Sunday, May 14, 2017

[中小企業診断士] 海外在住診断士が資格更新するには

久々に中小企業診断士関連の話題。
中小企業診断士資格は一度取ったら何もしなくてもずっと保有していられる資格ではありません。5年ごとに一定の知識や経験を積み続けていることを示す必要があります。

詳細は以下、中小企業庁ウェブサイトより

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1.更新登録をするためには、登録の有効期間内に「新たな知識 の補充」と「実務の従事」の2つの要件を両方とも満たしてい ることが必要です。

(1)「新たな知識の補充」として、次のいずれかを5回以上行 っていること
a.経済産業大臣が登録した機関が行う理論政策更新研修受講
b.中小企業基盤整備機構(中小企業大学校)が行う理論政策 研修の受講
c.経済産業大臣が登録した機関が行う論文審査に合格
d.上記 a.又は b.の研修の1回の日程を通じた指導

【参考:理論政策更新研修機関(平成27年1月31日現在)】
(一社)中小企業診断協会 URL:http://www.j-smeca.jp/
(株)実践クオリティシステムズ URL:http://www.jqs.jp
(株)経営教育総合研究所 URL:http://www.keieikyouiku.co.jp
(株)あきない総合研究所 URL:http://www.akinaisouken.jp/
(協)さいたま総合研究所 URL:http://ss-riroken.jp/

(2)「実務の従事」として次に掲げる業務等のいずれかを行う ことにより、その合計点30日(再開後の最初に行う更新登 録の場合は15日)以上獲得していること
a.都道府県等支援センター等が行う中小企業に対する経営診 断・助言業務又は窓口相談業務に従事。
b.中小企業に対する経営診断・助言業務に従事等。
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で、海外で生活する中小企業診断士にとってネックになるのが(1)「新たな知識の補充」です。仕事や自己研鑽で日々新たな知識を補充しているという方も多いと思いますが、指定された機関で講習(=理論政策更新研修)を受け、それの参加した証明書を以て条件を満たしていることを示さなくてはなりません。

なぜ、こちらがネックになるかというと、自身が海外におり、「新たな知識の補充」を行うための講習に出ることができないからです。ちょうど出張などで、日本に帰る際に講習を入れられればいいですが、出張日程は自分の意図通りに調整するのは難しいですし、日程が変更になることも少なくないと思います。また、この4時間くらいの講習のためにわざわざ一時帰国するのは時間も費用ももったいないと思います。

(2)「実務の従事」に関しては、これは海外にいることを言い訳にはできません。独立診断士であれば、顧客が日本の中小企業であれば顧客にお願いして「実務の従事」をした旨を所定の書式に記載してもらえばよいですし、そうでなければ、もしくは大部分であろう企業内診断士であっても、日本の中小企業の経営者(知り合いで独立した人でもよい)と、スカイプ・メール等を活用し、遠隔でコンサルティングを提供、それを以て書式に記載してもらえればよいです。それさえも難しい場合はまさに保有しているだけの資格になってしまいます。知り合いの会社や知り合いのつてをたどってでもサポート対象の会社を見つけ、実務を行っておきましょう。

「新たな知識の補充」の話に戻りますが、講習もオンライン講習や、スカイプ等でリモート参加できたらいいのですが、そういったものはありません。ITの発展に伴いその場にいなくてもかなりのコミュニケーションができてしまう今の世の中においてこれは不便極まりないです。実際には本人確認がどうだとかいろいろ事情があるのだと思いますが、それも含めてどうしたら便利になるのか考えてほしいです。一般企業はテレビ会議やビジネススカイプ等を活用してグローバルにコミュニケーションをとったり、出張費を極力かけないようにしているのですから、運営側もそういった感覚に追いついてほしいです。自らの経験上、本当にその場で参加しなければならないのはホワイトボードに向かって侃侃諤諤議論するような場合のみです。診断協会の提供する理論政策更新研修に参加したことがありますが、大教室で講師が淡々と4時間話しているだけ、また参加者も聞いていない人が多かったです。求められるレベルがそれでいいのであればまさにウェブ講習で十分だと思います。あきない総合研究所の講習に参加したこともありますが、そちらは参加者同士で議論を行う場もあり、その場で参加している意味もあると感じていました。「知識の補充」としてそのレベルが求められるなら、必ずその場で参加しなくてはならないとするのも理解できる部分もありますし、そうでないなら、ウェブ講義で十分です。

で、実際にはどうするかというと、理論政策更新研修以外にも、「c.経済産業大臣が登録した機関が行う論文審査に合格 」というのがあります。論文審査であれば、日本にいなくても、論文を作成し送ることで、審査を受けることができます。実は上記の中小企業庁のウェブサイトに記載されていた、理論政策更新研修機関では、論文審査も行っているところがあります。具体的には下記です。

(一社)中小企業診断協会 URL:http://www.j-smeca.jp/
(株)実践クオリティシステムズ URL:http://www.jqs.jp
(株)経営教育総合研究所 URL:http://www.keieikyouiku.co.jp
(株)あきない総合研究所 URL:http://www.akinaisouken.jp/

それぞれ、紹介していきますと、

(一社)中小企業診断協会
http://www.j-smeca.jp/contents/006_about_koushinriron.html
費用:6,000円(別途各都道府県の診断協会入会金や年会費(東京は50,000円)が必要)
論文テーマ:
   1.必修テーマ「新しい中小企業政策の動向」
   2.選択テーマ「最近の診断に関する理論及びその応用」 
      次の(1)、(2)のいずれか1つを選択
       (1)「サービス業の生産性向上支援」
       (2)「6次産業化支援」

(株)実践クオリティシステムズ
論文テーマ:
 (必修)  中小企業を取り巻く経営環境(中小企業白書)
 (一つを選択)
      製造業のコンサルティング
      あなたの知恵からイノベーションを~コンサルタントリテラシー~
      小規模事業者のコンサルティング

ちなみに、「以下のような方にお勧めです。」とのこと。

多忙で研修を受ける時間が無い:15日間の中で課題を解答すれば良いため、わざわざ会場に来て時間を拘束されることもなく、何時でも好きな時に、まとまった時間が取れなくても受講可能です。
研修会場が遠い、海外で勤務している:web環境があれば日本全国、または海外でも受講が出来るため様々な事情で会場に来る事が困難な方でも理論ポイントを取得することが出来ます。
議論が苦手・自分のペースで考えたい:1人で解答を作成するため、課題に対してゆっくりと考える事が出来ます。

上の二つはいいですが、診断士は顧客と議論しながら顧客を導いていくので、「議論が苦手」とは言ってほしくないですね。苦手ならそれを克服するべく、むしろ議論をしなければならない研修に参加するべきだと思います。

(株)経営教育総合研究所
http://www.riron.jp/ronbun.html
費用:10,800円
論文テーマ:「ご入金の確認後、下記【論文審査スケジュール・お申込】の【論題資料の送信日】より、「受講案内(合否判定基準等)」と「論題資料」をeメールで送信します。論文審査のテーマは2題です。 」とのことで、ウェブサイト上ではテーマは記載されていませんでした。

(株)あきない総合研究所
https://www.koushinkenshu.com/ronbun/
費用:10,000円
論文テーマ:
【1】.必修テーマ 「最新の中小企業政策の動向について」
【2】.選択テーマ 次の(1)、(2)のいずれかひとつを選択
    (1)「小規模基本法の趣旨を踏まえ、その政策的課題を述べよ」
    (2)「中小企業の海外展開の現状と課題」

と、必修テーマは各機関似ていますが、選択テーマはそれぞれ異なっていますね。管轄の中小企業庁がテーマを割り振っているのか、中小企業庁の提示したテーマの候補の中から選んでいるのか、各機関が独自にテーマを考えているのかはわかりませんが、これらのテーマで論文を作成、各機関に提出し、内容が認められれば「新たな知識の補充」の1回としてカウントされる証書がもらえます。

全ての機関の論文審査を受けたわけではないので、どれがいい等現時点では言えませんが、複数の機関を試してみて、感じたことがあればまたシェアできればと思います。海外在住の診断士の方々は論文審査で「新たな知識の補充」要件をクリアして資格を維持していきましょう!

1 comment:

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