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Sunday, July 2, 2017

[中小企業診断士] 中小企業診断士とコンサルティングファームの報酬

前回は中小企業診断士とコンサルティングファームの違いについて、取り組む課題、人物要件・行動特性について述べ、診断士資格取得が大手コンサルティングファームへの就職に役に立つのかどうかについて述べました。

今回は報酬の観点から、それらの違いについて述べたいと思います。

中小企業向け(中小企業診断士):
報酬は顧客中小企業から支払われる場合と、公的機関から支払われる場合がある。ある程度資金にも余裕があり、一層の成長を望んで、または将来想定される環境・状況の変化に備え診断を依頼する中小企業の場合、中小企業から直接報酬を受取る。受け取り方にも、テーマを決めコンサルティングを行うごとに報酬を受取る場合と、顧問契約のような形で毎月・毎週等、定期的に重要な会議に出席、または経営者の相談相手となり、期間で決められた額を受取る場合とがある。一方、公的機関から支払われる場合もある。中小企業診断士が公的機関に専門家として登録し、中小企業が公的機関に援助を求めてきた際、公的機関が中小企業に専門家として派遣する。公的機関は派遣費用のうち、全額若しくは一部を負担する。この場合、中小企業診断士から見た場合、顧客は診断先中小企業であり、また派遣元の公的機関でもある。派遣先中小企業、派遣元の公的機関双方から高い評価を受け、実績を積むことがが再び派遣されることに繋がる。顧問契約のような定期的に収入が入る仕事以外は、都度仕事に対する報酬を受けることになり、毎月の収入が一定とは限らない。自身で収入と仕事のバランスのマネジメントをすることが求められる。

大企業向け(コンサルティングファーム):
報酬は顧客企業から支払われる。中小企業向けのコンサルティングに比し、プロジェクト報酬の絶対額は高い。その分、コンサルティングファームは個人でなく企業として一定の品質を保ち、かつスピード感のある仕事で、いい意味で顧客企業の期待を裏切る仕事をし続けなくては、高いプロジェクト報酬を得続けることはできない。顧客企業も就職人気ランキングの上位にくるような会社ばかりで顧客にも優秀な人が多く、かつそのなかでもさらに優秀な人がプロジェクトに顧客側担当としてアサインされるため、そう簡単には満足は得られない。個人としても、一定程度以上の成果(顧客満足、売り上げ、コンサルタントとしての稼働)を出し続けることができれば、それが当該年度の評価となり、翌年の給与に反映され、12分割され(会社にもよるが)月給として支給される。

どちらも、自分・会社というブランドを維持・高め、仕事を獲得し続けるために常に価値・品質の高い、スピーディーなコンサルティングを提供し続けることが求められる。いかに顧客企業の役に立ち評価され続けるか、報酬はその対価であるということを考えれば、どちらも非常に緊張感の高い仕事であると言えます。

前回から、①顧客企業の抱える課題、②コンサルタントとしての人物要件・行動特性、③報酬の考え方の観点から中小企業診断士とコンサルティングファームの違い・共通点について述べました。それぞれ少しずつ異なるものの、①共通して持っておいた方がよい知識・考え方があり、②重要な課題や今後の進め方について自身の意見として提示できる必要があり(論理的にも正しく)、③いい意味で顧客の期待を裏切り続け仕事及びその報酬を獲得する、といった点では共通しています。そしてそもそもそういった仕事をする理由として、中小企業診断士であれ、コンサルティングファームであれ、顧客企業ひいては日本をよりよくすること(究極的には世界をよりよくすること)に貢献したいということがあるのではないでしょうか。そのような考えを持った人であれば中小企業とコンサルティングファームを並行して目指すことは決して無駄なことではないと考えます。

確かに大手コンサルティングファームへの転職だけを目指す人は、中小企業診断士の学習に1年、2年の時間をかけるよりは、コンサルティングファーム向けの履歴書・職務経歴書・志望動機書の作成や、面接・ケース面接の練習に取り掛かる方が手っ取り早いかもしれません。ただ、コンサルティングファームで働いた後コンサルタントとして独立したい、結果としてコンサルティングファームへ就職できなくても中小企業診断士として世の中を良くしたいといった夢を持っている人であれば、中小企業診断士・コンサルティングファームへの転職を併せてを目指すことは十分意味のあることであると言えます。中小企業診断士を転職やステップアップのための資格としてではなく、「コンサルタント」になるための足掛かりと考えてはどうでしょうか。

Saturday, July 1, 2017

[中小企業診断士] 中小企業診断士取得は大手コンサルティングファーム入社に有利か

事業会社で働いているころ、自己研鑽として中小企業診断士資格取得のための学習をしていました。また、資格取得してそれを武器に大手コンサルティングファームへ転職したいと思っていました。当時、診断士資格取得がどの程度大手コンサルティングファームへの就職に有利になるのかとウェブで調べたところ、中小企業のコンサルティングを行う中小企業診断士と、大企業を相手にする大手コンサルティングファームとではその業務内容も異なり、中小企業診断士資格は大手コンサルティングファームへの転職にはそれほど有利とはならず、中小企業診断士の学習に時間を割くことは得策ではない、という意見が多かったです。本当にそうなのか。ウェブ上では、他人への嫌味、妬みだったりそういったものに基づいた正確でない意見があたかも多数派であるように見えることも多々あります。そういった意見は信じない方がいいです。

自身はその後、中小企業診断士養成課程で実際に複数の中小企業向けコンサルティングプロジェクトを経験し資格取得、大手と言われるコンサルティングファームに就職したことで、中小企業向け、大企業向けのコンサルティングをそれぞれ経験しました。そのうえで、診断士資格は大手コンサルティングファーム入社や、業務に役立つのか改めて考えてみました。


1.まずはそれぞれで取り組むべき課題の特徴を切り口に、共通点の有無を考えます

中小企業の抱える課題(中小企業診断士が取り組む課題):
・限られた経営資源(資金、人材)をどう使って生きのびていくのか(金銭的余裕のある大企業以上に多い制約)
・マネジメント業務をどのように後継者に引き継いでいくのか(事業継承)

・国や自治体、公的機関の補助金や融資制度、専門家派遣等の各種制度のうち、自社に活用できるものはあるのか、どのように活用するのか
・顧客企業が海外進出したが、自社もついていくべきかどうすべきか

大企業の抱える課題(大手コンサルティングファームが取り組む課題):
・会社が今重点的に取り組むべき課題は何か(社会の動向まで踏まえ)
・会社の将来像はどうあるべきか、将来像までどのようなシナリオで持っていくべきか
・大勢の関係者のなかどのように合意形成を図り、決まった方針に対してどのような順序で社内コミュニケーションを行っていくのか

このように、確かに取り組むべき課題には大きな違いがあります。ただ、業務のなかで必要な財務諸表を見ること、固定費・変動費の考え方、マーケティングの考え方、会社法・特許に関する知識、組織の形態、システム・データベースの考え方等、会社の規模に関係なく共通して知っておいた方がいい知識、考え方は多くあります。学習を通してコンサルタントに必要なこれらの様々な視点を得ることは十分可能ですし、学習意図を大手コンサルティングファームでの採用面接で言及することはアピールにはなると思います。実際に、コンサルティングファームでは様々なテーマのプロジェクトがありますが、幅広い基礎知識がると新しいテーマへの足掛かりとなり、キャッチアップが早いと思います。



2.次に、コンサルタント自身はどうあるべきか、人物要件・行動特性から考えます

中小企業へのコンサルティングに必要な人物要件・行動特性:
①中小企業経営者の相談相手になれる(社員の人生・生活を背負い、常に仕事のことを考えている経営者と対等に話ができるだけの知識・自分なりの考え・気迫の持ち合わせ)

②国、自治体、中小企業支援機関の各種施策及びその活用方法についての見識がある
③国、自治体、中小企業支援機関とのネットワークがある(専門家としての登録、実績の積み上げ)
④セミナー、講演会等の講師として、経営についてわかりやすく整理して伝えられること

大企業へのコンサルティングに必要な人物要件・行動特性:
①論理的にものごとを考えられること(社内で意思決定・方針を展開する際に出されるであろうあらゆる意見・反対意見を想定、それでも方針が最も正しいはずだと言える必要があるため)

※特に大企業では、意思決定には様々な関係者がおり、どのようにして各関係者に納得してもらうか、鍵穴に合う鍵を作っていくような論理建てが求められます
②前例、類似する事例のない課題であっても、自ら考え、自分なりの対応方法をひねり出す

※顧客は世の中にない取り組み、自社では初めての取り組みに対してコンサルタントに協力を求めてくることが多いです

共通で必要な人物要件・行動特性
①自分なりの考えが本当に正しいのかと説明できるために論理的思考で他の方法・他の切り口も既に検討し尽くしていること(特に大企業でより重要)
②常に顧客の先を考えていることで、質問・意見に対し即答し、議論を踏まえその場で今後の主要な課題・進め方について提示できる(議論をスピーディーに進めることも価値のため、持ち帰って検討することは極力しない)
③ワード、エクセル、パワーポイントは顧客に教えられるくらい使いこなせているとともに、作業に費やされるスピードを極限まで短く、考える時間・顧客と話す時間を最大限多くすることを意識している

※②、③では、クライアントにさすが、と言われるくらいのスピード感でないとコンサルの存在が後押しになっていると思ってもらえないです

大企業へのコンサルティングや共通で必要な人物要件・行動特性については、資格取得に向けた学習のみで身に着けることは難しく、確かに中小企業診断士資格の学習ではその獲得には適していない、ということはできます。また、そもそも中小企業のコンサルティングに必要な人物要件・行動特性自体も実際には資格の学習だけでは難しいと言えます。そのため、これは日ごろの業務の中で、お客さんとの議論、社内の議論、社内のプロジェクト等を自らリードするなかで培うことが必要です。

1.及び2.を踏まえると、中小企業診断士資格の取得に向けた学習は大手コンサルファームで働くにあたっての基本的知識の獲得には有効であり、また面接でもアピールは可能。ただ、それだけでは中小企業・大企業にコンサルティングを行う場合ともに必要な人物要件・行動特性については十分に得ることはできないため、現職で意識的に経験を積んできた、結果そういった行動様式を身に着けてきたと言えることが重要です。中小企業診断士の学習をしつつ、会社では自ら率先してホワイトボードの前に立ち議論をリードしましょう!

Sunday, June 4, 2017

[生き方] 人生におけるキャリアの積み上げ方

特に若手の人向けですが、今後どうやって自分のキャリアを積んでいったらいいのか、自分を差別化していったらいいのかという話です。自分も資格試験に挑戦したり、複数回転職したり、海外で働いたりといろいろキャリアについて考えながら行動しているなかで、考えていたことと近い言葉や実際に影響を受けた言葉を紹介したいと思います。


代々木ゼミナール(予備校)講師 荻野 暢也さん

https://to-manabi.com/words-support-yozemi
"もし未来を決める神様がいるとしたらそれは今のあなたです" 


http://shunnydepp.exblog.jp/131394/
"私達が日本人であることの最大の幸せは、自分で自分の人生が選べること、未来に起きることをあらかじめ自分で決められることだと思います。しかし、それは同時にとても厳しく、他の誰のせいにでもできないことでもあるのです。あなたが今、置かれているすべての現実は皆あなたが過去に選択した結果です。まずそれを心から認めなさい。そして努力しさえすれば夢を実現できる環境に感謝しなさい。すべてはそこから始まります。"


慶應義塾大学大学院特任准教授 ジョン・キムさん
プレジデント オンラインより
http://president.jp/articles/-/9417?page=2

1973年、韓国生まれ。日本に国費留学。英オックスフォード大学客員上席研究員、米ハーバード大学客員研究員を歴任。独自の哲学と生き方論が支持を集める。

”国や会社、専門領域など、世の中にはさまざまな境界が存在します。ただ、それらは人為的な分類にすぎません。人のつくった分類に順応して、その中で生き続けなければならない必然性はどこにもない。人生の指揮官は自分です。自分の意思で枠を飛び出していけばいい。”

”境界を越えた瞬間、強固に見えた境界線は消えてなくなります。後ろを振り返ると、自分の生きてきた軌跡だけが見える。そうやっていくつもの境界を越えることで、既存の分類
に属さない代替不能な自分というものができあがっていく。”

"自分の選択が生む将来的な結果に対する全責任を、自分で負う覚悟で下した選択は常に正しい"

堀江 貴文さん
ホリエモンが語る「100万分の1」の人材になる方法
http://weblog.horiemon.com/100blog/42876/

"今の時代を生き残るには、自分の価値、いわば〝時価総額〟を上げなければなりません。その方法はシンプルで、より『レア』な人材になればいいだけ。目標は100万人に1人の人材です"

"まず、対象や分野は何でもいいということを念頭に置いてください。そこで『100人の中で1番になる』ことを考えるとどうでしょう。頑張れば何とかなれるものが見つかるのではないでしょうか。その『100分の1』の要素を自分の中で3つ見つければいいんです。そして、3つを掛け合わせれば『100万分の1』になれます。"


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要は人生、選択の繰り返しであり、今の自分も自分自身の繰り返してきた選択の結果。自ら考え、選択をすることで、境界を越え、自らのテリトリを広げることができる。それにより、代替不能な自分を形作ることも可能、ということです。

例えば中小企業診断士の場合、診断士資格保有者は全国で20,000人程度いると言われています。中小企業診断士×グローバルでも、中小企業診断士同士の海外関係の研究会があったり、海外駐在経験のある商社OBもたくさんいたりと、それでもやはり厳しい世界です。さらに何が自分の差別化要素となるのかを考えなくてはなりません。

若手の人には、大学受験・就職活動を経て、会社に敷かれた今のレールの上を走っていくだけが人生ではなく、選択によって如何ようにも広がり、そしてそれが自身の差別化にもなることをわかってほしいです。そしてそれがこれからの世の中における生きていき方だと思います。実際に、自身が新卒入社した会社の後輩もキャリアについて悩んでいて相談にものりましたが、悩みぬいた末、ひとりは留学したのちネパールやアフリカで国際協力に携わり、もう一人はオランダでMBA課程に在籍しています。

100分の1を3つ見つけて100万分の1も難しいかもしれません。でも、10分の1を3つ見つけて1,000分の1でもいいと思います。その1,000分の1を自分の将来やりたいことと重ね合わせ、そして行動することが重要です。自分の場合はなんだろう、と考えてみてください。


それにしてもジョン・キムさん若いですね。負けていられないですね 笑。



Saturday, April 30, 2016

[Singapore] 結婚後の現地採用挑戦は管理職か共働き

日本人が日本から現地採用としてシンガポールで働き始めるタイミングとして適したライフステージはいつ頃なのか、ということについて考えてみたところ、表題のような結論にいきつきました。各ライフステージにおける現地採用としての働き出しやすさは下記の通りです。

1.20代前半、新卒 ⇒ △
経験がほぼない状態でシンガポールに来るとなると、そもそも自身が英語圏で大学を卒業していない限り、現地の大学を卒業した人等に比べて英語でのコミュニケーションで不利ですし、それを克服できるだけの価値を提供できる独自の経験・能力などもない状態のため、採用されることのハードルはかなり高いと思います。日本企業であれば、日本語ができることがアドバンテージになることから採用しようとしてくれるところもあるかも知れませんが、相対的に給与水準の低い日本企業且つ、新卒レベルの給与であればそもそも外国人に対してビザが下りないリスクもあると思います。人材紹介会社の人も言っていましたがやはりここ最近エンプロイメントパス(就労ビザ)の下りる賃金水準がかなり上がってきているようです。日本でも新卒の基準を緩和する会社も増えていますので、まずはシンガポールでの就職・会社での生き残りに挑戦してみて、難しそうなら改めて新卒数年以内に日本で新卒として認めてもらえる会社にチャレンジというもありだと思います。日本で日本企業で新卒として就職する場合には研修なども整っていることが多く、最初のキャリアを日本の日本企業とするのは悪いことではないと思っています。

2.20代後半、扶養家族なし ⇒ ○
20代後半では、自身の仕事の経験値は会社で存分にパフォーマンスを発揮するのに十分とは言えませんが、①営業、物流等各種特定機能に関する業務経験があり、②それを日本での日々の業務のなかで体系的に整理・習得する努力をしており、③新たな取り扱い商品や環境が異なっても短期でキャッチアップする強さがあれば、与えられた役割をこなし、且つ慣れてきたら部下の育成も行えたりと自身の存在価値を発揮することは可能だと思います。シンガポールでの勤務開始直後は語学力や経験が十分でないことから給与水準が低いことも考えられますが、未婚のため給与により支えなくてはならないのは自分自身一人のみの生活のため、エンプロイメントパスさえ下りれば給与の低さをカバーして生活することも可能です。住居費についても、他の人と一つの住居を部屋単位でシェアすることで、1,000SGD程度に抑えることが可能です。

3.20代後半、扶養家族あり ⇒ △
ところが、配偶者(専業主婦(夫))や子ども等、扶養家族ありの場合となると、話は別です。給与により支えなくてはならないのが自分一人ではなく、家族全員となるため、給与の低さが生活可能かどうかに直結してしまいます。家族構成として、配偶者が専業主婦(夫)で、子ども(乳児)が1人とすると、一番下に記載しているように生活費+一部貯蓄としても、計5,000SGD/月程度はかかってしまいますので、仮に月給5,000SGD程度もらえたとしても(これも簡単ではありません)、家計がギリギリの状態になってしまいますし、小さい子どもがいるなかで家計がギリギリというのは予想外出費があったときに生活が維持できないリスクを伴います。シンガポールで新たな生活を始めるための引っ越し代や家具を買いそろえたりと初期費用も様々かかります。そういったリスク対応、初期費用を考えると既にある程度の貯蓄があること、また月給も5,000SGD以上、且つできるだけ多めの水準で初めて検討可能になるかと思います。

そうでなければ、配偶者もシンガポールで働き、子どもは保育園に入れることで配偶者の給与も生活費として貢献しますが、海外就職に付いてきた配偶者側が海外での子育てと就職を両立するとなるとこれはこれでかなりチャレンジングだとは思います。配偶者自身も海外現地採用を志向している本人同様、海外で自分を試す覚悟がもともとあるくらいがいいのではと思います。実際日本人で夫婦で現地採用、子育てをしている人もいます。

4.30代前半~(既婚、未婚関わらず) ⇒ ○ ※管理職として
30代前半となると、その人自身の経験によりますが、業界・機能についての知識が豊富になってきます。営業の場合は個別の顧客企業、調達の場合はサプライヤーの会社自体についての理解も深まってきます。そうすると、それを足掛かりにシンガポールでの職を見つけることもし易くなると思います(グローバルに展開する顧客やサプライヤーの場合)。また、日本で数人の部下のマネジメント経験があれば、それを活かしシンガポールでも部下の管理・育成も可能であると思います。管理職レベルのポジションであればその給料で配偶者と子ども1人くらいの生活費は賄えると思います。子どもがそれ以上いる場合や、より高い生活水準を指向する場合にはさらなるキャリアアップが必要です。

上記から、未婚であれば20代後半がチャンスです。家族を持っておりその生活を一人の賃金で支える場合には30代前半~(管理職レベルのポジション)です。いずれにしても日頃から業務内容・考え方を整理しておき、それを活用し場所や取り扱い商品等が異なってもいち早くキャッチアップできることが必要です。既婚且つ管理職レベルが難しい場合は生活維持のために現地での共働きが必要です。それはシンガポールでは共働きが主流であることからも納得がいきます。現地採用への挑戦を考えられている方は自身のライフステージや、現地採用された場合のポジション、配偶者の現地での就職意向等も含めて、そのうえで意思決定されるのが望ましいと思います。

- 小さな子どもがいる場合の家族あたり毎月発生費用:4,800SGD
以下、その内訳

住居費:2,500SGD
※HDBの一つの住居を借りる場合。さすがに家族で間借りはしない想定。こちらで複数かい家探しをしたことのある人に聞いたところ、探せば2,000SGDくらいもあるようですが、市中心部からかなり離れたところかつ湿気が高かったりと、子ども連れということを考えると2,500SGD以上はケチらない方がいいようです

保育園:1,600SGD
※配偶者が専業主婦(夫)の場合は発生せず働きの場合に発生、そのため全日(週5日、一日中)を想定

食費:900SGD
※1回4SGD/人 * 3回/日 * 30日 * 2.5人(子どもは0.5人と換算)

水道光熱費:150SGD

電話+インターネット:150SGD
※携帯電話月50SGD * 2人、及びインターネット契約50SGDと想定
※会社やプランによって様々ですが、ざっくりの計算

お小遣い:600SGD
※夫婦それぞれ300SGDずつと想定
※外食する場合はここから拠出すると想定

貯蓄:500SGD

他にMRT、タクシー等交通費が発生
※小さい子どもがいる場合には必要に応じタクシーを月数回使えた方が楽です

また初期費用として、家具一式+日本からの引っ越し代として、5,000SGD程度は見ておいた方がいいと思います。※もし大幅に実情と異なりそうな箇所があればご指摘頂ければ幸いです

Saturday, May 16, 2015

[コンサルタントの働き方] コンサルティング会社で働く魅力

自分が新卒でコンサルティング会社ではない一般の事業会社に入社したばかりの時には、製造業の量産品担当、若手だったこともあり、定型業務が圧倒的に多い状況でした。それに忙殺されやりたい改善活動などはあるもののそれもできず、自分が足踏みしている、時間だけが経っていく感覚がとてももどかしかったです。自分自身、コンサルティング業界に合っているかどうか今でもわかりませんが、今では転職前には多く時間を割きたいと思っていた現状を変えること自体が仕事になり、仕事の大部分が非定型業務となり、大変ながらも少なくとも日々成長している感覚はあります。その魅力をもう少し詳しく説明し、目指そうか悩んでいる方の参考になればと思います。

1.考える習慣がつく
クライアントの業界・会社や会社の規模、取り組みテーマが全て同じであることはほとんどないため定型業務はほとんどありません。常にこの業界・会社や会社の規模においては何が重要か、このテーマはどうやって取り組むべきかと考える必要があります。また、最初にしっかりとした計画を作ったつもりでも想定外の課題やクライアント社内の反対勢力が出てきたりと、計画を立てたらあとはひたすら実行するだけといったこともなかなかないです。そのため、仕事の進め方を常にそして粘り強く考え目標を達成することが求められますが、それが身に付くと、仕事に限らず一筋縄ではいかないいろいろなことに対し、主体的に動いて目標を達成できる人になれると思います。

2.知識の幅も広がる
当然知っていることは最大限活用しますが、クライアントの業界・会社や取り組みテーマについてわからないことがあれば都度調べる必要があります。一方では自分自身で勉強しながら、一方ではクライアントと議論ができるようにならなくてはいけないので、プレッシャーはかなりのものですが、その分仕事の度に新しい知識なり、課題への取り組み方なりが自分に追加されていくので、世の中をより広く知りたいという好奇心があり、それがモチベーションになる方には向いていると思います。自分の場合は、学生時代から東南アジアの文化や言語についてより深く知りたいという欲求があったので、今は仕事をしながら東南アジアの各国について見識を深めることができ、それがモチベーションにもなっています。

3.いろいろな役割をこなせるようになる
クライアントのキーマンや現場の人にヒアリングをしたり、市場環境の傾向やクライアント企業のコストをエクセルで分析したり、それを説明するスライド資料を作ったり、クライアントに対してセミナーを行ったり、クライアント社内の議論のファシリテーションをしたりと、プロジェクト内容によりいろいろな役割が求められ、努力すればこなせるようになっていきます。もちろん人により向き不向きはあり、エクセルでものすごいスピードで分析して成果物を作れるようになる人もいれば、現場の人へのヒアリングで質問により深堀りをしていき管理者も知らないような問題や課題を明らかにできる人、様々います。自分にとって特に人に負けない得意なものを見つければいいと思います。

4.クライアント企業の歴史に残るような大きな取り組みに関われる
クライアント企業の特定の部署に所属する社員だったら10年に一度あるかないかの大きな変化・改革に、常に携わることができると思います。また、自分達が行った検討内容が、クライアント企業の経営レベルの会議の議題のひとつになることもあります。クライアントの大きな取り組みに対し、相当程度のインパクトを与えていることを実感できます。大変ながらも刺激的でもあり社会へ貢献しているということを強く感じることができる仕事だと思います。

自分自身はまだまだ途上ですが、常に自分で考え、必要に応じ新たな知識も臆せずどんどん吸収し、分析したり人とコミュニケーションしたりといった行動様式が身に付いていくので、そういった意味で成長していきたいと思う方には向いていると思います。以前働いていたコンサルティング会社では、会社を修行の場としてとらえ、その後独立して事業を始める人、家業を継ぐ人、政治家を目指す人などがいました。個人的にはずっとコンサルティング会社にいるよりは、コンサルティング会社は働く人が自分を成長させる場で、その後は起業するなりして社会により大きいインパクトを与えていくようになれるのが理想だと思っています。もし自分がくすぶっていると感じたら、チャレンジしてみる価値はあると思います。

Saturday, May 2, 2015

[転職] 面接の臨み方

シンガポールの話題が多かったですが、今回は面接の話題を。もともと自分は新卒の就職活動時、面接にかなり苦手意識があったのですが、その後2社のコンサルティング会社(日系・外資)へ転職したときの面接・その準備等を通し、得手不得手もある一方、努力次第でなんとかなるものだ、と思うようになりました。面接・その準備、転職エージェントとのやりとりなどを通し理解した自分なりの面接への臨み方について、眠らせておくともったいないので書いておきたいと思います。

1.基本的な質問にはすぐ答えられるようにしておく
自己紹介をしてください。経歴について簡単にお願いします。等聞かれる可能性の高い質問については、必ずすぐ答えられるようにしておく必要があります。自己紹介、経歴、自分の強み・弱み、大変だった経験、なぜこの仕事を希望するのか、入社したら何がしたいか、最後に質問はないか等。当然聞かれるであろうこれらの質問に対し、「え~、それについては」、くらいならいいですがそれ以上に考えている素振りを見せると本気度を疑われる可能性が高いと思います。

2.ある程度の突っ込みにも耐えられるようにしておく
加えて、突っ込みに対応することである程度突っ込まれても揺るがないような強い意志・考えを持っていままで生きてきたことを伝えることが重要です(もちろん人生そうでないことも多いですが)。突っ込まれて、いやぁ。。。、うーん。。。となってしまっては、この人本当に考えて今まで行動してきたのか、なんとなくうちの会社に入ろうとしているんではないのかと疑われてしまいます。突っ込みには①理由を問うもの、②批判的な突っ込み、の2種類あります。①は、なぜその学部・学科を選んだのか、なぜ今の会社を選んだのか、なぜうちの会社なのか、なぜ転職しなければならないのか等。②は、やりたいと言っていることは今の会社で強く主張すればできるのではないか、同じことは他の会社でもできるのでは、等。いずれも自分がしてきた/しようとしている選択にあたり何を考え、どうういう理由でどう判断してきたかを述べることにが求められます。これについてもある程度想定される突っ込みの内容、どう対応するかを想定しておくことが重要です。理由は、2つ~3つ準備しておき簡潔に答えられるといいです。コンサルティング会社の面接では、特にここの準備に念を入れておいた方がいいです。

1.2.については、準備している人としていない人では面接官に伝わる内容、誠意等、大きく差がつきます。自分も最初は一問一答形式で整理してみましたが、結局ワード何枚分にもなってしまうので、「フリーマインド」というフリーのマインドマップのソフトを使って、上の階層に質問、次の階層に回答3つをキーワードだけ列挙するようにしたところ(必要に応じて想定される突っ込みと答えも更にその下の階層に書いていく)、A4一枚くらいにまとまったので、それをぐるっと見回すだけで面接のイメージトレーニングになるので、便利でした。

3.あらゆる質問を自分のアピールにつなげる
何気ない質問を何気ない質問で終わらせないことが重要です。面接官は意図があってかなくてか、「会社まではどのように通勤していますか」というような面接とは直接関係なさそうな質問も面接の最初・最後のあたりですることがあります。そこで「何線で、何線に乗り換えて、何十分くらいです。」と無難に返してしまっては、時間がもったいないです。もちろん面接官も場を和ませようと当たり障りのない質問をしてくれているのかもしれませんが、加えて「まあまあ混んでいますが、通勤時間はいつも~の勉強をしており、仕事にも役に立っています」と、多少面接官に合わせて和んだ雰囲気も出しつつ(これも重要)、自分の強みや考え方・信念、また機会を最大限活用する積極性を持った人だということをアピールする機会にしてしまうことが重要です。

4.最後の質問の時間もアピールの時間として活用する
最後に質問は、とほとんどの面接で聞かれますが、必ず質問をする必要があります。質問がないとその会社に興味がないと思われます。3-4くらいは必ず考えておきましょう。聞く内容も、ウェブサイトに載っていることを聞くとそれくらい調べろと思われてしまいますし、公開情報でなくても事実確認だけだと何の意図で聞いているのかよくわかりません。特に中途採用の面接では、質問をしたうえで「それであれば、御社のなかではこういう仕事のニーズが高まっているということでしょうか」とか、「であれば私のこういった経験も生かせると思います」と、自分自身が何に興味を持っているのか、どんな仕事がしたいのか、どんな強みがあるのか、どういった貢献ができるのかを伝えることに活用しましょう。「そういった課題においては、自分の経験からすると、こういう仕組みを導入することが効果的だと思っており、自分が入社したらそういったこともリードしていきたい」等、より具体的な提案を含んだ返しができれば、面接官に対しても頼りがいのある部下になってくれそうだと思ってもらえると思います。なぜ今回採用しようとしているのか、採用しようとしている人には何を期待するのか、を聞くことで受けている会社・部門の課題の話に持っていきやすいですし、直接御社・部門の重要な取り組みテーマは何ですかと聞いてもいいと思います。

上記1.2.をしっかり準備しておくこと、3.4.は意識をして転職エージェント/日頃面接をしている知人等との面接の練習や実際の面接に臨み対応力を磨いておくことが重要です。面接についてはいろいろ書籍等出ていると思いますが、ポイントとしてはこういったことなのではと思っています。このような感じで訓練しているといつの間にか苦手意識もなくなってくると思います。

Friday, February 20, 2015

[転職] 転職のススメ

やりたい仕事、会社でのキャリアをうまく重ねられている人はどれくらいいるのでしょうか。運良く、またはうまいこと社内でアピールした結果思い通りのキャリアパスを歩めている人。会社の中で与えられたキャリアパスを歩むのが人生だと考えている人。いろいろいると思います。

日本ではまだまだ新卒一括採用、中途採用はほとんど募集していないというような会社も多くあります。また一度会社に入ると、大企業であるほどひとりひとりの希望への細かい対応はできずに会社の論理で人事異動が行われます。これを前提にすると、冒頭のやりたい仕事、会社でのキャリアをうまく重ねられていない人が圧倒的多数いるのではとの考えに至ります。

このミスマッチを解消する方法として、①社内で公募制等を導入していて希望の部署で人を募集していればそちらへ応募する、②やりたい仕事をできる可能性の高い他社へ転職する、③これも冒頭で述べた会社の中で与えられたキャリアパスを歩むのが人生だと考える、の3通りが考えられます。①の方法をうまく活用し希望の部署への異動や海外駐在のチャンスを得た人も少なからずいると思いますが、必ずしもそういった機会に恵まれない人も多数いるはずです。その場合は、思い切って②を検討することをお勧めします。(でないと③になってしまいます。)

転職する際には、求人票が出ていてその内容に対して応募することになりますが、一般的には求人票で業務内容などが明らかにされているので自分のやりたい仕事がどんな会社にあって、どんな人を欲しているのかが分かります。見事にその会社に入社できれば自身が前職でなかなかありつけなかった希望の仕事を、まさに自分の主たる仕事としてすることができます。これが転職の素晴らしいところです。また、残念ながら面接試験に通らなかったとしても、面接官や転職エージェントとのやりとりを通じてその仕事をするためにはどんなスキルが、経験が必要なのかといったことを理解することができます。

そうすることで、転職の一歩手前のステップとして、現職で何を頑張れば、どういった役回りを買って出ればいいのかがわかり、逆に現職でやるべきこともあきらかになると思います。やりたい仕事と今の仕事にギャップがあり、今している仕事が手につかないよりもよっぽどいいと思います。
そして、社内で転職に必要な様々なスキル、経験、資格等(=パーツ)を集めて半年後、1年後、数年後に再チャレンジするのです。

一足飛びに将来像にありつけなければ、理想とする将来像を実現するために、次にこういった仕事をしたい、その仕事をするためにはこういったパーツが必要だと、将来から逆算してそれに向けて行動していくこともできます。スポーツ選手等、肉体的な条件から小さい頃から最短で競争を勝ち抜いてこないとなれない仕事でない限りは、多少時間がかかっても大丈夫です。

言いたいことはキャリアパスとは、転職を含むあらゆる手段を用いて打算的に積み上げていくものだということです。理想とする将来像を描いてアクションを起こし夢に近づいていってください。

もちろん転職だけを是としているわけではなく、企業側としても極力社内のミスマッチを解消するような仕組みづくり等の努力は必要です。