するため。

普段は英語でやりとりしている人、中国語が少しできる人、ぜひチャレンジしてみてください。これができれば一緒にいる人に、「中国語もできるんだ、すごい!」と思われると思います。

余談ですが、フードコートで吃的(ここで食べます)と言うとき、吃的は本来中国語で食べるものという意味なので、ここで食べようが持ち帰って食べようが食べるものには変わりないのだからここで食べるというのを吃的と略すのはおかしくないか?というのが一瞬頭をよぎるのをやりすごし、出てきたものを黙々と食べます。

Saturday, February 28, 2015

[アジア市場] 新興国は日本と同じ道を歩まず、むしろ先を行く

1.東南アジアではどのように市場が伸びていくか
東南アジア市場の各国の状況をこれから理解しようとする人に対し「いまどの国の国民一人あたりGPDはどれくらいだから、この国は何十年前の日本と同じとイメージしてもらえれば。。。」と説明がなされることも多いと思います。確かに「国としてこれから成長していくポテンシャルを秘めている」、「今後の大きな成長に向けて今はその助走をしているフェーズにある」、とまさにイメージをしてもらうためにはいい方法だと思います。ただ、すべてが日本が辿ってきたのと同じ時間軸や成長の仕方を辿るかというと必ずしもそうでないと最近実感しています。

2.日本で拡大したものが同じように拡大せず、より新しいものが早急に拡大する可能性
日本の多くの企業では、会議の際の資料をプロジェクターでの投射で済ませずに、印刷してひとりひとりに配る「紙文化」がまだまだ残っています。そのため日本のオフィスでは高速で紙を印刷しホチキスで綴じる、冊子にする、Z字型に折るといった、高機能な印刷機が大活躍しています。一方で、私がインドネシアの会社を訪問したときのこと、若手スタッフはタブレット端末を使ってメモを取っていました。またベトナムの会社を訪問した時も、当方が事前に送付しておいた資料をiPadで見ながら説明を聞いています。個人的な印象からでしかないですが、これらの国では日本のような高性能な印刷機を導入する必要自体が発生しないこともあり得るのではと思います。平均年齢が日本よりも若く(インドネシア、ベトナムを含めた東南アジアの多くの国が20歳代、日本は46歳で今後更に高齢化)、日本より早期に社会全体が新しいものに順応していく側面もあると思います。

(持論ですが今日本企業が優位な状況にある機器は、①機器自体の物理的な動きを正確にコントロールすることが必要とされるもの(自動車や印刷機等)、②流体の物理的な動き・変化を精緻にコントロールすることが要求されるもの(インバーター式の空調機器等)、③レンズや機構等により光を高い品質でコントロールすることが必要とされるもの(カメラ・ビデオ等)、に集約されていると思っています。すでにパソコンや携帯電話、テレビ等、電気信号によってのみ処理がなされるものは韓国・中国等メーカーにシェアを奪われてしまいました。

①~③も今は日本企業が優位であっても、中国・韓国メーカーも同様に技術力・品質を向上し更には持前のマーケティング力でこのより物質的な制御が必要となる領域に攻め込んでくること、自動車産業であっても今後電気自動車が普及し製品の構造がいわゆる日本の得意な「すり合わせ型」から中国・韓国が得意とする「モジュール型」に移行していく可能性があること、から気を抜けない状況といえます。それに加え、前段で述べた印刷機のように日本企業が強みを持っているけれども、市場自体がそもそも日本と同じようには拡大せず早々に他のものに移行してしまう可能性もあることも想定した事業運営が必要だと思います。)

3.新規事業は日本市場ではなく東南アジアからの検討も
上記を踏まえ、ここからは仮説ですが、新規事業試行の場所として、事業内容に鑑みながら「日本よりも、まず平均年齢が若く社会全体が新しいものに順応する可能性のある東南アジアから」も選択肢として、東南アジアを梃子に事業を拡大しそれを日本に逆輸入するような事業の成長ストーリーも考えらえると思いますし、そういう事例がどんどん出てくればと思います。



Friday, February 20, 2015

[転職] 転職のススメ

やりたい仕事、会社でのキャリアをうまく重ねられている人はどれくらいいるのでしょうか。運良く、またはうまいこと社内でアピールした結果思い通りのキャリアパスを歩めている人。会社の中で与えられたキャリアパスを歩むのが人生だと考えている人。いろいろいると思います。

日本ではまだまだ新卒一括採用、中途採用はほとんど募集していないというような会社も多くあります。また一度会社に入ると、大企業であるほどひとりひとりの希望への細かい対応はできずに会社の論理で人事異動が行われます。これを前提にすると、冒頭のやりたい仕事、会社でのキャリアをうまく重ねられていない人が圧倒的多数いるのではとの考えに至ります。

このミスマッチを解消する方法として、①社内で公募制等を導入していて希望の部署で人を募集していればそちらへ応募する、②やりたい仕事をできる可能性の高い他社へ転職する、③これも冒頭で述べた会社の中で与えられたキャリアパスを歩むのが人生だと考える、の3通りが考えられます。①の方法をうまく活用し希望の部署への異動や海外駐在のチャンスを得た人も少なからずいると思いますが、必ずしもそういった機会に恵まれない人も多数いるはずです。その場合は、思い切って②を検討することをお勧めします。(でないと③になってしまいます。)

転職する際には、求人票が出ていてその内容に対して応募することになりますが、一般的には求人票で業務内容などが明らかにされているので自分のやりたい仕事がどんな会社にあって、どんな人を欲しているのかが分かります。見事にその会社に入社できれば自身が前職でなかなかありつけなかった希望の仕事を、まさに自分の主たる仕事としてすることができます。これが転職の素晴らしいところです。また、残念ながら面接試験に通らなかったとしても、面接官や転職エージェントとのやりとりを通じてその仕事をするためにはどんなスキルが、経験が必要なのかといったことを理解することができます。

そうすることで、転職の一歩手前のステップとして、現職で何を頑張れば、どういった役回りを買って出ればいいのかがわかり、逆に現職でやるべきこともあきらかになると思います。やりたい仕事と今の仕事にギャップがあり、今している仕事が手につかないよりもよっぽどいいと思います。
そして、社内で転職に必要な様々なスキル、経験、資格等(=パーツ)を集めて半年後、1年後、数年後に再チャレンジするのです。

一足飛びに将来像にありつけなければ、理想とする将来像を実現するために、次にこういった仕事をしたい、その仕事をするためにはこういったパーツが必要だと、将来から逆算してそれに向けて行動していくこともできます。スポーツ選手等、肉体的な条件から小さい頃から最短で競争を勝ち抜いてこないとなれない仕事でない限りは、多少時間がかかっても大丈夫です。

言いたいことはキャリアパスとは、転職を含むあらゆる手段を用いて打算的に積み上げていくものだということです。理想とする将来像を描いてアクションを起こし夢に近づいていってください。

もちろん転職だけを是としているわけではなく、企業側としても極力社内のミスマッチを解消するような仕組みづくり等の努力は必要です。

[コンサルタントの働き方] 人前でのあいさつ

今日はシンガポールでは旧正月の新年2日目です。旧暦の1月1日と2日が休日となっており、今年はちょうどそれが木・金にあたるので、土・日と合わせて4連休の人が多いです。出かけると中華系の家族が揃って親戚の家に挨拶に行く姿を目にします。

アジアとは直接は関係ないですが、実際に私が事業会社からコンサルティング会社に転職しコンサルタントとして働くなかで、これからの世の中で生きていくうえで、業種に関わらず参考にすべきコンサルタントの行動様式があること、またそれは意識することで誰にでもできることも多くあること、に気付きました。何回かに分けて紹介したいと思います。

人前でのあいさつ - 特にここでは飲み会などでのあいさつが対象です。飲み会の最後に「じゃあ締めの挨拶を」「ひとりひとり順番に送る言葉を」などと突然上司に話を振られることがあります。大部分のひとは、「いやいや、誰々が」「ここは得意の誰々さんが」となんとか自分に振られるのをかわそうとします。もしくは結局振られてしまってしどろもどろになってしまったりします。

でもここで何かためになる言葉、その場に合った言葉を話せれば、皆からは「さすが誰々さん」、「あの人は人前に出せる人だ」と認識してもらえるのではないでしょうか。優秀なコンサルタントの人達はこういう状況で「仕方ないなぁ」という表情はするものの、その後真面目な表情になり「さすが」という、また、家に帰って家族に話したくなるような中身のある話をします。

これを真似しろと言われても難しいと思う人もいるかもしれませんが、そんなに難しいことではありません。さすがに、込み入った議論のなされた会議の後に「じゃあ総括を」「最後にひとこと」と発言を求められて皆がなるほどと思う発言をするのは難しいですが(それもコンサルタントや企業の管理職が求められるスキルですが)、それほど難しくない状況も多いです。振られるテーマといえば、誰かの歓迎会や送別会では主役へのメッセージですし、久々に会う人との飲み会であれば最近身近にあったできごとのなかで共有するに値するもの、自分の昇進祝いであれば皆への感謝と自身が今後なっていきたい姿、またどのように皆に恩返ししていきたいか、社内で部門横断で集められたメンバーからなる会議の第一回であれば自分の普段している業務内容等、あらかじめ振られるテーマをイメージしておくことができるものも多いです。飲み会に向かう電車のなか、その日の通勤電車のなかでもいいので、ストーリーをあらかじめイメージしておくのです。

私が出会った優秀なコンサルタントはそういう先を常にイメージし、そのための準備をしておく、そういう行動様式が身についている人が多かったです。だからこそクライアントをリードできるのだと思います。ぜひ意識してみて、次の飲み会でそういう状況になったら、「じゃあ私が」と皆に中身のある話をしてあげてください。

※準備していったにもかかわらず上司が進んで挨拶をしてしまった、自分の送別会なのに話が自分に振られず送別会が終わってしまった等も当然想定されます。それで結局準備した内容が役に立たなくても、別の機会で話す機会があるかもしれないですし、なかったとしてもそれは潜在的な需要に対する投資や、掛け捨ての保険、そういうものだと思う潔さが重要です(笑)。




Tuesday, February 10, 2015

[Singapore] 旧正月間近のチャイナタウン

最近はシンガポールといえばマリナベイサンズとか、税金が安いとか、「先進的!さすが!」といったイメージで語られがちですが、一方で複数の文化が互いに影響を与え合ったりしながら受け継がれ、それに今でも触れられるのもまたシンガポールのよさだと思っています。

旧正月間近のチャイナタウンを散策してきました。
お金を模したランタンが道路の上に掛かっていたり、山羊(確かに羊の一種か)の形をしたランタンが道路の中央分離帯に飾ってあったりします。


家や店のドアの両脇に貼る春聯など中国のお正月飾りが沢山売られていました。今年は、中国語の四字成語"喜気洋洋(喜びが溢れる)"にかけて、"喜気羊羊"と書かれた飾りを多く目にします。

そして毎年旧正月にチャイナタウンに来ると気になっていたのが、チャイナタウンのなかにあるヒンズー教寺院、SRI MARIAMMAN寺院。寺院のあるブロックの周囲の道路の上に旧正月用のランタンを掛けるけるために寺院の塀を使わせているのを見て、周囲とうまく共生しているんだなと思いながら見ていました。

今年来てみると驚いたことに、寺院そのものに春聯と、英語で"LUNAR NEW YEAR", "WISHING EVERYONE A HEALTHY & PROSPEROUS"と中国語の"新年快乐", "祝你身体健康,万事如意(もしくは恭喜发财?)"に相当するであろうメッセージが貼られていました。パイナップルをかたどったランタンの飾りも掛けられています。改めてこの寺院の懐の深さを感じたような気がします。


異なる考えや宗教が共存するにはこういった互いを尊重するような振る舞いが大事であり、特に多民族のシンガポールだからこそ生み出された生きる知恵なのではと思いました。それにしても春聯の内容が富とか財とか、お金に偏ってるのが少し気になります 笑。



Saturday, February 7, 2015

ブログスタート

シンガポールを拠点に企業の東南アジア進出支援を仕事として行っています。
仕事や生活のなかで感じたことを書いていきたいと思います。
よりローカルな視点で発見し、考えたことを共有していければと思っています。