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Sunday, July 2, 2017

[中小企業診断士] 中小企業診断士とコンサルティングファームの報酬

前回は中小企業診断士とコンサルティングファームの違いについて、取り組む課題、人物要件・行動特性について述べ、診断士資格取得が大手コンサルティングファームへの就職に役に立つのかどうかについて述べました。

今回は報酬の観点から、それらの違いについて述べたいと思います。

中小企業向け(中小企業診断士):
報酬は顧客中小企業から支払われる場合と、公的機関から支払われる場合がある。ある程度資金にも余裕があり、一層の成長を望んで、または将来想定される環境・状況の変化に備え診断を依頼する中小企業の場合、中小企業から直接報酬を受取る。受け取り方にも、テーマを決めコンサルティングを行うごとに報酬を受取る場合と、顧問契約のような形で毎月・毎週等、定期的に重要な会議に出席、または経営者の相談相手となり、期間で決められた額を受取る場合とがある。一方、公的機関から支払われる場合もある。中小企業診断士が公的機関に専門家として登録し、中小企業が公的機関に援助を求めてきた際、公的機関が中小企業に専門家として派遣する。公的機関は派遣費用のうち、全額若しくは一部を負担する。この場合、中小企業診断士から見た場合、顧客は診断先中小企業であり、また派遣元の公的機関でもある。派遣先中小企業、派遣元の公的機関双方から高い評価を受け、実績を積むことがが再び派遣されることに繋がる。顧問契約のような定期的に収入が入る仕事以外は、都度仕事に対する報酬を受けることになり、毎月の収入が一定とは限らない。自身で収入と仕事のバランスのマネジメントをすることが求められる。

大企業向け(コンサルティングファーム):
報酬は顧客企業から支払われる。中小企業向けのコンサルティングに比し、プロジェクト報酬の絶対額は高い。その分、コンサルティングファームは個人でなく企業として一定の品質を保ち、かつスピード感のある仕事で、いい意味で顧客企業の期待を裏切る仕事をし続けなくては、高いプロジェクト報酬を得続けることはできない。顧客企業も就職人気ランキングの上位にくるような会社ばかりで顧客にも優秀な人が多く、かつそのなかでもさらに優秀な人がプロジェクトに顧客側担当としてアサインされるため、そう簡単には満足は得られない。個人としても、一定程度以上の成果(顧客満足、売り上げ、コンサルタントとしての稼働)を出し続けることができれば、それが当該年度の評価となり、翌年の給与に反映され、12分割され(会社にもよるが)月給として支給される。

どちらも、自分・会社というブランドを維持・高め、仕事を獲得し続けるために常に価値・品質の高い、スピーディーなコンサルティングを提供し続けることが求められる。いかに顧客企業の役に立ち評価され続けるか、報酬はその対価であるということを考えれば、どちらも非常に緊張感の高い仕事であると言えます。

前回から、①顧客企業の抱える課題、②コンサルタントとしての人物要件・行動特性、③報酬の考え方の観点から中小企業診断士とコンサルティングファームの違い・共通点について述べました。それぞれ少しずつ異なるものの、①共通して持っておいた方がよい知識・考え方があり、②重要な課題や今後の進め方について自身の意見として提示できる必要があり(論理的にも正しく)、③いい意味で顧客の期待を裏切り続け仕事及びその報酬を獲得する、といった点では共通しています。そしてそもそもそういった仕事をする理由として、中小企業診断士であれ、コンサルティングファームであれ、顧客企業ひいては日本をよりよくすること(究極的には世界をよりよくすること)に貢献したいということがあるのではないでしょうか。そのような考えを持った人であれば中小企業とコンサルティングファームを並行して目指すことは決して無駄なことではないと考えます。

確かに大手コンサルティングファームへの転職だけを目指す人は、中小企業診断士の学習に1年、2年の時間をかけるよりは、コンサルティングファーム向けの履歴書・職務経歴書・志望動機書の作成や、面接・ケース面接の練習に取り掛かる方が手っ取り早いかもしれません。ただ、コンサルティングファームで働いた後コンサルタントとして独立したい、結果としてコンサルティングファームへ就職できなくても中小企業診断士として世の中を良くしたいといった夢を持っている人であれば、中小企業診断士・コンサルティングファームへの転職を併せてを目指すことは十分意味のあることであると言えます。中小企業診断士を転職やステップアップのための資格としてではなく、「コンサルタント」になるための足掛かりと考えてはどうでしょうか。

Saturday, July 1, 2017

[中小企業診断士] 中小企業診断士取得は大手コンサルティングファーム入社に有利か

事業会社で働いているころ、自己研鑽として中小企業診断士資格取得のための学習をしていました。また、資格取得してそれを武器に大手コンサルティングファームへ転職したいと思っていました。当時、診断士資格取得がどの程度大手コンサルティングファームへの就職に有利になるのかとウェブで調べたところ、中小企業のコンサルティングを行う中小企業診断士と、大企業を相手にする大手コンサルティングファームとではその業務内容も異なり、中小企業診断士資格は大手コンサルティングファームへの転職にはそれほど有利とはならず、中小企業診断士の学習に時間を割くことは得策ではない、という意見が多かったです。本当にそうなのか。ウェブ上では、他人への嫌味、妬みだったりそういったものに基づいた正確でない意見があたかも多数派であるように見えることも多々あります。そういった意見は信じない方がいいです。

自身はその後、中小企業診断士養成課程で実際に複数の中小企業向けコンサルティングプロジェクトを経験し資格取得、大手と言われるコンサルティングファームに就職したことで、中小企業向け、大企業向けのコンサルティングをそれぞれ経験しました。そのうえで、診断士資格は大手コンサルティングファーム入社や、業務に役立つのか改めて考えてみました。


1.まずはそれぞれで取り組むべき課題の特徴を切り口に、共通点の有無を考えます

中小企業の抱える課題(中小企業診断士が取り組む課題):
・限られた経営資源(資金、人材)をどう使って生きのびていくのか(金銭的余裕のある大企業以上に多い制約)
・マネジメント業務をどのように後継者に引き継いでいくのか(事業継承)

・国や自治体、公的機関の補助金や融資制度、専門家派遣等の各種制度のうち、自社に活用できるものはあるのか、どのように活用するのか
・顧客企業が海外進出したが、自社もついていくべきかどうすべきか

大企業の抱える課題(大手コンサルティングファームが取り組む課題):
・会社が今重点的に取り組むべき課題は何か(社会の動向まで踏まえ)
・会社の将来像はどうあるべきか、将来像までどのようなシナリオで持っていくべきか
・大勢の関係者のなかどのように合意形成を図り、決まった方針に対してどのような順序で社内コミュニケーションを行っていくのか

このように、確かに取り組むべき課題には大きな違いがあります。ただ、業務のなかで必要な財務諸表を見ること、固定費・変動費の考え方、マーケティングの考え方、会社法・特許に関する知識、組織の形態、システム・データベースの考え方等、会社の規模に関係なく共通して知っておいた方がいい知識、考え方は多くあります。学習を通してコンサルタントに必要なこれらの様々な視点を得ることは十分可能ですし、学習意図を大手コンサルティングファームでの採用面接で言及することはアピールにはなると思います。実際に、コンサルティングファームでは様々なテーマのプロジェクトがありますが、幅広い基礎知識がると新しいテーマへの足掛かりとなり、キャッチアップが早いと思います。



2.次に、コンサルタント自身はどうあるべきか、人物要件・行動特性から考えます

中小企業へのコンサルティングに必要な人物要件・行動特性:
①中小企業経営者の相談相手になれる(社員の人生・生活を背負い、常に仕事のことを考えている経営者と対等に話ができるだけの知識・自分なりの考え・気迫の持ち合わせ)

②国、自治体、中小企業支援機関の各種施策及びその活用方法についての見識がある
③国、自治体、中小企業支援機関とのネットワークがある(専門家としての登録、実績の積み上げ)
④セミナー、講演会等の講師として、経営についてわかりやすく整理して伝えられること

大企業へのコンサルティングに必要な人物要件・行動特性:
①論理的にものごとを考えられること(社内で意思決定・方針を展開する際に出されるであろうあらゆる意見・反対意見を想定、それでも方針が最も正しいはずだと言える必要があるため)

※特に大企業では、意思決定には様々な関係者がおり、どのようにして各関係者に納得してもらうか、鍵穴に合う鍵を作っていくような論理建てが求められます
②前例、類似する事例のない課題であっても、自ら考え、自分なりの対応方法をひねり出す

※顧客は世の中にない取り組み、自社では初めての取り組みに対してコンサルタントに協力を求めてくることが多いです

共通で必要な人物要件・行動特性
①自分なりの考えが本当に正しいのかと説明できるために論理的思考で他の方法・他の切り口も既に検討し尽くしていること(特に大企業でより重要)
②常に顧客の先を考えていることで、質問・意見に対し即答し、議論を踏まえその場で今後の主要な課題・進め方について提示できる(議論をスピーディーに進めることも価値のため、持ち帰って検討することは極力しない)
③ワード、エクセル、パワーポイントは顧客に教えられるくらい使いこなせているとともに、作業に費やされるスピードを極限まで短く、考える時間・顧客と話す時間を最大限多くすることを意識している

※②、③では、クライアントにさすが、と言われるくらいのスピード感でないとコンサルの存在が後押しになっていると思ってもらえないです

大企業へのコンサルティングや共通で必要な人物要件・行動特性については、資格取得に向けた学習のみで身に着けることは難しく、確かに中小企業診断士資格の学習ではその獲得には適していない、ということはできます。また、そもそも中小企業のコンサルティングに必要な人物要件・行動特性自体も実際には資格の学習だけでは難しいと言えます。そのため、これは日ごろの業務の中で、お客さんとの議論、社内の議論、社内のプロジェクト等を自らリードするなかで培うことが必要です。

1.及び2.を踏まえると、中小企業診断士資格の取得に向けた学習は大手コンサルファームで働くにあたっての基本的知識の獲得には有効であり、また面接でもアピールは可能。ただ、それだけでは中小企業・大企業にコンサルティングを行う場合ともに必要な人物要件・行動特性については十分に得ることはできないため、現職で意識的に経験を積んできた、結果そういった行動様式を身に着けてきたと言えることが重要です。中小企業診断士の学習をしつつ、会社では自ら率先してホワイトボードの前に立ち議論をリードしましょう!

Friday, June 9, 2017

[中小企業診断士] 診断士資格を活かして国際協力に携われる会社

診断士のなかでもニッチなのかもしれないですが、そのような志のある方に役に立つようにと思いまとめました。会社の社員募集要項に「中小企業診断士」と書いてあったり、JICA等の案件の入札情報から「中小企業振興」関連の案件を複数獲得している開発コンサルティング会社をピックアップしました。

日本開発サービス

http://www.jds21.com/
募集要項の資格の欄に「中小企業診断士の資格があると尚可」と記載があります。

アイシーネット

http://www.icnet.co.jp/
募集要項に「中小企業診断士などの各種専門技術、国家・公的資格を高く評価」と記載があります。実績のなかに、「中小企業海外展開支援案件」があります。

かいはつマネジメントコンサルティング 

http://www.kmcinc.co.jp/
事業内容で、「国際ビジネス支援部」があり、企業の海外進出支援を行っています。ODA部門の事業内容に「中小零細企業開発部」があります。国際ビジネス支援部に中小企業診断士の方が在籍されています。

ユニコ インターナショナル株式会社

http://www.unico-intl.co.jp/
募集要項に「中小企業診断士等の各種専門技術、国家・公約資格を高く評価」と記載があります。事業内容に、「中小企業振興分野では、零細・中小企業を対象とした振興策の策定、中小企業向け支援サービスの提供体制整備、中小企業診断士の育成制度構築、中小企業向け金融制度の構築及び品質・生産性向上(カイゼン)の普及など多くの実績があります。」と記載があります。

株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ (WBA)

http://www.wba.co.jp/
中小企業診断士が中心となって設立・運営されている会社です。

グローバル開発経営コンサルタンツ

http://gdmc.jp/
こちらも中小企業診断士が中心となって設立・運営されている会社です。

株式会社コーエイ総合研究所

http://www.kri-inter.co.jp/index.html
事業分野に「産業開発/中小企業振興」があります。

と、学生時代に国際協力に関わりたいと思っていたが、JICA等限られた選択肢のなかで結局一般企業に就職した方も、診断士を取得することで、これらの会社で働き、国際協力に携われる可能性があります。これは、国際協力に携わることを目指している学生もあまり知らないと思いますし、携わりたいと思っていた人もあまり気付いていない事実だと思います。これが診断士資格取得+転職で夢をかなえる方法です。診断士資格取得自体が難しいと思うかもしれませんが、何年かに分けて一次試験を通過、その後養成課程に行けばいいのです。やりたいことが明確なら手段を選ぶ必要はありません。新卒でJICAに入団するよりも何倍も可能性が高いですよね?

で、そのJICAに中途で入社して活躍されている診断士の方もいます。

JICAで働く診断士
https://www.jica.go.jp/topics/person/20121225_01.html


私の記憶している限りでは、JICAやジェトロ等、こういう国の機関は以前は中途採用を行っていなかったと思うのですが、最近では中途採用をしているようです。JICAの募集要項にも「開発課題 - 民間セクター開発」の記載がありますね。ここが診断士資格の活かせる分野会と思います。診断士の方のインタビューでは、「国際協力も民間の仕事も現場感覚が大切。機会があれば、今度はプロジェクトの現場で案件に携わり、少しでも顧客である途上国の皆さんに貢献したい」と言われていますが、これはJICAや他の政府機関、国際機関は予算を持ってプロジェクトを実施する会社を入札で決め、そのプロジェクト管理をする、といったコーディネーター的な役割が多いのだと思います。相手国の現場で自らがプロジェクトに関わりたいのであれば、開発コンサルティング会社の方がいいのかもしれません。どのような形で国際協力に関わりたいのかを考えたうえで、働きたい場所を考えるのがいいかと思います。

Sunday, June 4, 2017

[生き方] 人生におけるキャリアの積み上げ方

特に若手の人向けですが、今後どうやって自分のキャリアを積んでいったらいいのか、自分を差別化していったらいいのかという話です。自分も資格試験に挑戦したり、複数回転職したり、海外で働いたりといろいろキャリアについて考えながら行動しているなかで、考えていたことと近い言葉や実際に影響を受けた言葉を紹介したいと思います。


代々木ゼミナール(予備校)講師 荻野 暢也さん

https://to-manabi.com/words-support-yozemi
"もし未来を決める神様がいるとしたらそれは今のあなたです" 


http://shunnydepp.exblog.jp/131394/
"私達が日本人であることの最大の幸せは、自分で自分の人生が選べること、未来に起きることをあらかじめ自分で決められることだと思います。しかし、それは同時にとても厳しく、他の誰のせいにでもできないことでもあるのです。あなたが今、置かれているすべての現実は皆あなたが過去に選択した結果です。まずそれを心から認めなさい。そして努力しさえすれば夢を実現できる環境に感謝しなさい。すべてはそこから始まります。"


慶應義塾大学大学院特任准教授 ジョン・キムさん
プレジデント オンラインより
http://president.jp/articles/-/9417?page=2

1973年、韓国生まれ。日本に国費留学。英オックスフォード大学客員上席研究員、米ハーバード大学客員研究員を歴任。独自の哲学と生き方論が支持を集める。

”国や会社、専門領域など、世の中にはさまざまな境界が存在します。ただ、それらは人為的な分類にすぎません。人のつくった分類に順応して、その中で生き続けなければならない必然性はどこにもない。人生の指揮官は自分です。自分の意思で枠を飛び出していけばいい。”

”境界を越えた瞬間、強固に見えた境界線は消えてなくなります。後ろを振り返ると、自分の生きてきた軌跡だけが見える。そうやっていくつもの境界を越えることで、既存の分類
に属さない代替不能な自分というものができあがっていく。”

"自分の選択が生む将来的な結果に対する全責任を、自分で負う覚悟で下した選択は常に正しい"

堀江 貴文さん
ホリエモンが語る「100万分の1」の人材になる方法
http://weblog.horiemon.com/100blog/42876/

"今の時代を生き残るには、自分の価値、いわば〝時価総額〟を上げなければなりません。その方法はシンプルで、より『レア』な人材になればいいだけ。目標は100万人に1人の人材です"

"まず、対象や分野は何でもいいということを念頭に置いてください。そこで『100人の中で1番になる』ことを考えるとどうでしょう。頑張れば何とかなれるものが見つかるのではないでしょうか。その『100分の1』の要素を自分の中で3つ見つければいいんです。そして、3つを掛け合わせれば『100万分の1』になれます。"


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要は人生、選択の繰り返しであり、今の自分も自分自身の繰り返してきた選択の結果。自ら考え、選択をすることで、境界を越え、自らのテリトリを広げることができる。それにより、代替不能な自分を形作ることも可能、ということです。

例えば中小企業診断士の場合、診断士資格保有者は全国で20,000人程度いると言われています。中小企業診断士×グローバルでも、中小企業診断士同士の海外関係の研究会があったり、海外駐在経験のある商社OBもたくさんいたりと、それでもやはり厳しい世界です。さらに何が自分の差別化要素となるのかを考えなくてはなりません。

若手の人には、大学受験・就職活動を経て、会社に敷かれた今のレールの上を走っていくだけが人生ではなく、選択によって如何ようにも広がり、そしてそれが自身の差別化にもなることをわかってほしいです。そしてそれがこれからの世の中における生きていき方だと思います。実際に、自身が新卒入社した会社の後輩もキャリアについて悩んでいて相談にものりましたが、悩みぬいた末、ひとりは留学したのちネパールやアフリカで国際協力に携わり、もう一人はオランダでMBA課程に在籍しています。

100分の1を3つ見つけて100万分の1も難しいかもしれません。でも、10分の1を3つ見つけて1,000分の1でもいいと思います。その1,000分の1を自分の将来やりたいことと重ね合わせ、そして行動することが重要です。自分の場合はなんだろう、と考えてみてください。


それにしてもジョン・キムさん若いですね。負けていられないですね 笑。



[コンサルタントの働き方] 優秀なコンサルタントの特徴

優秀なコンサルタントの特徴について書きたいと思います。

①勝負強い
これは、運が強いとも言えます。ただ、何もせず運が強いのではなく、運を引き寄せているといえます。仕事に限ったことではありません。外資系コンサルティング会社時代、数十人のプロジェクトのボーリング大会で最も高いスコアを出したのは参加者の中で最もランクの高いパートナーだったし、同じプロジェクトメンバーの飲み会でじゃんけんをしたときもそのパートナーが勝った。また別の期末の飲み会でじゃんけんで勝った人がピコピコハンマーを持ち、負けた人がヘルメットを持ち、ハンマーで相手がヘルメットを被る前に相手の頭を叩けたら勝ち、というゲームをしたときも決勝に残ったのはパートナーとシニアマネージャーだった。彼らは常にどうしたら勝てるかというのを考えている。プロジェクトメンバーでフットサルをしたときも、試合のあと、彼らは得失点のきっかけになった場面を細かに覚えていて、あのときどうすべきだった、と真剣に議論する。何事にも頭をフル回転させることを止めず、愚直に向き合っている。カイジの漫画でティッシュ箱から当たりくじを引き当てるゲームがあったが、主人公は焦ってしまい、えいやでくじを引き勝負に敗れた。そして考えることを止めてしまったことを後悔する。クライアントが難しい課題に直面して明確な解にたどり着けず悩んでいるなか、コンサルタントがえいやになってしまったら、コンサルタントの価値は全くありません。常に1%でも成功確率の高い選択肢は何か考え続けることが必要です。彼らはそれを理解し、それが日常生活の基本的な行動様式にもなっているのです。

②記憶力が強い
クライアントとの打ち合わせでクライアントが話していたことをこと細かに記憶し、再現します。クライアントの現場の人と打ち合わせしたのち、クライアントの偉い人や、自社の上司から「どうだった?」と聞かれ、あの人がこんなことで悩んでいると言っていた、あの取り組みが現場でもうまく回っているといっていた、打ち合わせの結論としては…で、と簡潔に説明します。外資系コンサルティング会社でも「クライアントとの打ち合わせでは一字一句聞き漏らすな」と若手は言われていました。そもそも打ち合わせ内容を理解していなければ内容をメモするのも難しいでしょうし、打ち合わせ内容を理解してメモ・議事録を作成、記憶したりできるようになれば、その次の手をどう打つべきか等のクライアントとの議論も主導できるようになります。コンサルティング会社では若手はこの過程を通して育っていきます。「会議が眠い」と感じている若手とは成長度合いが全く違います。

③簡潔にまとめる
記憶力に加え、さらに優秀なコンサルタントは簡潔にまとめるのも得意としています。「どうだった」と聞かれたら、結論は①…、②…、③…で、次のアクションは①…で、②…で、③…で、と簡潔にまとめることができます。これはどうやって対応したらいいかというと、クライアントとの打ち合わせが終わって、自社の事務所に戻る道で結論は①…、②…と、答えられる準備をするのです。さらに、コンサルタント、マネージャークラスになると、クライアントとの打ち合わせの場で最後に、「じゃあ、コンサルタント会社さん、まとめると?」と話しを振られることもあるので、リアルタイムで結論は①…、②…、と答えられるように頭を働かしておかなければなりません。当時の優秀な上司は数十人のクライアントのメンバーが参加した打ち合わせをファシリテートしつつ、手元のメモに、議論で出た重要な論点、結論等をいつでも答えられるようメモしていました。コンサルタントって、結論は3つで…と、どうやっていきなりそれが出てくるんだろうと思うかもしれませんが、上記のようにちょっとした打ち合わせの間、打ち合わせの中での間を使って重要なポイントって何なのかというのを常に考えています。

④根性
自分の詳しくない分野で会っても猛勉強して議論にはついていけるようにする、クライアントがあきらめてしまいそうな答えのなさそうな状況でももうひと頑張り考えて自分なりの答えを出す、クライアントに怒られてもなにくそと期待を上回るものを出す等々。お客さんが突き抜けられないブレークスルーするのがコンサルタントなのでここに喜びを感じて、頑張れることが重要です。このあたりは激務と呼ばれる原因でもあるのですが、激務になり過ぎない範囲で上司や周囲の知恵を借りながら効率よく対応していけばいいのではと思います。

思いつくのはこれくらいでしょうか。決して、コンサルタントってすごいでしょう、ということを言っているわけではなく、①も②も③も、もちろん④も日ごろの努力とか、行動様式とか、から養える能力です。万人が何もせずにコンサルタントになれるとは思っていませんが、万人であっても上記のような努力を日頃からしていればコンサルタントとしてクライアントを満足させるレベルになることは私の経験からも可能だと思っています。よく地頭が良い人がコンサルタントに向いていると言われますが、①~③これらができていれば、字頭が良いとなぜか言われるようになります。経営コンサルタントになろうと考えている若手の方、中小企業診断士として独立しようと考えられている方の参考になればと思います。

Sunday, May 14, 2017

[中小企業診断士] 海外在住診断士が資格更新するには

久々に中小企業診断士関連の話題。
中小企業診断士資格は一度取ったら何もしなくてもずっと保有していられる資格ではありません。5年ごとに一定の知識や経験を積み続けていることを示す必要があります。

詳細は以下、中小企業庁ウェブサイトより

~~~
1.更新登録をするためには、登録の有効期間内に「新たな知識 の補充」と「実務の従事」の2つの要件を両方とも満たしてい ることが必要です。

(1)「新たな知識の補充」として、次のいずれかを5回以上行 っていること
a.経済産業大臣が登録した機関が行う理論政策更新研修受講
b.中小企業基盤整備機構(中小企業大学校)が行う理論政策 研修の受講
c.経済産業大臣が登録した機関が行う論文審査に合格
d.上記 a.又は b.の研修の1回の日程を通じた指導

【参考:理論政策更新研修機関(平成27年1月31日現在)】
(一社)中小企業診断協会 URL:http://www.j-smeca.jp/
(株)実践クオリティシステムズ URL:http://www.jqs.jp
(株)経営教育総合研究所 URL:http://www.keieikyouiku.co.jp
(株)あきない総合研究所 URL:http://www.akinaisouken.jp/
(協)さいたま総合研究所 URL:http://ss-riroken.jp/

(2)「実務の従事」として次に掲げる業務等のいずれかを行う ことにより、その合計点30日(再開後の最初に行う更新登 録の場合は15日)以上獲得していること
a.都道府県等支援センター等が行う中小企業に対する経営診 断・助言業務又は窓口相談業務に従事。
b.中小企業に対する経営診断・助言業務に従事等。
~~~

で、海外で生活する中小企業診断士にとってネックになるのが(1)「新たな知識の補充」です。仕事や自己研鑽で日々新たな知識を補充しているという方も多いと思いますが、指定された機関で講習(=理論政策更新研修)を受け、それの参加した証明書を以て条件を満たしていることを示さなくてはなりません。

なぜ、こちらがネックになるかというと、自身が海外におり、「新たな知識の補充」を行うための講習に出ることができないからです。ちょうど出張などで、日本に帰る際に講習を入れられればいいですが、出張日程は自分の意図通りに調整するのは難しいですし、日程が変更になることも少なくないと思います。また、この4時間くらいの講習のためにわざわざ一時帰国するのは時間も費用ももったいないと思います。

(2)「実務の従事」に関しては、これは海外にいることを言い訳にはできません。独立診断士であれば、顧客が日本の中小企業であれば顧客にお願いして「実務の従事」をした旨を所定の書式に記載してもらえばよいですし、そうでなければ、もしくは大部分であろう企業内診断士であっても、日本の中小企業の経営者(知り合いで独立した人でもよい)と、スカイプ・メール等を活用し、遠隔でコンサルティングを提供、それを以て書式に記載してもらえればよいです。それさえも難しい場合はまさに保有しているだけの資格になってしまいます。知り合いの会社や知り合いのつてをたどってでもサポート対象の会社を見つけ、実務を行っておきましょう。

「新たな知識の補充」の話に戻りますが、講習もオンライン講習や、スカイプ等でリモート参加できたらいいのですが、そういったものはありません。ITの発展に伴いその場にいなくてもかなりのコミュニケーションができてしまう今の世の中においてこれは不便極まりないです。実際には本人確認がどうだとかいろいろ事情があるのだと思いますが、それも含めてどうしたら便利になるのか考えてほしいです。一般企業はテレビ会議やビジネススカイプ等を活用してグローバルにコミュニケーションをとったり、出張費を極力かけないようにしているのですから、運営側もそういった感覚に追いついてほしいです。自らの経験上、本当にその場で参加しなければならないのはホワイトボードに向かって侃侃諤諤議論するような場合のみです。診断協会の提供する理論政策更新研修に参加したことがありますが、大教室で講師が淡々と4時間話しているだけ、また参加者も聞いていない人が多かったです。求められるレベルがそれでいいのであればまさにウェブ講習で十分だと思います。あきない総合研究所の講習に参加したこともありますが、そちらは参加者同士で議論を行う場もあり、その場で参加している意味もあると感じていました。「知識の補充」としてそのレベルが求められるなら、必ずその場で参加しなくてはならないとするのも理解できる部分もありますし、そうでないなら、ウェブ講義で十分です。

で、実際にはどうするかというと、理論政策更新研修以外にも、「c.経済産業大臣が登録した機関が行う論文審査に合格 」というのがあります。論文審査であれば、日本にいなくても、論文を作成し送ることで、審査を受けることができます。実は上記の中小企業庁のウェブサイトに記載されていた、理論政策更新研修機関では、論文審査も行っているところがあります。具体的には下記です。

(一社)中小企業診断協会 URL:http://www.j-smeca.jp/
(株)実践クオリティシステムズ URL:http://www.jqs.jp
(株)経営教育総合研究所 URL:http://www.keieikyouiku.co.jp
(株)あきない総合研究所 URL:http://www.akinaisouken.jp/

それぞれ、紹介していきますと、

(一社)中小企業診断協会
http://www.j-smeca.jp/contents/006_about_koushinriron.html
費用:6,000円(別途各都道府県の診断協会入会金や年会費(東京は50,000円)が必要)
論文テーマ:
   1.必修テーマ「新しい中小企業政策の動向」
   2.選択テーマ「最近の診断に関する理論及びその応用」 
      次の(1)、(2)のいずれか1つを選択
       (1)「サービス業の生産性向上支援」
       (2)「6次産業化支援」

(株)実践クオリティシステムズ
論文テーマ:
 (必修)  中小企業を取り巻く経営環境(中小企業白書)
 (一つを選択)
      製造業のコンサルティング
      あなたの知恵からイノベーションを~コンサルタントリテラシー~
      小規模事業者のコンサルティング

ちなみに、「以下のような方にお勧めです。」とのこと。

多忙で研修を受ける時間が無い:15日間の中で課題を解答すれば良いため、わざわざ会場に来て時間を拘束されることもなく、何時でも好きな時に、まとまった時間が取れなくても受講可能です。
研修会場が遠い、海外で勤務している:web環境があれば日本全国、または海外でも受講が出来るため様々な事情で会場に来る事が困難な方でも理論ポイントを取得することが出来ます。
議論が苦手・自分のペースで考えたい:1人で解答を作成するため、課題に対してゆっくりと考える事が出来ます。

上の二つはいいですが、診断士は顧客と議論しながら顧客を導いていくので、「議論が苦手」とは言ってほしくないですね。苦手ならそれを克服するべく、むしろ議論をしなければならない研修に参加するべきだと思います。

(株)経営教育総合研究所
http://www.riron.jp/ronbun.html
費用:10,800円
論文テーマ:「ご入金の確認後、下記【論文審査スケジュール・お申込】の【論題資料の送信日】より、「受講案内(合否判定基準等)」と「論題資料」をeメールで送信します。論文審査のテーマは2題です。 」とのことで、ウェブサイト上ではテーマは記載されていませんでした。

(株)あきない総合研究所
https://www.koushinkenshu.com/ronbun/
費用:10,000円
論文テーマ:
【1】.必修テーマ 「最新の中小企業政策の動向について」
【2】.選択テーマ 次の(1)、(2)のいずれかひとつを選択
    (1)「小規模基本法の趣旨を踏まえ、その政策的課題を述べよ」
    (2)「中小企業の海外展開の現状と課題」

と、必修テーマは各機関似ていますが、選択テーマはそれぞれ異なっていますね。管轄の中小企業庁がテーマを割り振っているのか、中小企業庁の提示したテーマの候補の中から選んでいるのか、各機関が独自にテーマを考えているのかはわかりませんが、これらのテーマで論文を作成、各機関に提出し、内容が認められれば「新たな知識の補充」の1回としてカウントされる証書がもらえます。

全ての機関の論文審査を受けたわけではないので、どれがいい等現時点では言えませんが、複数の機関を試してみて、感じたことがあればまたシェアできればと思います。海外在住の診断士の方々は論文審査で「新たな知識の補充」要件をクリアして資格を維持していきましょう!

Saturday, July 30, 2016

[中小企業診断士] 中小企業診断士の国際協力

中小企業診断士の国際業務というと、海外の市場調査・拠点設立支援・海外企業とのマッチング支援等の海外進出支援をイメージされる方が多いと思いますが、もうひとつに国際協力関連の業務があります。

中小企業診断士の資格を取得することで、国際協力の分野での活躍も期待できることについては下記記事でも触れました。

診断士の国際協力は、新興国の中小企業支援機関のへの研修実施・制度整備支援や、現地の中小企業従業員への研修実施、左記に加え現地の中小企業の現場に入りこみ現場を変えていくタイプの支援もあります。学生時代などに国際協力の現場に携わりたいと考えていた方も多いとは思いますが、なかでも現場に入り込むような支援をイメージされていた方が多いのではないでしょうか。中小企業診断士はそれを仕事として行うことができます。

ここで言いたいのは、国際協力とは、JICAに入所したり、海外の大学院の国際関係学を学んで国連等の国際機関に所属するだけでなく、中小企業診断士として経験を積むことでもできるということです。そのハードルは確率・費用などの観点から左記の2つよりもはるかに低いと思います。さらにJICAや国際機関で勤務している人よりもより現場に近い場所で支援することができます。これは学生時代に国際協力に携わってみたいと考えていたが結局一般企業に就職、国際協力に携わりたいという気持ちが頭の片隅にずっとあったような方には絶好の機会だと私は思っています。且つ自身が企業で学んできたことを活かしつつ専門家として国際協力に携わることができ、現職でしっかりと専門性を身に着けること、中小企業診断士の資格を取得する大きなモチベーションとなるのではと思います。私自身も中小企業診断士の国際協力について知ったことが取得に向けた学習意欲継続を可能にしてくれました。

自身が中小企業診断士資格の学習を始めた10年前ころは、そういった情報もネット上ではほとんど見つけることができなかったのですが、今では見つけることができます。その例を下記に紹介したいと思います。国際協力に携わりたいとなんとなく思ってきて、診断士資格の学習をしている、仕様と思っている人にとっての励みになればと思います。

国際協力の仕事は日本のJIKAやHIDA(一般財団法人海外産業人材育成協会(HIDA)による国際協力事業として、国際開発コンサルティング会社・診断士等の専門家がそのプロジェクトを実施する形となっていますので、実際にその仕事をするためには入札に参加して業務を勝ち取らなければなりませんが、そのアプローチとしても下記は参考になると思います。

開発途上国の中小企業振興支援に挑む
【第1回】カメルーンで活かす日本の中小企業勤務&支援経験
【第2回】カメルーンに対する日本の中小企業振興支援の特徴
【第3回】中小企業診断士の役割は、海外でも日本でも「触媒」

国際派の若手女性診断士
【第1回】相手の立場を理解できるコンサルタントに
【第2回】診断士資格で仕事の芽が増える
【第3回】「おせっかい」が仕事につながる

舞台は世界へ-国際派診断士への道
【第1回】予想外に早くスタートした海外業務
【第2回】海外業務のやりがいと苦労

東ティモールで活躍する女性診断士
【第1回】中小企業診断士が携わる国際協力活動
【第2回】東ティモールでの調査活動
【第3回】東ティモールのプロジェクトを終えて

Sunday, June 28, 2015

[中小企業診断士] 診断士養成課程は選択肢となり得るか

中小企業診断士になるには、通常の一次試験・二次試験に合格する以外に、一次試験合格後に中小企業診断士養成課程を受験し修了することで資格を取得する方法があります。

中小企業診断士養成課程とは、国の中小企業基盤整備機構が運営している中小企業大学校に設置されているものや、その他私設の教育機関や大学院に設置され経済産業大臣に登録されたものがあります。一覧は、下記中小企業庁のウェブサイトに公開されています。
http://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/download/0417Yousei-TourokuKikan.pdf

中小企業大学校のようにフルタイムで半年間のもの、平日の夜や週末を使い、1~2年かけて終了するもの、大学院のMBA課程と一緒になっていて卒業時にはMBAと診断士資格が同時に手に入るものなど、それぞれあります。

診断士養成課程は選択肢となり得るか、結論からいうと、資格取得を目標としている人には選択肢となり得ると思います。その理由を自身が中小企業大学校の養成課程の道を選び、学んだ経験を踏まえ下記にまとめてみました。

1.足踏み感が少なからずある二次試験の勉強をし続けなくてよい
私は二次試験を一度受け、それなりに勉強したつもりだったのですが、あと少しで通過に至りませんでした。一次試験と違い勉強を通して自身が一歩一歩成長している感覚や合格に近づいている感覚のない、また次回必ず受かるかわからない二次試験に対し、あと少しの差分を埋めるためだけにもう一年予備校に通ったりして勉強するのは投入する時間に対する効果(自身の成長度合×資格取得の確実性)がとても低いと思いました。仮に二次試験の勉強を一年続けると足踏み感が強くもどかしい思いをすることが容易に想像できました。更には二回目を受けて仮に不合格であったら、一次試験から受け直しになってしまいます。中小企業診断士養成課程であれば、入学が決まればあとは歯を食いしばって最後までついてけば資格は取得できる、また二次試験の勉強に比べ、一日一日学ぶこと自体も自分のためになる、養成課程での学習を通した自身の成長度合、資格取得の確実性の両面から養成課程が自分にとっては良さそうだと思いました。その分、養成課程の準備以外の時間は英語の学校に通うなど時間を有効に使用することを心がけました(結果的にこれでTOEICの点数も上がり転職にもプラスになりました)。

上記の1番が、自分にとっての養成課程を選択した最も大きな要因だったのですが、実際に養成課程で学ぶなかで、感じたのは下記2点です。

2.まとまった時間を使って考える・議論する、そこで成長するよい機会となる
以前自身が事業会社で勤務していたときは、会社や部署をよりよくするためにどうしたらいいのか等、同僚と納得いくまで議論したいとは思いつつも、通常業務が忙しく、なかなか思うようにできていませんでした。中小企業大学校の養成課程では、一部座学もあるものの、大部分がケーススタディに基づいたディスカッション・グループワークであったり、実際に中小企業を訪問してのコンサルティングプロジェクト形式の実習であったり、まさに題材となっている会社をどう良くするかを議論することがメインでした。ホワイトボードに向かい、侃侃諤諤議論します。時には指導教員に反論したりします。議論が詰まってしまい、誰も打開策を打ち出せないときには、誰かがいい意見を言ってくれるのを待たず、「ここで状況を打開するのは自分なんだ、自分なんだ。。。」と常に考え、積極的に発言・議論を導くようにしていました。今考えると、その時の経験があったことが、養成課程修了後入社した外資系コンサルティング会社の経営コンサルティング部隊で生き残ることができた要因だと思っています。その会社では入社時の最終面接でパートナーに「コンサルティング会社で働くのに中小企業大学校に行かずに直接来れば早かったのに」と言われましたが、自分としては養成課程での経験がなければ、入社早期から議論のなかでプレゼンスを発揮するのがなかなか難しかったのではと思っています。

3.養成課程参加者同士の強いコネクションができる
自身の通っていた中小企業大学校の養成課程では、さすが公的機関、クラスメートの8割以上が日本全国の中小企業支援機関、行政の中小企業支援部門、金融機関から派遣されている人でした。私は残りの1~2割に滑り込んだ形です。その人達と濃密な半年間を過ごし、全国にて中小企業支援を仕事として行っている人達との強いコネクションを築くことができました。自分のコンサルタントとしての成長次第ですが、将来セミナー等に講師として呼んでもらったりもできるかもしれません。2に関連するところでは、中小企業支援のための支援策の適用を認可する行政側、中小企業に融資する金融機関等、様々な立場で中小企業支援に関わる人たちと議論するなかで、それぞれの考え方に触れることができたのも経験値としてよかったと思っています。聞きたいことがあれば今でも連絡して聞くこともできます。中小企業大学校以外では、参加者の構成がどのようになっているかはその人のブログを探し出したりしてチェックしてみるといいかもしれません。


と、いい面ばかりを挙げましたが、もちろん養成課程に要する時間や費用についても考える必要はあります。自分の場合は、①診断士資格を取得することが自分の計画における目標のうちのひとつでありそれを最優先したこと(確実性 = お金に変えられない価値を重視)、②また資格取得後コンサルティング業界へ転職しようと考えていたため退職には抵抗がなかったこと(資格取得後思い通りの仕事にありつけるかはわからなかったが、何となく自信はあった)、③また養成課程期間中に収入が得られない機会損失はあるものの当時独身であったたことから支えられなくなるキャッシュアウトフローが特になかったこと、の①~③から、自分にとってはフルタイムの養成課程に入るデメリットは大きくないと判断しました。家計の維持のために、仕事をしていない期間ができてはいけない人であれば、現職を退職せずに平日夜や週末の養成課程などがありますので、それも選択肢となるとは思います。また、③は許容可能だが、②は養成課程後思うように仕事が見つからなかった場合のリスクを考えると抵抗があるという方は、平日夜や週末の養成課程以外に、会社と交渉して休職しフルタイムの養成課程に入る選択肢も考えられると思います。実際には、私の同期の個人で参加していた人も養成課程終了後中小企業支援機関に就職したり、独立して生計を立てたりしているので、やり抜く意志さえあれば心配しすぎる必要はないとは思います。

ウェブ上では、養成課程についていろいろ否定的な意見も書かれていたりしますが、一切気にする必要はありません。診断士になれば、誰がどの出身だとか一切関係ないですし、気にする人もいません。どれだけ仕事を取ってきて、確実に実施できるかが勝負です。本当になりたいのに二次試験を経ての資格取得にこだわっていて結局機会を逃してしまっては本末転倒です。コンサルティングプロジェクトにも言えることですが、目的を達成するためにはあらゆる手段を考えるというマインドで考え、判断頂ければと思います。歯を食いしばって臨めば、むしろ即戦力として次の道へ繋がるものだと思っていますので、打算的に活用してください。

Wednesday, June 10, 2015

[中小企業診断士] 診断士とMBAのどちらを取得すべきか

今後のキャリアアップのために、中小企業診断士とMBAのどちらを取得すべきか。答えは当たり前ですが「その人による」です。それぞれ特徴があり、自分の人生にとって必要なのは何によって得られる要素なのか、それに時間やお金をかけて取り組む価値があるかを考えるべきです。

まずは中小企業診断士の特徴は、
1.学習を通して得た知識を活かして仕事の幅を広げられる
今まで特定の分野で仕事をしていた人が、経営に関する基礎的な知識を一次試験の7科目の学習を通して身に着けることができます。それにより、例えば財務会計の科目で学んだことを活かして取引先の財務諸表を見たり、経営情報システムでの知識を活かしてシステム改善のプロジェクトに参加したり(当然最初は参加者のひとりという位置づけ)、経営法務で学んだ知識をベースに取引先との契約内容すり合わせをしたりと、資格取得に至るかは別として、真剣に取り組めば少なからず上記のような職場に転がっている機会を掴み、仕事の範囲を広げられる可能性はあると思います。仕事の範囲を広げ、社内での希望の部門への異動や転職に繋げられれば時間やお金をかけて勉強した価値は十分あるし、逆に勉強だけして満足していたら時間とお金の無駄です。ただ、経済学は、私も苦手な科目のひとつでしたが、自身の経験上勤務した事業会社、外資・日系のコンサルティング会社での勤務で知識が役に立つ機会はありませんでしたので、必ずしも全て同様に自身の仕事に役立つとは言えない部分もあるとは思います。

2.公的な機関から中小企業支援の仕事を得やすくなる
今度は診断士として開業して仕事をする場合ですが、よくネット上で言われているのが、公的資格とはいえ、弁護士、会計士、税理士等と違って法的な独占業務がないため、努力して取っても意味がない、それだけでは食っていけない等です。確かに、中小企業診断士の資格を持った人だけに開放された一定の市場があるわけではありません。一方で、商工会・商工会議所等の中小企業支援機関、地方自治体等において専門家による経営相談や専門家を企業に派遣する中小企業支援施策が用意されていますが、その専門家募集のページでは、「中小企業診断士資格を保有していることが望ましい」と記載されていることも多いです。中小企業診断士資格の有無に関わらず経営コンサルタントを名乗りそういった経営の助言を行う業務を行うことはできますし、実際に既にどこの地方自治体で○○アドバイザーをしているといった経歴がよりものをいうことは確かですが、一番最初に仕事を取る際には資格があった方が有利といえると思います。支援機関や地方自治体でも、その看板を背負った経営相談員や派遣される専門家の一定レベルの質を担保しなくてはなりませんし、その判断のよりどころになるものだと思います。

3.国際協力の分野での活躍も期待できる
また、あまり知られていませんが、国際協力の分野で、日本のODAを財源とした、JICAやHIDA(一般財団法人海外産業人材育成協会)等の活動のなかで、海外の中小企業産業振興や中小企業人材育成を目的としたものも多くあり、そこでの活躍の機会も考えられます。JICAやHIDAはタイやインドネシアで中小企業診断士の育成を行っており、そこでも日本の中小企業診断士が活躍していました。また、JICAが2012年から開始した、日本の中小企業の海外進出を支援し、それを以て進出先国の経済発展・人材育成に寄与するという「中小企業海外展開支援事業」においても、中小企業診断士の活躍の機会は多いと思います。海外の大学院で開発学を専攻し国際協力の分野に関わる人も多いですが、中小企業診断士資格の取得も国際協力に関わりたい人にとっての入口のひとつになると思います。国際協力機関で働く人は支援先国との調整役となることが多いと思いますが、診断士は現場で現地の人に根気よく指導する立場を期待されることも多く、より現場に近い場所で関わりたい人には理想的とも言えると思います。下記リンクのように中小企業診断士の経験を活かして、国際協力に携わって本を出版されている方もいます。
元JICA専門家 中小企業診断士 298日間の海外支援奮闘記
中小企業診断士による国際協力の機会についてはあまり知られていないことですが、これを知って診断士を目指し、国際協力の分野で活躍する若手が多く出てくるといいなと思っています。

4.診断士同士の横の繋がりができる
参加するしないは自由ですが、中小企業診断協会という診断士が集まる協会もあります。様々な研究会活動があり、診断士同士の横の繋がりができます。自身の経験上、いわゆる大企業で幹部として働いている人、働いていた人も多く、そういった会社の話を聞けたり、そういった人と一緒に仕事をすることでその人のコネクションが仕事に生きることもあると思います。

一方、MBAについては、私自身が取得しているわけではないので、人から聞いた話として簡単に紹介するにとどまってしまいますが、
1.英語での経営に関する議論ができるようになる
海外MBAの場合、授業は全て英語で、様々なケーススタディを通してクラスメートとの議論も行うことになりますので、必死に頑張れば卒業する頃には初めて訪問した海外の会社などとも英語で経営のハイレベルな議論をすることができるようになります。

2.世界中からの優秀なビジネスマンとのコネクションができる
世界中の有名企業から幹部候補生として派遣されている人などと、一緒に議論をしたりグループワークをしたりと密なコミュニケーションをするなかで、強いコネクションができます。卒業後も互いの国の企業を紹介しあったりと、コネクションが自身のビジネスにも生きます。

中小企業支援・国際協力に近づける、協会に参加すれば国内での横の人脈もできる中小企業診断士。中小企業診断士は、働きながらでも取得は可能です。海外人材としての即戦力+グローバルな人脈が得られるMBA。MBAは会社を辞めるか休むかしなければならない分よりハードルは高いですが、その分自身のキャリアをグローバルな方向に一気に転換させる強力な経験値を得られます。どちらも自己啓発にはなるものの、それ自体を目的とするにはかける時間とお金がもったいなさ過ぎます。なんとなくの憧れを持つだけでなく、目指す目的を自分なりに定義づけたうえで、取り組めば必ずその後の人生に有意義なものとなると思います。転職に関する投稿でも書きましたが、どちらも将来を見据えてその道具として打算的に活用していくものだと思います。