Saturday, February 27, 2016

[Singapore] お年玉袋で何でも作るシンガポール人

シンガポールでは旧正月期間も終わり、生活も仕事も日常に戻りました。旧正月期間中、シンガポール人の家を訪れる機会が何度かありました。

旧正月に中華系シンガポール人の家を訪れると、日本同様にお年玉を渡し合います。あげる側・もらう側の境目は日本では成人のタイミングだと思いますが、シンガポールでは結婚したタイミングとなります。渡す金額については、シンガポール人の友人が携帯のメッセージで共有してくれた下記の写真が参考になります。中華文化圏で縁起の良いとされる8が一桁目になっています。シンガポールは毎年物価が上がっているので、こういった相場も毎年変わります。


お年玉袋は日本ではお店で購入しますが、シンガポールでは銀行などでもらいます。日本のご祝儀と同様、シンガポールのお年玉は新札が望ましいとされていて、旧正月前になると多くの人が銀行で新札に交換します。また、上記の表からもわかるように末尾の8を作るために大量の2ドル札に交換します。そのためシンガポールでは毎年かなりの数の2ドル札の新札が発行されているのではないでしょうか。お年玉袋の話に戻りますが、その際に銀行がサービスとして配ります。銀行にとっては銀行名が入ったお年玉袋が多くの人に配られるため宣伝にもなります。


銀行が大量にお年玉袋を配り、お年玉袋を銀行でもらう人も足りなくならないよう念のため多めにもらいます。銀行でない機関もお年玉袋を作って配ります。結果として感覚ですが実際に使われるお年玉袋の2倍以上が毎年作られているのではないでしょうか。銀行などが作っているお年玉袋も毎年干支のデザインを取り入れて異なったデザインにしており、余ったからといって翌年使うことはできません。結果として毎年大量に余ります。そこで誰かが考えたのが余ったお年玉袋でお正月飾りを作ってしまおう!ということです。これはシンガポールの知人宅で見つけた魚。目を描いて、尾ひれの部分はホチキスで留めています。


これは鯉でしょうか。ホチキスをうまく使って立体になっています。


これは、お金と縁起のよい8の数字を表しています。


そしてこれは台湾や東南アジアでよく店舗の軒下、住居の入口などにかかっているパイナップル型のランタン、をお年玉袋で作ったものです。力作ですね。


この力作のようなものを作ろうとすると最初からそのためにお年玉袋を確保しておかなくてはならないですね(笑)。他にもいろいろなデザインを見ました。また見かけたら紹介したいと思います。

まとめると、お年玉⇒新札・縁起のよい8を作るための2ドル札需要⇒新札交換・両替に合わせ銀行がお年玉袋を発行⇒銀行も多めにお年玉袋を発行し、もらう人も多めにもらう、銀行以外も発行⇒お年玉袋が余る、干支のデザインで翌年使えない⇒大量に余ったお年玉袋で様々な正月飾りを考案!と、中華文化の習慣、企業の動き、人々の行動のなかで文化が生み出されていることに面白味を感じます。これは一例ですが、シンガポールには様々な文化があり、日本とくらべ深みがどうだとか言うものではないと思います。文化に深みがないと感じたらそれは自分自身の行動に深みがないのだと思います。どんどん深く現地の文化・社会に入り込んでいきましょう!

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