データブック国際労働比較2015 (P53)http://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2015/documents/Databook2015.pdf
2-5 年齢階級別女性労働力率(2013年)
結婚・出産を機に退職する人が少ないことが理由として考えられますが、その背景として、シンガポール政府が子育てをしながらの就業を奨励していることがあります。
シンガポール政府のワーキングマザーへの補助金に関するページhttps://www.ecitizen.gov.sg/Topics/Pages/Subsidies-for-infant-child-and-student-care.aspx
このウェブサイトでは、下記のように、ワーキングマザーが乳児を全日の保育園に預ける際には、月600 SGDの補助金が支給される(ワーキングマザーでない場合は150 SGD)こと、幼児の場合は月300の補助金が支給されること(ワーキングマザーでない場合は150SGD)が記載されています。
また、これは母親だけでなく、父親にも当てはまりますが、下記政府のウェブサイトに記載がありますが、7歳に満たないシンガポール国籍の子を持つ場合には、年に6日のChild Care休暇が与えられます。
http://www.mom.gov.sg/employment-practices/leave/childcare-leave/eligibility-and-entitlement
日本で有休を使わなければいけない場合に比べると休みが取りやすいと思います(シンガポールに来るとそもそも日本ではなぜ有休って取りにくかったんだっけと、シンガポール人が日本人に対して抱くのと同じように思ってしまう日本人も多いと思いますが)。
で、話はここからです。シンガポールは制度がしっかりしているから、日本もそうすればいいではないか、というほど単純ではありません。制度の上で、ワーキングマザー自体もかなり頑張っています。知り合いの例を下記に紹介したいと思います。
①多国籍 消費財メーカーで働くワーキングマザー
在宅勤務制度を利用している。会社に出社するのは月一度。在宅勤務しながら、生まれて数か月の子ども面倒を見る。仕事の合間合間でミルクを与えたり、おむつを交換したり。
②多国籍 IT機器メーカーで働くワーキングマザー
子どもは幼稚園に預け、会社に出社する。営業の最前線で働いており、顧客回りも多い。子供の幼稚園は午後4時には迎えに行く必要があるため午後3時にはオフィスを出る。午後9時に子どもが寝たあと夜中の12時まで自宅で業務を行う。
本人達も相当大変だと思います。そして、これらの例から会社も在宅勤務や、フレックスタイムを認めていることもわかります。
本人達も相当大変だと思います。そして、これらの例から会社も在宅勤務や、フレックスタイムを認めていることもわかります。
本当にそのような社会になったら日本の居酒屋の売り上げも半分になると思います。この間日本出張に行ったときに、一次会が終わっていい感じに酔っぱらった様子の黒いスーツを着た数十人の男性の集団がすぐに帰らず二次会に行こうかどうしようかというような雰囲気でじゃれあっていました。シンガポールに来る前の自分だったら見慣れていたはずの風景でも、シンガポールでの生活に慣れた自分としては違和感を覚えました。本当に女性の社会進出を実現しようとすると、こういう風景は見られないことになります。社会通念のようなもの自体を変えていく必要があります。
会社も、在宅勤務やフレックスは管理上問題がある、と言っているばかりでは意味がありません。在宅勤務と仕事の質・量をどうやって両立をすべきかを考えるべきです。日本企業でもシンガポールでの多国籍企業でのワーキングマザーの働き方、企業の提供している働き方やそのインフラをベンチマークし、日本に輸入するような取り組みも有効かもしれません。
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