Sunday, November 6, 2016

[Singapore] LINEスタンプから学ぶDeepavali

Deepavaliに関連して。久々にLINEの無料スタンプを見たらDeepavaliバージョンがアップされていました。簡単に各スタンプの説明を加えてみました。

左上から、

SHARE THE LIGHT : Deepavaliは光のお祭りで、光が闇に打ち勝つ、光が悪魔に打ち勝つ、ということを示しているようです。

HAPPY DEEPAVALI, HAPPY DIWALI : DeepavaliとDiwaliの違いについては下記記事を参照ください。
http://live-in-asia.blogspot.sg/2016/11/singapore-india-deepavalidiwali.html

DEEPAVALI VALTHUKAL : これはシンガポールのインド系移民の出身地として多い南インドのタミル語で、Happy Deepavaliという意味だそうです。

左下、
インド系、イスラム系、中華系が仲良くしている図です。シンガポールらしいですね。

右下から2番目、
HAPPY DEEPAVALIと書かれた紙にキスしています。これは調べてもわからなかったのですが、もし知っている方がいらっしゃったら教えてください。

右下、
Murukkuとは、米の粉を練ったものを押し出して麺状にして丸めて揚げたおかしです。
特にDeepavaliのシーズンによく食べられるようです。

インド系の友人がいたらぜひ使ってみてください。
180日間限定で、それ以降は使えなくなるようです。

携帯アプリなので他のビジネスに比べるとこういったローカル対応はし易いのだと思いますが、それでもいろいろ考えていますね。日本人だけでは、こういったアイデアは出てこないと思います。アルゼンチンに住んでいる知人もスペイン語のスタンプを使っていましたし、全世界のスタンプを同じイラストレーターが作っているのでしょうか。それとも各キャラクターの特徴をちゃんと定義して各地域でイラストを描いているのでしょうか。グローバル対応として学ぶ点は多そうです。

[出典]
http://www.sharmispassions.com/2011/10/murukku-thenkuzhal-murukku-diwali.html
(↑Mrukkuのレシピ)




[Singapore, India] DeepavaliとDiwaliの違い~インド系・インド人との話のネタに~

週末はインド系の休日Deepavaliでした。シンガポール在住のインド人同僚が以前、「シンガポールのDeepavaliはインド系の休日だけれど、インドでは公的な祭日がその次の日で、一日異なるのはなぜなんだ?」と言っていたのを思い出しました。また、別のインドの同僚はこの休暇のシーズンをDeepavaliとは言わず、Diwaliと言っていました。

調べてみたところ、北インドではDiwaliと呼ばれ、南インドではDeepavaliと呼ばれ、シンガポールでは南インドからのタミル系の移民が多いためにDeepavaliと呼ばれていて、南インドの習慣に従っているいることがわかりました。

休日が異なることについても、北インドではこのDiwaliに伴う一連のイベントが5日に渡って行われ、その3日目がDiwaliといわれ北インドでは休日、南インドでは北インドのDiwaliの2日目にあたる日からDeepavaliがスタートし、その初日が休日となっているようです。

ぜひインド系シンガポール人、インドの人と、休み明けの会話として、「休みはどうだった?」に繋げてこの話題を振ってみると盛り上がると思います。

[出典] 
・インドで地域により祭日が異なることについて
http://publicholidays.in/diwali-deepavali/

・DeepavaliとDiwaliの違いについて
http://www.deepavali.net/
(↑在外インド人の数についても言及あり、在シンガポールは40万人、オマーンの次に多く、フィジーが次に多いんですね。)
http://www.hindu-blog.com/2007/10/difference-between-diwali-in-north.html?m=1

Tuesday, October 4, 2016

[Singapore] シンガポール人の中国語表現を覚えよう!

シンガポールで日本人から「せっかくシンガポールに来たし中国語勉強しようと思ってるんだ」「中国語のクラスに通ってるんだ」という話をよく聞きますが、その後少しでも活用している人を見たことがありません。やはり社会人になってから新しい言語を学ぶのは相当根気がいるのだと思いますし、ましてや英語で最低限の生活ができてしまうので必要に迫られるということもないからだと思います。

それでも自分は勉強するんだ、使ってみるんだという方、特にシンガポールで中国語を通じ易くするための工夫について紹介します。第二外国語で中国語を学んだ方も多いと思いますが、シンガポールの中国語は日本の大学で第二外国語として学ぶいわゆる中国の普通話とは異なります。イントネーションや、発音が微妙に違い、また単語の言い回しも違います。日本で地域により言い回しが違うのと同じです。ニュースなどでは中国の普通話に近いイントネーションや発音で話されているので、中華系シンガポール人も理解はできるのですが、言い回しが違うと一瞬止まったり、聞き直されたりします。そのため、シンガポールでよく使われる言い回しを覚えるとよりコミュニケーションがスムーズになります。

そこで、特に中国の普通話と言い回しが違うものを紹介します。
矢印(⇔)の左側が普通話の言い回し、右側がシンガポールでの言い回しです。

自転車:自行车/Zi(4) xing(2) che(1) ⇔ 脚车 / Jiao(3) che(1) 
タクシー:出租汽车 / Chu(1) zu(1) qi(4) che(1) ⇔ 的士 / De(2) shi(4)
※中華系の人も中国語を話しているときもあまり"的士"は使わず、英語でTaxiと言っているケースが多いように感じます
じゃがいも:土豆 / Tu(3) dou(4) ⇔ 马铃薯 / Ma(3) ling(2) shu(3)
一週間:星期 / Xing(1) qi(1) ⇔ 礼拜 / Li(3) bai(4)
※普通話では月曜日、火曜日を"星期一"、"星期二"…といいますが、シンガポールでは、"礼拜一"、"礼拜二"…、それを更に略して"拜一","拜二"とも言います。
割りに合う:合算 / He(2) suan(4) ⇔ 划算 / Hua(2) suan(4)
ご飯食べた(完了形):吃了 / Chi(1) le ⇔ 吃了 / Chi(1) liao(3)
※既に食べたということを強調する場合、このようにチーリャオと発音する場合も多いです

他にもあれば今後追加していきます。
イントネーション、発音の違いについても機会があればまた書きたいと思います。

発音については、例えばシンガポールの"新加坡"の"新"ですが、中国ではシィィンと発音しますが、シンガポールではスィィンと発音する方が多いようです(個人の経験に基づく)。これは青島ビールがTsingtao Beerと書いたり、清華大学がTsinghua Universityと書くのと関係があるのかどうかはわかりません。昔の中国語の名残りなのでしょうか。

Sunday, September 25, 2016

[コンサルタントの働き方] エクセル・パワポだけじゃないコンサルタントの価値

今は経営コンサルタントとして働いていますが、この職業に着く前には私自身もなぜコンサルタントがクライアントに必要とされるのか、なぜ仕事として成り立っているのか、しっかりと考えたことはありませんでした。世の中には大いに役に立っているはずだ、自分も日々成長しながら世の中に役に立つことがしたい、程度の認識でした。

コンサルはパワーポイントとエクセルがちょっとできるだけだ、と偉そうに言う人もいますが、これは間違いです。それはうわべだけで仕事をしているコンサルタントです。全くの素人だった私が実際コンサルタントとして働いてみて感じた、その価値の発揮の仕方について書きたいと思います。

1.業界に強い
特定の業界や技術に強みを持ち、業界内のいろいろな関係者とのネットワークを持ち常に情報を仕入れながら、その業界の最先端の動向、業界内のベストプラクティス、業界特有の取り組み課題と取り組み方について深い知見を持ち、それに基づき顧客をリードしていきます。新興国進出がテーマであれば特定の国について詳しいこともこのうちに入ります。日系のシンクタンク系コンサル会社はこれを強みにした会社が多いと思います。

2.機能に強い
特定の機能(会計、サプライチェーン、カスタマーリレーションシップマネジメント、組織・人事等)に強みを持ち、業界に依らない方法論やスキル(+業界ごとの特徴)を武器にクライアント企業における機能の持ち方、実現の仕方を考えます。1.のような知見の共有ではなく、実際にその機能をクライアント企業に実装する必要があるため、プロジェクトは改革の実行支援型、長期のものとなります。外資系、特に会計ファーム系コンサルティング会社はこれを強みにした会社が多いと思います。

3.意思決定支援に強い
常に会社の改革プロジェクトを推進しているわけではないクライアント企業にとっては、その推進自体が大きなチャレンジとなります。なかでも社内の反対意見は大きな障害となります。そこに、コンサルタントが各社での経験から、その改革を進めるうえでどのような反対意見が出る可能性があり、どうやってその関係者を説得するのかの対応方針を明らかにしておくことで、クライアント企業の担当チームが予め手を打つことができ、改革を円滑を進めることができます。

たとえば、日本企業の改革をしようとするとき、こうすべきだの提案に対し経営層からは常に費用対効果は?の声が挙がり検討が行き詰まります。そこで、日本企業が取るべきアプローチとして、①定性的な論拠また費用対効果をざっくり試算したものを提示、「まずは小さく始めて効果を検証、実際に効果がありそうなら本格的に始めてはどうか」というストーリーで経営層を説得し小さくスタート、②その後小さく始めた取り組みの効果を確認、「実際に効果も出ており本格的に始めるべき」と経営層を改めて説得、の2段構えをとるべき、といった意思決定のシナリオづくりがクライアントにとっての価値になります。

4.プロジェクトマネジメントに強い
実際にクライアント企業が改革を進めようとすると、同時並行的に多くの取り組みが多くの社内外関係者によって進められます。こういった取り組みにクライアント企業が慣れていない場合、コンサルティング会社がそのマネジメントを支援する価値があります。ほとんどのケースで各所から多数の問題が出てきますが、対応の優先度・対応内容・タイミング等を考慮し、適宜クライアント企業内外のリソースを活用し対応しながら、改革も進めていくというプロジェクトマネジメント能力が求められます。

5.コミットメントが高い
会社で働いたことのある人ならわかると思いますが、部署などで何かやるべきことや役割分担、期日を決めて取り組んでもいろいろな事情により遅れてしまったり、活動そのものがなあなあになってしまったりします。ところがコンサルティング会社では、クライアント企業と話し合って決めた期日をきっちりと守ります。

実際にはコンサルティング会社側でもいろいろな事情(想定外の事実が発覚したり、工数見積もりが十分でなく想定以上に時間がかかったり、重大なミスがあり大きく手戻りが発生したり)により、期日通りの実施が難しそうな状況にもなります。中で働いている人は大変ですが、プロジェクトの確実な遂行自体がクライアント企業からみた価値であり、それに対してもお金を払っているという認識のため、コンサルティング会社側は必死に守ります。

また、何かの事情で想定のことができなければ、「~が理由でできませんでした。」といっては何の価値もないので、必死に代替手段を探して実現します。これらがクライアント企業からの信頼に変わっていきます。そういった時間を守り、何がなんでも目的を達成するマインドの人が集団で(※ここが特徴)同じ目標に向け動くことでクライアントが想像できないような時間と品質で仕事を仕上げます。

6.情報整理スキルが高い
クライアント企業が役員会などの重要な意思決定に提出できる品質で事実、課題、対応策等を整理、意味づけを行い、パワーポイント等資料化します。

例えば国×業界について調べた場合、それを縦横の表に内容を記入していくだけではあまり価値がありません。クライアント企業はそれをもとに役員会等で意思決定を行うことが目的としており、例えば共通の箇所はグループ化したり、それぞれの領域を特定の基準に沿って評価・優先度付けし、表現上は色の濃淡を変えたりして、一瞬で中身が理解でき且つ意思決定の材料になるような形にする必要があります。意思決定者達の「この資料でつまり何が言いたいの?」という質問に答えられる必要があります。これには一定のスキルが必要です。

また雑多な問題がある際に、それをロジックツリーの形に整理して示すことで、何が根本的な問題なのか等、問題構造の全体をクライアントのメンバーが理解し易いようにするといったこともあります。これも経験を積んでいなければわかりやすく整理するのは簡単ではありません。役員会などは社内の様々なテーマが集まってくるので、狙ったタイミングで決裁を得られなければ次回上申する枠が取れるのは何か月も先になってしまうこともあります。相手がいる場合などは待ち切れず話自体が流れてしまうこともあります。確実に改革を進めていくためには、目的に沿ったしっかりした内容を上げることが重要でそこを支援します。

7.計算・分析スキルが高い
例えばクライアントの新しい取り組みの想定効果の計算等、大量のデータの分析・それに基づくシミュレーションをクライアントに代わって行うことも価値です。分析・シミュレーションの内容はクライアントの事業や、テーマにもよるためなかなか決まった計算式やフォーマットを用意しておくことは難しく、都度クライアント企業の要望も踏まえながら計算式をエクセルで作っていきます。エクセルの式や関数などは、そこまで難しいものは使わないケースがほとんどですが、それらを組み合わせて大量のインプットデータに対して意図した計算・分析をやりきれる人が当該プロジェクトの担当部署にいないことも多いです。


コンサルタント個人レベルで見た場合、上記の1~7のうち、5~7は若手のうちに身に着けておくことが重要です。所謂コンサルが覚えるのはパワーポイント・エクセルだけという人の意見が該当するのは、6の内容をまとめる資料作成の部分、7の計算の部分です。それだけだと入社1~2年目のアナリストレベルです。そのうえでプロジェクト経験、そこでの顧客とのコミュニケーションを積みながら1~2のように自身の専門領域に特化していったり、3~4のようなクライアント企業の大きな改革プロジェクトの実行支援を強みとしていきます。

上記を意識しながらクライアント企業と真摯に向き合って仕事をしていれば、クライアントの担当者にコンサルティング会社がいてくれてよかった、あなたがいてくれてよかったと思われます。そして、「うちの会社に来たらどうか」や「来てくれるならいつでも席を用意しますよ」などと言われることもありますが、これはコンサルタントにとって最高の褒め言葉であり、私もそれを冗談でも言われたことを誇りに思っています。クライアントも社運、その部署の将来をかけた重要なプロジェクトとして必死に取り組んでおり、わずかでも思ってなければ冗談でも口にしません。残念なことに経験年数に関わらずこれを言われない人もいます。コンサルタントとして価値を出すことは、それだけ簡単ではないものの、可能ではあり、それがコンサルティング会社の存在する理由かと思います。コンサル業界を目指す方、入られたばかりの方、中小企業診断士として独立を目指す方の意識すべき点として、参考になればと思います。

Sunday, July 31, 2016

[Singapore] これが建国記念日イベントNDPだ!~NDPを通して学ぶシンガポールのいろいろ~

8月9日はシンガポールの建国記念日のため毎年休日になります。その日はNational Day Parade(NDP)といって建国記念日を祝うイベントがあるのですが、そのNDPのプレビュー1(予行練習)を観覧する機会に恵まれたのでその様子を共有したいと思います。

NPDの当日及びプレビューについては抽選に参加してチケットを入手する形となっているのですが、その抽選の申請資格はシンガポール国民か永住権保持者しかありません。ひとり2枚まで、当日か、プレビュー1(1回目の予行演習)か、プレビュー2(2回目の予行演習)か指定したうえで申し込む形となります。シンガポール人でも当たらないことの方が多く、友人や親戚との会話で「誰々は当たった、誰々は外れた」とお互いに当選落選の状況を共有したりするようです。

そのようななか、今回は運よく知人に誘われてNDPに参加することができました。場所は昨年と異なり、ナショナルスタジアムです。以前はナショナルスタジアムでも開催されていたようですが、新しくなってから(今のナショナルスタジアムは2014年6月オープン)初めてのナショナルスタジアムでの開催とのことです。調べてみたところ、新しくなる前の最後のナショナルスタジアムでの開催は2006年、2007-2009年はMarinabay、2010年はPadangという広場、2011-2014年は The float、建国50周年の2015年はPadangとThe floatでの開催であったとのことです(2015年は記憶に新しいですね)。

MRT Circle Line のNational Stutudium駅では、中華系・マレー系・インド系の人に関わらず赤い服を着た人ばかりです。


スタジアムに入ると席がやはり赤い服を着た人で埋め尽くされています。席はブロック単位でのみ決まっていて、チケットに書いてあるブロックのなかで誘導に促されて適当に座っていきます。自分の席に着くと、おみやげのリュックが置いてあります。赤と白の席の色に合わせて赤と白の色のリュックが置かれています。下の写真は右上から時計回りに、①席に挟まれるように置かれたリュック。②リュックはビニールでできた白か赤の半透明のもの。③中にはシンガポールの国旗、SINGAPOREと書かれたマフラー、顔に貼るシール、お店などのクーポンが冊子になったもの、そしてなぜか緑色で逆に目立つ明治ハローパンダ抹茶味(ハローパンダはコアラのマーチのような明治製菓によるお菓子で、過去に日本でも販売していたがその後撤退、シンガポールでは今でも販売しているというお菓子)、PUB(シンガポール公益事業庁、水道の供給などを実施)による再生水newaterのボトル(水資源の多くを隣国マレーシアに頼ってきたシンガポールが、水の自給率を揚上げるために再生水による水資源開発を推し進めている)、ピーナッツ、パンなどが入っています。④PUBの再生水のボトルを拡大したものです。赤いシャツを着た国民が大勢書かれているのがいい感じです。※写真をクリックして拡大すると見やすいです

下の写真は右上から時計周りに、①赤いシャツの人で埋め尽くされたナショナルスタジアム。 ②皆がマフラーを掲げた状態。③左奥に見えるのが有名なKallang Wave。④軍隊などが更新するパレードの後半で国旗が観客席を駆け上るサッカーの試合のような光景。

そして司会者の人たちが登場して会場を盛り上げた後、司会者達は控室側にショーの準備状況を確認しにいきます。そこで最初に登場したのが、SOKA Associationの方(シンガポール創価学会、シンガポールでは1985年に慈善団体となった)。スカートに絵柄が付いていてそれを一枚一枚めくっていくと絵柄が変わっていくという説明をしています。知らない人も多いと思いますがSOKA Associationは毎年NDPに参加しています。

次に、今回のNDPのテーマ曲Count On Me。サビの部分の手話を映像で解説します。皆が映像を見ながら真似して練習します。二つの手をグーにして左手を胸の前でぐるっと回して右手に載せて写真のポーズをするとシンガポールという意味だそうです。


そして来賓の入場です。観客が入り切ってから来賓が順次に入場していきます。私が観覧したのはプレビューだったため、いずれもその看板を持った役の人だったのですが、下の写真で順番に①MP(Member of Parliament:国会議員)、②MOS(Minister of State:担当大臣、内閣には属さない)、③CM(Cabinet Member:大臣、内閣に属する)、④ESM(Emeritus Senior Minister:名誉上級相、初代首相リー・クワンユーと息子の第3代首相リー・シエンロンの間で第2代首相を担っていたゴー・チョクトンを指す)が入場します。役の人はなり切っている人、少し照れている人の両方がいました。


そして、右上から時計回りに①ここから国軍各部隊の入場です。②その後PUB、Sembcorp、NTUC、Singtel、Kepple等政府系機関・企業等のぼりを持った人たちが入場します。③各者が整列したのちに白い車が入場、④中から出てきたのは首相リー・シエンロン役の人です。

①次に白い車がもう一台到着。②登場したのはJoseph Yuvaraj Pillay氏、これは役の人ではなく本人です。公務員として長年勤め、その間にシンガポール航空の会長を務めたり、その後シンガポール証券取引所の会長を務めたりした人です。③軍関係者に声を掛けています。④そして車にのり、会場を一周します。シンガポールの発展に多大な貢献をした人としての扱いなのだと思います。本番ではここでトニー・タン大統領が登場するのか、本番でもJoseph氏も登場するのかは本番を見てみないとわかりません。

ショーの中までは紹介しませんが、観客が最も盛り上がりを見せたのがショーの終盤でのSOKA Associationによる家族をテーマにした絵をスカートの柄でマスゲームのように再現したものでした。その演技からシームレスにフィナーレに移り、本日出演した全員が会場に現れ冒頭のCount On Meを歌い、歌に合わせ手話をします。観客も皆手話の振り付けを必死に真似ています。下の写真、右下に少し高い位置にいる白い服を着た女性が奥のモニターに映っているのですが、Count On Meの歌とあわせ手話をしていて、間でシンガポールのバンドの53Aの演奏、国歌などもありその間も歌詞を手話でずっと表現していて、なかでも際立った存在感でした。

その振り付けは事前にYoutubeでも見ることができます。8月9日当日テレビで見られる方は事前に映像を見て練習されるとより深い楽しみ方ができると思います。


最後に国歌と、シンガポール国民の誓い(Singapore National Pledge)を斉唱して終わりになります。ステージの上は引き続き音楽も流れていてお祭りムードでしたが、観客席の人は終わりのアナウンスもまだないままバラバラと帰り始めます。これも映画館でエンドロールが流れ始めるとすぐ席を立つシンガポール人らしいですね。

ちなみに全員が起立してシンガポール国民の誓いを斉唱する姿は日本人からすると羨ましく感じます。会社でいうと、コア・バリュー、WayやCredoのように行動の基本となる指針を明文化して共有することは、実際に集団をある一定のプラスの方向に導くのに有効であると思います。そのような日がくるかはわかりませんが、日本にとってもそういったものを持っていた方が望ましいのではと思ってしまいます。

NDPはこのように実質1時間半くらいのイベントなのですが、外国人にとってもNDPを通してシンガポール政府の要職、要人、日本の企業や団体との関係、水・おかしの歴史、国歌・シンガポール国民の誓い、とシンガポールを形成しているいろいろなことがぎっしりと詰まっています。8月9日のシンガポールの建国記念日にシンガポールにいる方はぜひテレビでNDPをいろいろと思いを巡らしながら見て頂けるといいかと思います。

※本記事は、特定の国・団体及びその活動自体についてその良し悪しを述べることを目的としたもの、またその議論を巻き起こすことを意図したものではありません。シンガポールにおける歴史・文化に関わる事実を共有し、理解を深めることを意図しています。
※本記事は、知り得た、調べ得た情報に基づいて記載しておりますが、必ずしもいずれの間違いを含んでいないことを保証するものではありません。

Saturday, July 30, 2016

[中小企業診断士] 中小企業診断士の国際協力

中小企業診断士の国際業務というと、海外の市場調査・拠点設立支援・海外企業とのマッチング支援等の海外進出支援をイメージされる方が多いと思いますが、もうひとつに国際協力関連の業務があります。

中小企業診断士の資格を取得することで、国際協力の分野での活躍も期待できることについては下記記事でも触れました。

診断士の国際協力は、新興国の中小企業支援機関のへの研修実施・制度整備支援や、現地の中小企業従業員への研修実施、左記に加え現地の中小企業の現場に入りこみ現場を変えていくタイプの支援もあります。学生時代などに国際協力の現場に携わりたいと考えていた方も多いとは思いますが、なかでも現場に入り込むような支援をイメージされていた方が多いのではないでしょうか。中小企業診断士はそれを仕事として行うことができます。

ここで言いたいのは、国際協力とは、JICAに入所したり、海外の大学院の国際関係学を学んで国連等の国際機関に所属するだけでなく、中小企業診断士として経験を積むことでもできるということです。そのハードルは確率・費用などの観点から左記の2つよりもはるかに低いと思います。さらにJICAや国際機関で勤務している人よりもより現場に近い場所で支援することができます。これは学生時代に国際協力に携わってみたいと考えていたが結局一般企業に就職、国際協力に携わりたいという気持ちが頭の片隅にずっとあったような方には絶好の機会だと私は思っています。且つ自身が企業で学んできたことを活かしつつ専門家として国際協力に携わることができ、現職でしっかりと専門性を身に着けること、中小企業診断士の資格を取得する大きなモチベーションとなるのではと思います。私自身も中小企業診断士の国際協力について知ったことが取得に向けた学習意欲継続を可能にしてくれました。

自身が中小企業診断士資格の学習を始めた10年前ころは、そういった情報もネット上ではほとんど見つけることができなかったのですが、今では見つけることができます。その例を下記に紹介したいと思います。国際協力に携わりたいとなんとなく思ってきて、診断士資格の学習をしている、仕様と思っている人にとっての励みになればと思います。

国際協力の仕事は日本のJIKAやHIDA(一般財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)による国際協力事業として、国際開発コンサルティング会社・診断士等の専門家がそのプロジェクトを実施する形となっていますので、実際にその仕事をするためには入札に参加して業務を勝ち取らなければなりませんが、そのアプローチとしても下記は参考になると思います。

開発途上国の中小企業振興支援に挑む
【第1回】カメルーンで活かす日本の中小企業勤務&支援経験
【第2回】カメルーンに対する日本の中小企業振興支援の特徴
【第3回】中小企業診断士の役割は、海外でも日本でも「触媒」

国際派の若手女性診断士
【第1回】相手の立場を理解できるコンサルタントに
【第2回】診断士資格で仕事の芽が増える
【第3回】「おせっかい」が仕事につながる

舞台は世界へ-国際派診断士への道
【第1回】予想外に早くスタートした海外業務
【第2回】海外業務のやりがいと苦労

東ティモールで活躍する女性診断士
【第1回】中小企業診断士が携わる国際協力活動
【第2回】東ティモールでの調査活動
【第3回】東ティモールのプロジェクトを終えて

Sunday, July 24, 2016

[Singapore] 東京カレンダーのシンガポール特集はSJ50だったがその後の記事は味をしめただけか

昨年のシンガポール建国50周年のSG50に引き続き、今年はSJ50だとよくウェブ上で目にすると思います。SJ50とはシンガポールと日本の外交樹立50周年のことで、またそれにあたり両国の政府観光局がそれぞれ観光を促進するための事業を行うものです。

シンガポールの政府観光局は日本人向けにSJ50の特集ページを作っています。
http://www.sj50.jp/

日本の政府観光局のウェブサイトでは両国政府観光局の活動計画が紹介されています。
http://www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20160128_press_release.pdf

内容から、日本の政府観光局はシンガポールからの観光客誘致のための活動を行い、シンガポールの政府観光局は日本からの観光客誘致のための活動を行うものであると理解できます。日本の政府観光局の取り組みは例えばJapanese Restaurant Week in Singaporeとして、シンガポールの日本料理店などで日本旅行の当たる抽選の張り紙などが掲示されていたのを記憶している方も多いと思います。シンガポールの政府観光局の取り組みは、日本のスーパーマーケットの成城石井でシンガポール料理を惣菜にしたものを販売するなどです。

成城石井での取り組みは下記にて紹介されています。
http://www.seijoishii.co.jp/whatsnew/press/desc/182

海南鶏飯、プロウン・ミー、チャー・クェイ・テォ(※ウェブサイト上の表記を引用、正式な発音はチャーオ・クァイ・ティアオだと思います)等が販売されたとのことです。シンガポール風ラクサを発売した結果、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会主催の「お弁当・お惣菜大賞2015 麺部門」で最優秀賞を受賞し、シンガポールの政府観光局の目に留まったのがきっかけのようです。

いくつか事例を紹介しましたが、これはいずれも費用がかかるもので、当然のことながら両国の税金が使われています。日本政府観光局の取り組みは日本の税金、シンガポール政府観光局の取り組みはシンガポールの税金です。

上記の日本政府観光局のウェブサイト上ではシンガポール政府観光局の連絡先が博報堂内となっています。つまり、シンガポール政府観光局が博報堂に関連の活動を委託、博報堂がシンガポール政府観光局とともに活動のアイデア出し、実施等をしていることが伺えます。

そこで最近話題になっていた東京カレンダーのシンガポール特集「シンガポール・ラブストーリー」。記事自体は、シンガポールに旅行にきた日本人女性と現地で働く日本人男性の出会いを通じて、そのなかで様々なシンガポールの観光地やホテル、料理店等を紹介していくというものでした。これはとても話題になりました。現地在住日本人だけでなく、普段シンガポールに関わりのない日本の知人のフェイスブックなどでも言及されていたりしました。下記のようにシンガポール政府観光局のフェイスブック上でも紹介されていました。

東京カレンダー シンガポール・ラブストーリー
https://tokyo-calendar.jp/article/5751


記事の一番上の左側にPRと書いてあります。これは、この記事はスポンサーがお金を出して書かれた記事である、ことを示しているのではと考えられます。つまり、シンガポール政府観光局→博報堂→東京カレンダーの流れで業務委託がなされて、費用が東京カレンダーに支払われているものと想定されます。

問題なのはその後に出てきた同じくシンガポール特集なのですが、「シンガポール大逆転」という題で、10以上の記事が書かれています。

東京カレンダー シンガポール大逆転
https://tokyo-calendar.jp/story/3991

日本人女性がシンガポールに移住し現地のお金持ちの男性を見つけ結婚、今まで自分を見下していた人たちを逆に見下し返す、駐妻は現地のお金持ちと結婚した人や金融系の仕事をしている人と結婚した人達にくらべて最下層である、どういう人がAランクで、Bランクで、住んでいるコンドでもランクが決まる、という虚栄心だけに訴えかけるような記事です。事実誤認があったり、シンガポールの文化・食などが一切紹介されていない、シンガポールの写真も一切ないなど「シンガポール」をネタにただひたすらに虚栄心に訴えかけるような記事を書いているだけに見えます。

日本だと相手にされなくなった女性でもシンガポールで日本人の市場価値が高くちやほやされる、とシンガポールが逃げ場のような形で書かれているし(シンガポールはこんな理由で日本人に来てほしいのでしょうか?)、11番目の記事では「何よりもエリカが呆れてしまったのは、東京では明らかに市場価値が低いに違いない日本人の女たちだった。 売れない年増のモデルや、プライドばかり高いCA、明らかに恋愛目的でシンガポールに逃げるようにやってきて、金持ちを渡り歩く女たちにしょっちゅう遭遇した。」「シンガポールは確かに景気がいいかも知れないけど、言ってしまえばお金だけ。結局、東京の方がずっとずっと洗練されてると思うわ。」と、登場人物のコメントとはいえ、シンガポールを見下しているようにしか見えません。

これらのシリーズについてもSJ50でシンガポール国の税金が出ているとしたらお金の使い方として問題になるレベルだと思いますが、「シンガポール・ラブストーリー」にあったようなPRの記載はないので、そうではないのだと思います。
想定としては、「シンガポール・ラブストーリー」が成功して多くのページビューを獲得できたため、東京カレンダーが自分たちでもシンガポールをネタに記事を書いたが、品質を管理できずに結局「シンガポール・ラブストーリー」でお客さんであったはずのシンガポールのイメージさえも悪くするような記事を量産してしまったという状況なのかと思います。

ちなみに、もともと上記のシンガポールの政府観光局のSJ50の特集ページから「シンガポール・ラブストーリー」へのリンクが貼ってあったのですが、今はなくなっています。

その国へのリスペクトがあるかどうかはその文章を読めばすぐにわかってしまいます。今後について敢えて言うならば、そこに最大限気を遣いながら、本当に読者がシンガポールに行きたくなるような文章、シンガポールの人が日本の人に読んでもらいたいと思うような文章を書くことが大事だと思います。そうでなく、ページビュー稼ぎのためだけにシンガポールを引き合いに出すことはシンガポール人、シンガポールが本当に好きで住んでいる人、志を持って移住した人に失礼です。

Saturday, April 30, 2016

[Singapore] 日本人ビジネスマンが野暮ったく見える理由

ここシンガポールではオフィス街で日本人ビジネスマンを見るとすぐに日本人であると気づきます。もちろん顔もありますが、顔以外の要素の方が大きいのではないかと思っています。よく、シンガポールでジャケットにネクタイをしているのは日本人だけだなどという人もいますが、オフィスビルなどでは日本人に関わらず営業担当者がスーツ・ネクタイをカチッと身に着けてお客さんのオフィスを訪問しているのを見ることも多いです。そのため、スーツ・ネクタイを身に着けているということ以外の要素で日本人だとわかるものについて考えてみました。また、いい意味で目立つ分にはいいのですが、日本人は野暮ったい印象を受けます。野暮ったく見える理由についても考えてみました。

1.スーツ
シンガポール人は体にフィットしたスーツを着ているが、日本人は体よりひとまわり大きなスーツを着ている。日本から出張できたであろう人は少し厚手の生地のスーツを着ていることもある。

2.ワイシャツ
シンガポール人は体にフィットしたワイシャツを着ているが、日本人は体よりひとまわり大きなワイシャツを着ている。私も最近はこちらで購入した胴回りが絞られたワイシャツを着ているが、体のラインがスリムに見えてよい、逆に日本で買ったワイシャツが少し野暮ったく見えるようになってきた。

2.髪型
日本人ビジネスマンは髪が長く、耳にかかっている。また髪の質感ももさっとしている。一方シンガポール人は短く刈っていて、刈った断面が見えることでさわやかな印象を醸し出している。また髪型もまとまっている。これには二つの理由があると思っていて、①シンガポール人のほうがより短サイクルで髪を切っている。ちょうど月一回くらいではないか。②シンガポール人は整髪料はジェルを使い固めてしまっている。日本人は若い人はワックスを使っている人も多いと思うがシンガポールは湿気が高いため、もさっとし易い。先日初めて日本人の美容師に髪を切ってもらったときにも聞いたが、やはり湿気の高いシンガポールでは毎月髪を切る、ジェルを使い固めてしまうことが清潔感を保つうえで効果的だそうだ。

郷に入っては郷に従え、をポリシーにしている人は、ぜひ日本とは違ったシンガポール流の身だしなみの整え方をしてみてください。

ただ、鞄についてはシンガポールや欧米のビジネスマンではリュックを背負っている人も多いですが、ここだけは日本のビジネスマンのように普通のブリーフケースの方がしっかりした印象を与えていいのではと個人的には思っています。

[Singapore] 結婚後の現地採用挑戦は管理職か共働き

日本人が日本から現地採用としてシンガポールで働き始めるタイミングとして適したライフステージはいつ頃なのか、ということについて考えてみたところ、表題のような結論にいきつきました。各ライフステージにおける現地採用としての働き出しやすさは下記の通りです。

1.20代前半、新卒 ⇒ △
経験がほぼない状態でシンガポールに来るとなると、そもそも自身が英語圏で大学を卒業していない限り、現地の大学を卒業した人等に比べて英語でのコミュニケーションで不利ですし、それを克服できるだけの価値を提供できる独自の経験・能力などもない状態のため、採用されることのハードルはかなり高いと思います。日本企業であれば、日本語ができることがアドバンテージになることから採用しようとしてくれるところもあるかも知れませんが、相対的に給与水準の低い日本企業且つ、新卒レベルの給与であればそもそも外国人に対してビザが下りないリスクもあると思います。人材紹介会社の人も言っていましたがやはりここ最近エンプロイメントパス(就労ビザ)の下りる賃金水準がかなり上がってきているようです。日本でも新卒の基準を緩和する会社も増えていますので、まずはシンガポールでの就職・会社での生き残りに挑戦してみて、難しそうなら改めて新卒数年以内に日本で新卒として認めてもらえる会社にチャレンジというもありだと思います。日本で日本企業で新卒として就職する場合には研修なども整っていることが多く、最初のキャリアを日本の日本企業とするのは悪いことではないと思っています。

2.20代後半、扶養家族なし ⇒ ○
20代後半では、自身の仕事の経験値は会社で存分にパフォーマンスを発揮するのに十分とは言えませんが、①営業、物流等各種特定機能に関する業務経験があり、②それを日本での日々の業務のなかで体系的に整理・習得する努力をしており、③新たな取り扱い商品や環境が異なっても短期でキャッチアップする強さがあれば、与えられた役割をこなし、且つ慣れてきたら部下の育成も行えたりと自身の存在価値を発揮することは可能だと思います。シンガポールでの勤務開始直後は語学力や経験が十分でないことから給与水準が低いことも考えられますが、未婚のため給与により支えなくてはならないのは自分自身一人のみの生活のため、エンプロイメントパスさえ下りれば給与の低さをカバーして生活することも可能です。住居費についても、他の人と一つの住居を部屋単位でシェアすることで、1,000SGD程度に抑えることが可能です。

3.20代後半、扶養家族あり ⇒ △
ところが、配偶者(専業主婦(夫))や子ども等、扶養家族ありの場合となると、話は別です。給与により支えなくてはならないのが自分一人ではなく、家族全員となるため、給与の低さが生活可能かどうかに直結してしまいます。家族構成として、配偶者が専業主婦(夫)で、子ども(乳児)が1人とすると、一番下に記載しているように生活費+一部貯蓄としても、計5,000SGD/月程度はかかってしまいますので、仮に月給5,000SGD程度もらえたとしても(これも簡単ではありません)、家計がギリギリの状態になってしまいますし、小さい子どもがいるなかで家計がギリギリというのは予想外出費があったときに生活が維持できないリスクを伴います。シンガポールで新たな生活を始めるための引っ越し代や家具を買いそろえたりと初期費用も様々かかります。そういったリスク対応、初期費用を考えると既にある程度の貯蓄があること、また月給も5,000SGD以上、且つできるだけ多めの水準で初めて検討可能になるかと思います。

そうでなければ、配偶者もシンガポールで働き、子どもは保育園に入れることで配偶者の給与も生活費として貢献しますが、海外就職に付いてきた配偶者側が海外での子育てと就職を両立するとなるとこれはこれでかなりチャレンジングだとは思います。配偶者自身も海外現地採用を志向している本人同様、海外で自分を試す覚悟がもともとあるくらいがいいのではと思います。実際日本人で夫婦で現地採用、子育てをしている人もいます。

4.30代前半~(既婚、未婚関わらず) ⇒ ○ ※管理職として
30代前半となると、その人自身の経験によりますが、業界・機能についての知識が豊富になってきます。営業の場合は個別の顧客企業、調達の場合はサプライヤーの会社自体についての理解も深まってきます。そうすると、それを足掛かりにシンガポールでの職を見つけることもし易くなると思います(グローバルに展開する顧客やサプライヤーの場合)。また、日本で数人の部下のマネジメント経験があれば、それを活かしシンガポールでも部下の管理・育成も可能であると思います。管理職レベルのポジションであればその給料で配偶者と子ども1人くらいの生活費は賄えると思います。子どもがそれ以上いる場合や、より高い生活水準を指向する場合にはさらなるキャリアアップが必要です。

上記から、未婚であれば20代後半がチャンスです。家族を持っておりその生活を一人の賃金で支える場合には30代前半~(管理職レベルのポジション)です。いずれにしても日頃から業務内容・考え方を整理しておき、それを活用し場所や取り扱い商品等が異なってもいち早くキャッチアップできることが必要です。既婚且つ管理職レベルが難しい場合は生活維持のために現地での共働きが必要です。それはシンガポールでは共働きが主流であることからも納得がいきます。現地採用への挑戦を考えられている方は自身のライフステージや、現地採用された場合のポジション、配偶者の現地での就職意向等も含めて、そのうえで意思決定されるのが望ましいと思います。

- 小さな子どもがいる場合の家族あたり毎月発生費用:4,800SGD
以下、その内訳

住居費:2,500SGD
※HDBの一つの住居を借りる場合。さすがに家族で間借りはしない想定。こちらで複数かい家探しをしたことのある人に聞いたところ、探せば2,000SGDくらいもあるようですが、市中心部からかなり離れたところかつ湿気が高かったりと、子ども連れということを考えると2,500SGD以上はケチらない方がいいようです

保育園:1,600SGD
※配偶者が専業主婦(夫)の場合は発生せず働きの場合に発生、そのため全日(週5日、一日中)を想定

食費:900SGD
※1回4SGD/人 * 3回/日 * 30日 * 2.5人(子どもは0.5人と換算)

水道光熱費:150SGD

電話+インターネット:150SGD
※携帯電話月50SGD * 2人、及びインターネット契約50SGDと想定
※会社やプランによって様々ですが、ざっくりの計算

お小遣い:600SGD
※夫婦それぞれ300SGDずつと想定
※外食する場合はここから拠出すると想定

貯蓄:500SGD

他にMRT、タクシー等交通費が発生
※小さい子どもがいる場合には必要に応じタクシーを月数回使えた方が楽です

また初期費用として、家具一式+日本からの引っ越し代として、5,000SGD程度は見ておいた方がいいと思います。※もし大幅に実情と異なりそうな箇所があればご指摘頂ければ幸いです

Sunday, February 28, 2016

[Singapore] Lee Khoon Choy(リー・クーンチョイ)氏とは

週末ニュースで2/27にLee Khoon Choy(リー・クーンチョイ)氏が92歳で亡くなったと報道されていたのを見た方もいると思います。ちょうどその方の著書を読んだばかりでした。

南洋華人 国を求めて / リー・クーンチョイ


リー・クーンチョイ氏とは与党の人民行動党の議員であった人で、故リー・クワンユー元首相とともに創成期のシンガポールを形作った人です。日本・韓国・インドネシア等8カ国の大使を務め、日本やインドネシアに関する著書も出しています。

昨年91歳で亡くなった故リー・クワンユー元首相が1923年9月生まれ、リー・クンチョイ氏は1924年1月生まれと、ほぼ同時期を生きています。

マレーシアのバターワースで事業家の家に生まれ、兄弟は英語教育を受け英国に忠誠心を持ち、自身は中国語教育を受け自分は中国人だと考える、という家族内でも教育環境により異なったアイデンティティを持つことを経験。日本軍がマレーシア・シンガポールを占領すると日本語教師として生計を立てた。中国が国民党・共産党が主導権争いをするようになると在外華僑はどちらにつくかで分かれた。1957年マラヤ連邦が成立、1963年シンガポールを含むマレーシアが成立、1965年シンガポールが成立。1949年新中国が成立し、友人のなかには新中国の発展に寄与すると志し中国に帰ったものもいた。だが在外華僑ということで文化大革命の際に迫害され、シンガポール成立後リー・クーンチョイ氏が中国を正式訪問した際にその友人から連絡があり助けを求められた。各国の大使も歴任し、本書を通して「国」や自分のアイデンティティについて考えています。

上記のような自分の所属しているものがときどきによって変わるということは、日本で生まれ日本で育った日本人にはなかなか理解しがたいかもしれません。もちろん所属する会社や働く国が変わったりというのはありますが、属する国そのものが変わるということを経験している人は多くないと思います。特にシンガポールで暮らす日本人には興味深い内容だと思います。

彼の死に際して、現首相のリー・シエンロンもフェイスブックで、彼がインドネシア大使として、シンガポール オーチャードのマクドナルドハウスがインドネシア海兵隊員に爆破され死傷者が出た事件で、リー・クーンチョイ氏はリー・クワンユー首相を説得、リー・クワンユーは(シンガポールで死刑執行され、インドネシアでは英雄として扱われていた)その海兵隊員のインドネシアの墓を訪問、インドネシアの伝統衣装バティックを着て献花した。そのことがリー・クワンユーにスハルト大統領との関係を構築させた。と記載しています。

リー・クンチョイ氏の人となりまでは知りませんが、確たる頼れるものがない激動の世の中において生き抜き、国を作った人は尊敬に値しますし、今自分たちはそれに比べれば整った環境のなかで生きておりだからこそ、見習うべき部分もあるのではと思います。

参考資料)
CNA :
Former Senior Minister of State, PAP MP Lee Khoon Choy dies
nangokushimbunnews :
インドネシア海軍艦船の船名、シンガポールで波紋呼ぶ

Saturday, February 27, 2016

[Singapore] お年玉袋で何でも作るシンガポール人

シンガポールでは旧正月期間も終わり、生活も仕事も日常に戻りました。旧正月期間中、シンガポール人の家を訪れる機会が何度かありました。

旧正月に中華系シンガポール人の家を訪れると、日本同様にお年玉を渡し合います。あげる側・もらう側の境目は日本では成人のタイミングだと思いますが、シンガポールでは結婚したタイミングとなります。渡す金額については、シンガポール人の友人が携帯のメッセージで共有してくれた下記の写真が参考になります。中華文化圏で縁起の良いとされる8が一桁目になっています。シンガポールは毎年物価が上がっているので、こういった相場も毎年変わります。


お年玉袋は日本ではお店で購入しますが、シンガポールでは銀行などでもらいます。日本のご祝儀と同様、シンガポールのお年玉は新札が望ましいとされていて、旧正月前になると多くの人が銀行で新札に交換します。また、上記の表からもわかるように末尾の8を作るために大量の2ドル札に交換します。そのためシンガポールでは毎年かなりの数の2ドル札の新札が発行されているのではないでしょうか。お年玉袋の話に戻りますが、その際に銀行がサービスとして配ります。銀行にとっては銀行名が入ったお年玉袋が多くの人に配られるため宣伝にもなります。


銀行が大量にお年玉袋を配り、お年玉袋を銀行でもらう人も足りなくならないよう念のため多めにもらいます。銀行でない機関もお年玉袋を作って配ります。結果として感覚ですが実際に使われるお年玉袋の2倍以上が毎年作られているのではないでしょうか。銀行などが作っているお年玉袋も毎年干支のデザインを取り入れて異なったデザインにしており、余ったからといって翌年使うことはできません。結果として毎年大量に余ります。そこで誰かが考えたのが余ったお年玉袋でお正月飾りを作ってしまおう!ということです。これはシンガポールの知人宅で見つけた魚。目を描いて、尾ひれの部分はホチキスで留めています。


これは鯉でしょうか。ホチキスをうまく使って立体になっています。


これは、お金と縁起のよい8の数字を表しています。


そしてこれは台湾や東南アジアでよく店舗の軒下、住居の入口などにかかっているパイナップル型のランタン、をお年玉袋で作ったものです。力作ですね。


この力作のようなものを作ろうとすると最初からそのためにお年玉袋を確保しておかなくてはならないですね(笑)。他にもいろいろなデザインを見ました。また見かけたら紹介したいと思います。

まとめると、お年玉⇒新札・縁起のよい8を作るための2ドル札需要⇒新札交換・両替に合わせ銀行がお年玉袋を発行⇒銀行も多めにお年玉袋を発行し、もらう人も多めにもらう、銀行以外も発行⇒お年玉袋が余る、干支のデザインで翌年使えない⇒大量に余ったお年玉袋で様々な正月飾りを考案!と、中華文化の習慣、企業の動き、人々の行動のなかで文化が生み出されていることに面白味を感じます。これは一例ですが、シンガポールには様々な文化があり、日本とくらべ深みがどうだとか言うものではないと思います。文化に深みがないと感じたらそれは自分自身の行動に深みがないのだと思います。どんどん深く現地の文化・社会に入り込んでいきましょう!